9割の嘘、1割の真実
かねてから俺は太陽の赴くままに
「会社を辞めるための闘い」を挑み、そして散った。
自らを超えて会社を辞めるために「超戦」と位置づけ
挑みに挑み、そして完膚なきまでに爆散した。
どんなに大望を抱こうにも阻止する存在が土星。
会社にいる以上、会社の言うことが全てだ。
会社にいると言うことは「会社の束縛を良しとしている」と言うことに他ならない。
「会社にいる限り、いくらでもこき使ってください」という
奴隷宣言をしているに等しいのだと。
俺はそれが気に食わなかった。
俺はそんな弱い自分を超えるために、
そして会社を乗り超えた生き方をするために
「超戦」する道を選んだー。
嘘まみれの世界の中での、たった1割の真実。
俺はいろんな人間に会いに行って
会社を辞めるための糸口を掴もうとした。
起業塾の師匠、ブログ熟、エネルギーワーク系セミナー。
どれだけ人を頼ったか、数知れず。
しかし行く先々で誰かの言いなりになるだけで、
自分の本能の赴くままに生きたことにはならなかった。
今だからその結果を臆面もなく言えるが
結局どこに行っても、どんな先生の下についても
オレは「会社を辞める」ほどの実力を身につけるに至らなかったのだ。
たとえどんな肩書きを持ったスゴイ先生でも
会社を辞めるほどまでに自力を引き上げることができなかった。
外の研修をどれだけ頼りに行っても会社を辞めるまでに至らず
当時俺がいたブラック企業に、業務で追い詰められてしまっていた。
俺はそうした業務の辛すぎる状況にたまらず根を上げて
「会社を辞める」ということを会社に願い出た。
よりによって、独立する基盤が固まる前に、だ。
そうしたこと持って、ある時オレは「会社を辞めて独立して生きる」
とSNSでブチ上げたことがあった。
会社を辞めると言った時も賞賛してくれた人間もいたし
「会社で働かなくてもいいように」って
「親切心」でネットワークビジネスを強化しようよ、と言ってくれた「友達」もいた。
俺が当時いた起業塾のメンターは特に何も言わなかったな。
そんな感じで、ありがた迷惑なヤツラが「友達」に多い中で
一人だけ真を見据えて、オレに向き合ってくれて苦言した人間がいた。
それは、かつての同僚だった人間である。
ありがた迷惑なヤツラが多い中で、ただ一人、
あの時の自分に対して真っ当なことを言った唯一の人物だった。
「起業家」として
その人はかつては同じ会社で、場末の酒場で会社の愚痴を言い合った間柄でもあった。
まぁ、あの当時で言えば飲みに誘ったのは俺の方だし、
彼より俺の方が、幾分精神的に立ち位置は上だったかもしれん、
上も下もないんだが。
会社で散々「使えない」とこきおろされて自己肯定感の下がりまくった彼は
休職してその期間に大きく学び、懐の深い智者として帰還した。
俺は彼から様々な叡智を授かった。
彼は驚くほど変わっていたのだ。
彼から受けた叡智で、俺も変わることができた。
俺は場末の居酒屋で会社の愚痴を吐いていた、
そんな彼のみっともない姿を見続けてきたからこそ思う。
この世界に不可能なことはない、
「出来ない」としたらそれは俺たちが「勝手に諦めている」だけ。
人間の可能性は無限大。
人間は死ぬ気になれば「変わる」のだと。
そんな「かつての使えない中年リーマン」であった彼が俺にアドバイスをくれた。
「今のあなたは、取り巻く人、アクション、それらは極力離れ、独りになるべきだ」と。
「周りの連中から離れて一人になれ」、と言われて俺が納得出来るはずもない。
なぜなら俺は「起業家」だし、サラリーマンである彼の意見を聞き入れる必要などない。
俺はサラリーマンみたいな人生を辞めたくて起業家の先生に師事しているのだ。
何でこのオレが易々と平々凡々生きている愚劣なサラリーマンごときの言うことを聞かねばならぬ??
自らを「起業家になる人間」という自負もあったし
起業塾の師匠にも年収が劣る人間の言うことを聞くつもりはなかった。
何年経った今でも振り返って思うが、あの人が言ったことが正しかった。
あの人が助言してくれたことが9割の嘘偽り、1割の真実。
一番オレの本質をついていたのは、彼の苦言だった。
一度は彼の助言を拒否したのは、俺が体験しないとそれがわからない人間だから。
ある時、周りのヤツラがまごうことなき「切り捨てても問題ない奴ら」だと気づいたことによって
俺はSNSを辞めて、誰からも離れていって、独りになった。
奇しくも彼がした助言通りのことを、俺は行ったようだ。
俺に真っ当な助言をくれたその人物は起業塾で月照7桁あげた「成功者」でも
ブログをコツコツ描いてブログだけで食っていってるプロブロガーでも
断食に詳しい微魔女でも、仙人みたいなハイイニシエートでもない。
単なるおっさんだ。それも、ついこないだまで俺と場末の居酒屋で
世の中に対して嘆いて愚痴っていた間柄の、だ。
俺が散々、クソダサい有様を見てきたおっさんだったのだ。
総括
何をどう足掻こうとも俺よりも会社の方が力が上である、俺に敵うわけがない。
自分の人生で優越感を味わいたくば、会社を辞めるしかない。
会社という地獄にいる限りは、会社のルールで生きていくしかない。
だから俺は「会社を辞めるための闘い」に挑み続けたー。
時を超えた今。今なお闘い続けている。
俺の闘いは止まるところを知らない。
彼は、今なお闘い続けている俺を見たら、今の俺になんていうだろうねぇ?
ただ、闘う理由は俺が会社に対して気に食わないからというだけでなく
俺にアドバイスをくれた彼のような生き様ができる人間がいる、
ということを伝えたいつもりでもあるからだ。
人はいつかは間違いを犯すだろう、
そして「悪魔」のようなヤバい奴らにつけ入れられるだろう、
かつての俺のように。
その中でもたった一人でも、俺に対して真っ当なことを言ってくれた人がいた。
俺にはそれで十分だった。
かつて「友達」に囲まれてチヤホヤされていた俺だが
今は周りに誰もいない。
奇しくも彼のいうとおり「独り」になったのだ。
俺には不思議だなと感じることがいくつかある。
周りの人間が友達やら意識の高い仲間やらいるのに、
俺だけ周りに誰も居ないこと。
だがもはやそれが当たり前になったし、そうなる宿命であったとも言える。
かつてみたいにありがた迷惑な連中がいない方が精神衛生上に良い。
孤高の存在か。俺みたいなヤツが一人くらいは居ても良かろう?
何度もいうが俺を地獄から救ってくれたのはスゴイと言われた人間でなく
みっともなくてダサい、弱い姿を晒していたが
それでもなお足掻いていた「真に強い人間」なのだー。
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