8/4 2023

・一日席に座ってBullshit Jobを流す。これでお金が貰えるのが不思議に思うほど、なんてことない仕事。途中で帰ろうかなあとも思ったけど、窓の外は燦々と日が照っていて、空のまぶしさに気が滅入った。

・仕事の帰りに紀伊国屋書店に寄って安部公房の『燃えつきた地図』を買った。定期的に安部公房の文章を摂取したくなるのはなぜだろう。
 役所で仕事をしていると「本人確認」というのをよく行うけれど、ずいぶん不思議な行為だと思う。氏名や住所が載っている書類(免許証等)がなければ本人とは認められないのだ。この国で暮らせているのは、僕に「氏名」や「住所」といった飾りがあり、自己の証明が行えるからだ。安部公房の小説には、そのような「アイデンティティ」を喪失した人々が登場する。彼らに同化して物語の世界を生きると、現実世界は今までとは異なって見える。また、孤独な旅に出かけよう。