hidekのエンジニアと長話 第2-2回【全文書き起こし】
stand.fmで配信中の「hidekのエンジニアと長話」2人目のゲストはグリー株式会社で最高技術責任者を務めている藤本真樹さんです。
---
「hidekのエンジニアと長話」は、メルペイVPoEのhidekさんこと木村秀夫さんをメインパーソナリティお招きし、毎回登場する様々なゲストエンジニアとともに作っていくスペシャルトーク番組です。
第2-2回の今回は、第2-1回に引き続き、グリー株式会社で最高技術責任者を務めている藤本真樹さんをお招きして、テックカンファレンスや謝ること、技術選択などについて語りました。
※本記事は、2020年11月20日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
——-
Profile
<ゲスト>
藤本真樹 氏
グリー株式会社 取締役 上級執行役員 最高技術責任者
<「hidekのエンジニアと長話」メインパーソナリティ>
hidek(木村秀夫)氏
株式会社メルペイ VPoE(Vice President of Engineering)
——-
・テックカンファレンス
・イベント開催費用は超高額?
・やりたがりな理由
・場を作るのが好き
・謝るのが仕事
・技術選択の話
テックカンファレンス
hidekさん(以下、敬称略):この前、「GREE Tech Conference 2020」ってやつ。
藤本さん(以下、敬称略):そう。やった!
hidek:グリーって、この規模って前からやってましたっけ?
藤本:いやぁ、初っすよ。前からちょいちょい話はあったし、あと、内輪っていうか社内だけでとかはやったりしてたけど。外の方々にも、みたいなのははじめてっすね、今年が。いやぁ、できてよかった。
hidek:テックトークみたいなやつはよくやってますよね。
藤本:そうね。そういうのはね、全然。最近オンラインになって「どうすっかねぇ」ってなってるけど。
hidek:僕も、前にDeNAにいた時に、グリーのテックトークに何度か行きましたよ。六本木の「ヒルズじゃない方」のオフィス。
藤本:あー、はいはいはいはい。
hidek:あの頃、よく行ってましたね。実は、僕もDeNAの時に、「DeNA TechCon」を2016年かな。あれも僕が言い出しっぺでやらせてもらって、今も続いてるのかな、やったんですけど。なんかやろうと思ったきっかけとかってあるんですか?
藤本:いや、割とずっとやりたかったんですけど、タイミングを伺っていたというか。それこそコストとかも含めて会社のフェーズとして、なんていうんだろう。これは少しあいまいかつ微妙な話になるけど、エンジニアのこの辺の界隈って、「よそがこういうのやってていいねぇ」みたいなのとか、「うらやましいね。俺らもやろう!」とか、そういうのすごくいっぱいあるじゃん。あるいは「よそはこういう制度が」とか「こういうチャレンジが」とかすごくいっぱいあるし。そういうのがあっちこっちから来るから、そのいいところが全部聞こえてくるみたいなのがあって。僕としても、自分らの会社で働いていただいているから、よりハッピーに過ごしてほしいし、成長してほしいという意味では「いろいろやりたいな」というのがあったりして。それこそこういうのね、古くは「Web 2.0」とか言っている時に、「Googleには20%ルールがあってな!」みたいなところから。連綿にそういう話、無限にこの15年ずっとあるな、っていうのは肌感そうだし、「そうだよな」って感じしない?
hidek:うんうん。
藤本:いまだに別に「あそこのこういうのいいね」とかあるじゃん。で、それ自体はすごく健全でいいなと思うんだけど、一個だけあるのは、それを「そういうのよさそう!」ってノリと勢いでやって、何かいいことあった試しが個人的にはなくって。
hidek:(笑)
藤本:それはそれとして、自分の中でちゃんと噛み砕いて、自分たちの会社の在り方とか目指す方向? あるいは、いる人たち、あるべき姿、とかを考えて、「こういうタイミングでこうやったら絶対これはいい」と思えたら絶対やるし、逆にそういうのがなく、「なんかよさそう。結構流行ってるね。うちらもやるか!」とか言うと、「まずロクなことになんねぇな」というのがあって。社内とかいろんな状況を見て、2019年の後半くらいに、「じゃあちょっと来年やるか」みたいな。それで「やろうぜ」って言い放った。本当は5月予定だったんだけど、いろいろあってオフラインがオンラインになり。おかげで割と安く上がった説はある(笑)。
イベント開催費用は超高額?
hidek:(笑)。でもあれ、僕、見たんですけど、アナウンサーの人とか呼んで、それこそ藤本さんも基調講演で言ってたけど、フカフカの、結構あれ、お金かかってるんじゃないですか?
