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オタクとの婚活回想録

私は30代の女オタクである。特に美人なわけでもなく、この結婚難の時代にゴールインするためには努力が不可欠と自認していた。そのため、20代中ごろから婚活を始め、成婚退会までいったのに大失敗して出戻り、二度目の成婚退会をキメている。
もちろんこんなことをオフで話すわけにもいかず(恥ずかしいと思うことに憎さを感じるが、恥ずかしくてたまらない)、ここでオタクの婚活事情について吐き出しておきたい。特に思い出深かった男性や、出来事、事件について少しずつまとめられたらと思う。


オタク婚活、童貞が多すぎる

オタク婚活で出会う男性は総じて善良で控えめで大人しい。積極的に話を振ってくれる人は少なく、「いい人だけどつまらない」を地で行く。インターネットに渦巻く男性の生きづらさをようやく実感した。
一度目の成婚退会をキメた男性はあまりに女性慣れしておらず、成婚退会後半年たってようやく手をつないだ。ガクガクと震える手にこちらがむしろ恐れおののいたものだった。いっこうに性的接触をしてこず、私側から誘うと震えだすので難儀した。何なら、「今から髪切ってくるけどどんな長さが好み?」と聞いても震えだしてた。怖い。
30代にして童貞、別にいいじゃんと思っていたが、世話を焼かされる(とあえて言う)身になってみると違う景色が見えるものだ。

趣味が合う=気が合う ではない

私は結構男オタク文化に明るく、女の子が多く出てくるコンテンツのほうを好む。逆に男キャラばかりだと苦手である。
これが婚活特攻だったらしい。必ず何かひとつ、向こうと共通話題を見つけて盛り上げることが出来た。別に詳しくなくても「プレイしたことがある」「アニメなら見た」「同じシリーズの別作品が好き」程度でいいので簡単。
しかしこれは自分にも相手にも非常に良くない。別に気が合っていないのに、話だけ盛り上がるので見極めが甘くなる。趣味の話なんてするべきじゃなかった、と気づいたのは一度目の成婚退会破局後であった。

ボードゲーム、人間性が見えすぎる

一度目の成婚退会大失敗で学んだことの一つは「知能レベルが合わないと苦しい」であった。これを乗り越えるために編み出したのが「デートで必ずボードゲームカフェに行く」である。
婚活をするオタクには本当に声を大にして言いたい。
この人!と決める前にボードゲームをやれ。
以下の項目が数時間でチェックできるので、ボードゲームはイベントとして本当に強い。

  • 初めて聞くルールを同じスピードで理解できるか

  • 勝ち負けを優先して相手を蔑ろにしないか
    (勝ちにこだわりすぎて不機嫌になる/負けが込んで不機嫌になる人間はよくいる)

  • 運と知略のバランスが心地よいか
    (すべて博打にされてもつまらないが、考え込みすぎて1手10分にされてもつまらない)

  • 対等に程よい駆け引きができるか

リアルはギャルゲーでも乙女ゲーでもないので、相手に人間性や知性というパラメータがある。しかもこれは非常に測定が難しい。おまけに最も大事なのは「自分に合うかどうか」である。指数が高ければ高いほどよいものではない。
これらを測るためにボードゲームは人間性、要領の良さを引き出す最良の手段である。少なくとも婚活という場においては。

どうしても合わなかった男性達

婚活なので多くの男性と出会い、並行してデートを行う。その中でも印象的で、「絶対ない」と思った人のことを記録しておく。
オタク婚活は制作会社の中の人に異様に出会いやすいので、各コンテンツに触れるとお断りした人の顔がちらつくことも多い。反芻しては色々と考え込んでしまうので、ここでお焚き上げさせてほしい。

職場のLINEをデート相手に見せる奴

これはオタクとか関係なく人間性が最悪だったというだけである。
確かお医者様だったと思うが、職場の愚痴であればともかく、LINEまで見せてきたので絶対ないと結婚相談所に伝えた。
しかし結婚相談所もとりなすことが仕事なので「そんなこと言わずに…」と言われ、無駄なデートを重ねた。
婚活やる前に社会人やれ。

食事マナーがキツい奴

これが意外といる。自分がどうしてもキツかったのは、食べている間左手を自分の膝に置くタイプの人。
向こうも成人した男性なので、私から行儀の悪さを指摘するのも座りが悪い。結果として結婚相談所に「無理です」と伝えて終わりになる。これまた「そんなこと言わずに…」と言われ、無駄なデートを重ねた例であった。
ボドゲも楽しく遊べ、悪くないと思っていた人だけに私も残念であったが、一度目の成婚退会大失敗で食事マナーは本当に気になると痛感していたのでそのままお別れした。

下請けゲーム会社に勤めてる奴

この人は人間性も良くて食事マナーも良くてお育ちも良いという話だったが一度しか会わなかった。
初対面なのに「〇〇というゲームを下請けで作ってます」と仕事の内情を明かしてきたのでお断りした。
私がそのゲームシリーズのファンだと言ってしまったせいだと思う。

RTAが趣味の奴

非常に頭が良い人で、学歴はもちろん話し方からも知性を感じた。
しかし話を振るのは常に私からで、雑談というのが苦手なようだった。
1時間しか会話していないが、こちら側の負担が大きすぎるのでお断りした。

結婚の熱意がない奴

最悪である。結婚しないなら帰れ。婚活市場に出てくるな。
割と気が合う男性で、在宅エンジニアということで様々な融通も利きそうでよかったのだが、とにかく熱意がなかった。
デート中もお互いに婚活の愚痴を言い合い、私らは気が合うよね~…という空気になりつつ、いまいち次の行動にいかない。私がキープされる側だったのかもしれないが、どうにもダラダラとしていたのでこちらからお断りになった。

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