庭の話

二年前に注文住宅を建てて引っ越した。家から出るのが億劫になるほど毎日快適に暮らしている。家のまわりも一年経つ頃にはすっかりお馴染みになった。あそことあそこに犬が飼われていて片方はすぐ吠えるとか、あちらの家ではどうも犬を多頭飼いしているらしく、昼夜関係なく断続的に大騒ぎする声が聞こえるとか。夫も私も社交的ではないので蓄積されるのは近隣の動物情報のみです。
犬だけじゃなくて猫も周辺をうろうろしている。すぐ吠える犬の側にはほとんどいつも一緒にいる猫がいたり、毎朝窓から外を警備する家猫がいたりする。どれも微笑ましくなごむ風景だ。
二年目に入って新顔も登場した。仕事から帰ってきた夫が、家の庭で子猫がじゃれていたよと教えてくれたのだ。我が家の玄関前には庭と呼ぶにはちょっと声が小さくなりそうなほど小さい小さいスペースがある。そこを半分ずつコンクリートと芝生で埋めている。そこで子猫が二匹コロコロしていたらしい。夫から聞いた話に微かに胸が騒いだが、気付かないことにした。まさかな。この辺に住んでいる人しか通らないとはいえ道路沿いだし、一年間何もなかったし。

悪い予感は当たってしまった。それは猛暑の土曜日だった。

第一発見者は私だ。眼科に行こうと休みなのに朝から家を出て何気なく芝生に目をやると『それ』があった。気のせいだと思い込もうとする私の鼻に現実は容赦なく突き刺さる。くせえ。

猫が、猫が庭にうんこしやがった!

もう眼科どころじゃない。家に引き返し夫を呼んだ。ちょっとありえないくらいデカい。本当に猫かななどと話しつつ何とか片付け(夫が)、その日のうちに猫が臭いを嫌がるという竹酢液を買って庭に撒いた。猫の気配がなくなって一安心したのも束の間、臭いが薄まった瞬間、待ってましたとまたやられた。信じられない。信じられない。竹酢液を前回以上にきっちり撒いた。猫も嫌がるがそれ以上に夫が嫌がった。無視してその後も二度散布し直し、二度とも臭いが薄くなった頃合いを見計らってうんこされた。もう許さない。
通算三度目のうんこでブチ切れた私は、竹酢液を散布ではなく布に含ませた状態で庭に置こうとした。夫に止められた。私はそこまでじゃないのだが、夫はこの臭いが本当に無理らしい。ならどうするか。色々情報を調べ、今度は音とスプレーで脅かす道具を買ってみた。現時点ではまだ未設置なので効果のほどは分からない。持久戦の予感がする。いやだ。

twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site