藤本:いやでも、たぶん思うほどじゃないですよ。おいくらくらいかかってると思う?
hidek:え、あれでしょ? ちゃんと会場もおさえてるもんね。たぶん録画しないといけないから、結構時間取らないといけないから、会場代だけでも結構いくから、2,000万円くらいいってるんじゃないかな?
藤本:そんないくか! そんな金ねーよ(笑)。
hidek:マジで? そうなんだ? だって動画編集とかだってやってもらってるんじゃないの?
藤本:ちょっとこれは仕切ってくれたサシマさんの許可がないと額は言えないが、あとでこっそり教えてあげましょう。
hidek:そうなんだ。へー、意外。あ、でも、そうか。懇親会とかないからね。
藤本:まあね。ホントはね、またやりたいんだよね。
hidek:メルペイも実は2月にやろうとしてたんですよ。
藤本:あー、はいはいはいはい。
hidek:タイムテーブルも作って。メルペイの場合、これも僕が言い出しっぺなんですけど、なんでやりたかったかと言うと、なんだかんだ言って金融、フィンテックじゃないですか。なので、事業とかビジネスの方が表立って見えるんですよね。でも裏側って、結構、決算のところでトランザクションそれなりにやって、ミッションクリティカルなフィーチャーを提供しないといけないわけですよね。だから、結構いろんな工夫があるんですよ。ただ、「金融だからそんなやんちゃできないんでしょ?」とか「ガチガチじゃないとダメなんでしょ?」「Javaでしょ?」みたいな、そういう風に思われてると思うから、ちゃんと外にアピールしたいと思ってやろうとしたの。でもやっぱりコロナっていうので流れて。まだ僕らもできてないんだけど。結構あれは残念でしたね。
藤本:まあね。でもあれだよね、ブログで出てたマイクロサービスでのトランザクションの話はいい記事だなと思った。
hidek:そうね。foghostさんという人が…。
藤本:そうそうそう。あれを自分でやりたいかって言われると、全くやりたいとは思わないんだけど。
hidek:(笑)。あのステートマシンを使った整合性を…。
藤本:そうそうそう。
hidek:あれはすごくいいですね。もともと、うちのアーキテクトとCTOとすったもんだしながら作ったアーキテクチャなんですけど。
藤本:うんうんうん。
hidek:ちなみに準備ってどれくらい時間かかりました?
藤本:テックコン? うーん、わかんない。2019年からオフラインでやってたのがあってなので。期間で言うと1年以上は。でもずっとやってたとかではないよ。飛ばし飛ばしとかで。僕、ぶっちゃけ、「やるぜ!」って言っただけ説はある(笑)。
hidek:(笑)。ちゃんと基調講演、出てたじゃん。このノリのまんまだったけど(笑)。
藤本:(笑)。そんなことないよ。ちゃんと喋ってたよ。知らんけど。
hidek:してた。喋ってた喋ってた。
藤本:そういうことにしておこう。
hidek:LINEとかすごいですよね。規模とか。
藤本:ああいうのはね。自分たちがああやるべき、ああやったら、社内にも社外にもプラスになるって思えたらああいうのもいいかな、とは思うけど。そこは本当に身の丈に合ったというか、ちょっとずつやっていくのがいいのではないかなと思うよね。
やりたがりな理由
藤本:というか話飛ぶけど、さっきhidekが言い出したって言ってたじゃん。なんか「そういうの言いがちな人」だよね、なんとなく印象だけど。「これやろうぜ!」みたいな。あれってどこから来てるの?
