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【行政書士試験FIRST STEP】 3話 学習戦略を立てる

行政書士試験、何点取って合格しますか?

 行政書士試験合格の条件は

  1. 300点満点中、180点以上取ること

  2. 一般知識問題54点中、24点以上取ること

 ざっくり言ってこの2点を満たしてさえいれば合格です。
 全体の6割の問題を正答できてさえいれば合格できる試験。残りの4割は別に正答する必要はありません。満点を取ろうが、180点を取ろうが結果は同じです。

 さて、これを聞いたあなたは何点取って合格しますか?

200点以上取る気になってやっと180点取れる。

 6割取れば合格できるんだから、全体を6割程度の力で勉強すればいいんでしょ?

 こう思った方、恐らく合格は難しいでしょう。

 行政書士試験には毎年、正答率が著しく低いとされる難問・奇問と呼ばれる問題が1問以上出題されます。

 これは、行政書士試験が国家試験であるためにこのような問題を入れることで、全体の合格率を10%前後に留めようという狙いがあるためです。

 こうした難問・奇問はどの科目でも出題される可能性があります。しっかり勉強していた科目が難問・奇問によって正解できなかったなんてことは実際に起こりえます。

 それとは反対に、全く勉強していなかった科目がこの年に限って、難易度が低くちょっと勉強すれば得点できたなんてことも起こったりするのです。

 2年連続170点代をたたき出し、連続不合格の結果に終わった私だから言えることですが、160点~170点代で不合格だった者と180点以上を取り、合格となった者の格差は得点が示す以上の力量の差は間違いなくあります。

 10点足らなかった! 惜しかった!
 来年はちょっと勉強すれば合格できるだろう!

 ……そんな簡単にはいきません。

 現に令和4年度の合格者の平均得点は197点以上であることからも、合格する人の多くは200点を超える点数を取っていると考えられます。

 これらのことから、
 「6割取れればいいや」
 という考えではなく、200点……いや、それ以上の点数を目標に勉強していく必要があります。

各科目の目標正解数から見る得点戦略

 では、どのようにして200点以上を取っていくか。各科目の目標正解数から戦略を立てていきましょう(目標正解数の目安はあくまでも参考です)。

 基礎法学   問題数2問 目標正解数1問
 憲法     問題数5問 目標正解数3~4問
 民法     問題数9問 目標正解数6問
 行政法    問題数19問 目標正解数16~17問
 商法・会社法 問題数5問 目標正解数2~3問
 一般知識   問題数14問 目標正解数8~9問
 多肢選択式  問題数12問 目標正解数10問
 記述問題   総得点60点 目標得点数30点
 総合計点   194~210点

 こうして見ると、特に問題数が多く、記述問題にも関係する行政法・民法は高い精度の知識量が必要となってくるのが分かります。

 特に行政法は民法に比べて条文数が少なく、繰り返し出題される箇所も多いため、正確な知識が必要となります。

 民法は出題範囲が広く、その上、難問・奇問の出題頻度も高い傾向にあるため、勉強量は必要になりますが、目標正解数は低めにしておくのが一般的です。逆に民法を得意科目としておくと合格にグッと近づけます。

今から「捨て科目」は考えないように!

 昔の行政書士試験の基本戦略として「科目を捨てる」というものがありました。

 特に商法・会社法が出題範囲が広いながらも問題数が少ないことから、多くの受験生が勉強しない=科目を捨てるということもありました。
 民法であれば1問しか出題されない家族法、行政法であれば国家賠償法や地域自治法を捨てるなんて選択肢もあったようです。

 しかしながら、現在、特に今から行政書士試験の勉強を始めようと考える方はこの時点で「捨て科目」を作らないようにしていただきたいと思います。

 前段でお話したように、行政書士試験は正解を取れるところから取るというのが基本戦略です。とある科目を集中して勉強し、その科目だけ満点を取ったとしても他がダメならば合格は遠のきます。

 近年では難問・奇問が出題される可能性も高く、自身が事前に用意していた得点プランが、現場で狂ってしまう可能性も大いにあり得ます。

 ですので各科目の勉強時間にメリハリをつけることはあれど、ノー勉強で試験に挑むのは無謀ですのでオススメしません。
 最低でも1度は目を通しておくことをオススメします。

目標正解数から考える学習時間の割り当て優先順位

 以上の点から学習時間の割り当て優先順位を考えるとすると

 行政法>民法>憲法≧一般知識≧会社法>商法>基礎法学

 の順で優先順位をつけます。
 特に行政法、民法については

 全ての条文を覚えてやる!

 くらいの気概が必要となってきますので、学習時間を多めに割り当てることをオススメします。

 今回は行政書士試験を攻略するための学習戦略、勉強時間の優先順位についてでした。

 次回は日常生活における勉強時間の確保について書いていこうと思っています。

 次回もお楽しみに。

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