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宇宙に鳴る潮騒

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宇宙に憧れ、星を愛し、それを糧として生きる人たちの群像劇です。少しずつ更新していきます。少し、切ない。そんな気分になりたいときにおすすめです。一話完結ですのでお気軽にどうぞ。
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#小説

想い人の彼

「ただいま。」  玄関からリビングに抜けると私はそのままソファーに突っ伏して倒れこんだ。…

星見さとこ
3か月前
2

光の速さで

 私は星空ツアーガイドを生業にしている。  地域のキャンプ場や文化施設、学校の課外授業な…

星見さとこ
3か月前
8

抜けぬ太刀

さて、快刀乱麻を断つ、などと言いますが。 これはよく切れる刀で、複雑にからまった麻を切る…

星見さとこ
4か月前
3

星のラブレター

私は古い灯台の上にいた。写真部の私は星空の写真が撮りたくて、新月の夜にはこうして家を抜け…

星見さとこ
4か月前
5

星占いは嘘をつく

 少女は朝から極めて上機嫌だった。気が付けば鼻歌交じりで制服のブレザーに袖を通している。…

星見さとこ
6か月前

レンズの先に

 私は天体望遠鏡の修理職人として働いている。小さな工房を構えて、個人や団体からの依頼を受…

星見さとこ
6か月前
1

薔薇とロケット

 父はかつて東側で天才と呼ばれた科学者だった。彼の技術力は東側の政府から高く評価されていたことは、幼い日の私も肌で感じていた。父はまさに私の誇りだった。  一方で、父は科学者として政府の抑圧に日々反発していた。高校で数学の教鞭をとっていた母が流行り病で急死したことをきっかけに、父は一人娘である私を連れて西側へ亡命することを決意した。  西側に亡命した父は西側の当局機関から大いに歓迎され、その奇才のような研究開発能力を以て再び科学者としての地位を築いた。  その背中を見て育っ

流れ星の名前

 今日の夜は少し冷える。日付が変わる頃には、もっと外気温が落ちていくだろう。彼女はできる…

星見さとこ
6か月前
4

亡霊の帰還

 今度の8月のミッションを終えれば、もう二度とこのタラップを上がることはない。  彼にと…

星見さとこ
6か月前