hidek:うーん、DeNAの時は、こういうカンファレンスやろうぜ的な…。
藤本:カンファレンスもそうだし、社内で「こういうことやろうぜ」みたいなのも、割となんか積極的にやりそうな印象あるけど。
hidek:そうね。結構、やりたがりはやりたがりですね。
藤本:そうそう。僕、あんまりそういうのないからうらやましいというか、あれはどういうところから来ているんだろうな、っていうのをちょっと聞いてみたかった。
hidek:例えば、DeNAの時とかも、TechConだとか、あとは外へのPR的なやつも、結構「やろうやろう」って言って自分、手を動かしながらやってたんですけど。ひとつは川崎さんがそういう人ではないじゃないですか? 絶対に。
藤本:うんうん。
hidek:だから、そこを補完する役割というのを自分で思っていたので、結構、やりたがってたかな。
藤本:なるほどね(笑)。
hidek:やる人がいないから、みたいな。
藤本:(笑)。でも別に極端な話、やらなくてもいいわけじゃないですか。
hidek:でも、逆にメンバーとかと話していると「やらないんですか?」って来るわけですよね。
藤本:ああ、まあTechConとかに関してはそういうのあるかもね。
hidek:あとは、そういう場があるといろんな発見とかもあるじゃないですか。別にきれいごとを言うつもりはないんですけど(笑)。
藤本:(笑)
hidek:いや、でも本当にそうだと思ってて。そういう自分に刺激のあるところは、自分から動いて作るというのは、モチベーションになりますしね。
藤本:なんかそういうキャラ感あるよね。
hidek:うーん、そういうキャラ感あります?(笑)
藤本:うん、あるある。
hidek:あー、なるほどね。なんか、うれしいんだか。
藤本:僕もあんまりそういうタイプではないので。
hidek:でも、社内にそういうのを言い出す人っているんじゃないですか、逆に。
藤本:まあ、「こういうのやろうぜ」とかはあるので、そういう話をいいなと思ったら拾って、みたいな。だから最近、誰かが「コード書いてないな」みたいな話があったので、オンラインで社内でハッカソンっていうとちょっとあれだけど、なんかコード書くイベントやろうか、みたいな話をしている。
場を作るのが好き
hidek:この前メルカリが、メルペイじゃなくてメルカリの方、「Hack Week」って1週間…。
藤本:あー、はいはいはい。
hidek:あれをメルペイでもやろう、ってことになって。1週間じゃなくて3日くらいを予定しているんだけど。これ言っていいのかな? まあいいや。そういうのをやろうぜって。毎年、合宿はやってたんですよね。好きなことをみんなでやりましょう、みたいな。懇親会を兼ねて。
藤本:なので、そういうきっかけがあって、あるからやる、みたいなところもあるので、そういう枠を提供するのもいいかな、と。
hidek:そうそう。そういった意味では、僕ね、場を作るの好きですね。
藤本:そうそう、それ。そういうの好きそう、本当に。
hidek:好きなんですよ。
藤本:なんだろう。アイドルから来てるの?
hidek:(笑)。アイドルっていうか、僕ね、昔DJやってたんですよ。
藤本:あー、はいはいはいはい。
hidek:あれ、まさにそうじゃないですか? 音楽をかけて場を盛り上げる、みたいな。だから、もともとそういうのが好きなんですよね。みんなが喜ぶのが。うん。
藤本:でも、僕くらい暗い性格だと、喜んだらうれしいというよりも、失敗したらどうしよう、「なんだこれ」って言われて誰も来なかったらどうしよう、みたいな方が感情8割9割くらいに。そういうのはあんまりないの?
hidek:あんまりない。もし、うまくいかなかったら謝って、次、ちゃんと改善していけば。
藤本:まあね、まあね。まあ、真っ当に充実した人生を送ってきた方はそういう風に。
hidek:いやいやいやいや(笑)。僕、謝ることにあまり躊躇しないんですよ。
藤本:(笑)
hidek:藤本さんはプライドが高いから、そこですね、きっと。
謝るのが仕事
藤本:別に、この立場になったら謝るのって仕事じゃん、常に。土下座なんて全然余裕でするけど。
hidek:成功したように見せるっていうのも重要。
藤本:(笑)。あと、ちょっとおこがましいあれだけど、僕の立場だと、謝らないと何にもならんというか。謝って「で?」というか。「この時間とお金、お前なんなの。取り返せよ」っていう。それ以外に何もないじゃん。逆に謝って済むんだったらこんなに楽な話はないというか。百回だって土下座します、って。
hidek:でもほら、次にもう一回チャレンジしたいって言った時に、謝るか、それを負けてない、もう「ケンカで謝ったら負け!」みたいな。「全然失敗じゃないよ」とか言い切って(笑)。やり続けるっていうのも結構大事じゃないですか。その辺のモチベーションはあるな。
藤本:(笑)。そういうメンタリティはうらやましいな、って結構思うな。
hidek:川崎さんと藤本さん、そこが似てるね。
藤本:まあ、あの人、言うてやんちゃじゃない?
hidek:はじめちゃったらやんちゃだよね。はじめる前は、結構コンサバだよね。
藤本:あー、それはでも、僕もそうというか。過去のいろんな反省があって、やるって言ったら絶対やるけど、だから逆に迂闊に、中途半端に、なんて言うんだろう。スポンサーというかサポートとかは全然あるけど、自分として「絶対やる」というようなカードはそんなに頻繁には切らない。
hidek:僕があまり失敗に学ばないみたいですね(笑)。
藤本:(笑)。なんでそういう捉え方をするの? 「尊敬しています」っていう話。
hidek:冒頭の仕返しをしてみた(笑)。
技術選択の話
藤本:(笑)。なんかまったくテクニカルな話してないけどいいの?
hidek:大丈夫。ここからするから。それこそTech Conference、基調講演も、いくつかコンテンツも見させてもらったんですけど。基調講演で技術選択の話してたじゃない?
