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昔の男~season3~孝史という男03

孝史の異変に気付きだしたのは、18歳も年下の私への執着がひどかったことだった。所謂束縛彼氏とゆうやつだった。

大学に通っていた私は、クラスの飲み会に何度か誘われたけれど、孝史が絶対許さなかった。私の学部は、大半が男の子という環境。

それにしても、自分より一回り以上も年下の男の子たちに対して、そんな牽制って必要なの?今思えばちいせぇ男だなと感じるが。


何度か孝史と飲んだときに、飲みすぎてしまう私を見て心配になったようではあるが。といっても当時は、カクテルを5杯ほど飲むくらいだった。

孝史はお酒を一切飲まないので、余計に心配だったんだろうか。

後輩や友人の前で恥をかくのをとても嫌っていたので、少しでも私が酔っていると思われたら、その日はお開きに。とっとと帰るのが日常だった。

ただ孝史は知らないが、私は、まぁまぁお酒が強いほうである。

かわいく思われたくて、酔ったふりも多少あったが。その実、完全なるシラフ状態と言っても過言ではなかった。

後輩や友人たちに、酔っ払いの彼女を連れてるって思われるのが、本当に嫌だったようだ。プライドの高い男だった。


大きな異変は、ここから。

ある時、どうしても大学のクラス飲み会に参加してみたくなった。本当に友人がいなかったので、男の子とも仲良くしたかった。

なぜなら、周りのみんなは、友人同士でノートや教科書の貸し借り、テストの時は一緒に勉強。これって青春だし、効率よく生きる上で絶対必要な繋がりですやん???

孝史に嘘をついて、飲み会に行った。クラスのほぼ全員が集まるような大きな飲み会だった。
どんな嘘だったか。二十歳の女の子が思いつく、分かりやすい嘘だったか。。。私は嘘が苦手である。

当然、怪しんだ孝史から、電話が何回も何回も何回も鳴っていた。
でも、私だって大学生活を楽しみたい、し効率よく卒業したい。←

電話は、何度か気付かないふり。

でも、ダメだった。出るまで何十回もかかってくる電話に、出ない方が後からが怖い。

うまく誤魔化せばいいのに、本当のことを言えと迫られ、すぐに白状し謝った。

それだけ、怖かったのか、縛られていたのか。言いなりだったなぁ、と今思い返せば感じる。

ただ、それだけでは、終わらなかった。許されるわけがなかった。

ここからが孝史の真骨頂である。



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