藤本:あー、はいはいはいはい。
hidek:あれ、会社によって結構違うんだなぁ、と思って。DeNAもそうだったんだけど、いろんな事業がある、そういった時って現場に任せるというか、特に立ち上げ期とかはスピード重視だったりとか…。
藤本:そもそもM&Aとかある時点で、そんな統一とか無理だよね、みたいな。
hidek:そうそうそうそう。それと、メルペイみたいに単一事業で、あと、メルカリっていうものがあってその反省、反省って言っちゃうと怒られちゃうけど、その改善で技術選択をして。ただ、あまりいろんな技術選択をしちゃうとナレッジがバラバラになっちゃって、スピード落ちるじゃないですか。その辺が、事業のフェーズだとか事業形態によって違うんだな、と思ったんですけど。あの話、すごいよかったなぁ、と。
藤本:あれ、僕の中ではとっかかりというか。僕の一番の課題は、結局、そこのセオリーがまったく成熟してないよね、というのが一番の課題。たぶん、あの時も話てたと思うけど。結局、じゃあ今のメルペイならメルペイでこういう選択をしています。それはどういう過去の積み上げで形式化された何かに基づいてどう決まっていて、じゃあうまくいったいかないはどう評価されて、じゃあ次やればどこが改善ポイントなのか、みたいな、そういうサイクル…。僕が無知なだけ疑惑はあるが、例えば、「ソフトウェアをよりどう上手に作るか」といういわゆるソフトウェア工学で、昔からいろいろなフィールドで議論されていたことと比較すると、「あまりそこ積み上がってないよね」という肌感というか、があって。なので、そこはもうちょっと成熟させていきたいよね、っていうのが一番思っていること。まあ、いくつか「こういうのあるよ」とかもあるはあるけど。それこそ「マーティン・ファウラーさんはこう言っています」とか、あるはあるけど。
hidek:基調講演の中の話でもあったけど、とはいえ洗練されてきたなぁ、と思うところは、よくも悪くもね。例えば、自分たちで作るか普通を使うかって話だったじゃないですか。で、なるべく普通を使おうと思うっていう。
藤本:そう言うと、「そりゃそうだろ」って気持ちにしかならない。
hidek:でも、昔ってオレオレフレームワークが各社あったじゃん。
藤本:(笑)
hidek:いや、ディスってないよ(笑)。でも今って、究極の話、クラウドのマネージドサービス使うとかって、結構究極だと思うんですよ。でも結構そっちの流れになりつつあるじゃないですか?
藤本:うんうんうんうん。
hidek:そういった意味では、技術選択っていうところも、「作る」vs「使う」だったら結構「使う」の方に流れているのかなぁ、とか。でも、それがいいか悪いかはまだわかんないですよね。たぶんイノベーションみたいなものが起こりづらいと思うから。
藤本:そうだね。たしかに、そういう快適な技術・スタックの成熟度による選択肢の変化というのはそれなりに大きい影響はあるよね。
hidek:あと、あの話の中でよかったと思ったのは、「選択よりも重要なのが適切なマイグレーション」という話。ちゃんと見てるでしょ(笑)。
藤本:(笑)。こういう回があるからしょうがなく見たんだろうな、ということが今わかった(笑)。
hidek:いやいやいや。面白かった、本当に。やっぱり技術って進化していく、もしくは変わっていくじゃないですか。結構その中で、トレンドみたいなものもあって、その顕著なのがフロントエンドのフレームワークってすごく早かったじゃないですか。だいぶ最近落ち着きましたけど。その中で、適切にキャッチアップできる、変えられる、ということはすごく重要だよね、ということは、そこはすごくアグリー。逆にそれができるアーキテクチャみたいなところを考えていくのが正解なのかな、と。
藤本:ね。でも結局ね、その作ったプロダクトがどういう風に使われていくかによって最適解が変わるから、そこが難しいところなんだけどね。
hidek:そこまで一生懸命考えても、いざリリースしたら、うんともすんとも言わなくてお蔵入りするのも結構あるじゃないですか。
藤本:まあね。なので、そういう意味では、例えば、僕ないし僕らみたいな立場でそういうことを決めなきゃいけないっていう時は、まさにそういう立場なんだけど、ソフトウェア以外のことも全部含めて考えて最適な選択をするっていうのが。言葉で言うのは抽象度が高くて「まぁそりゃそうだね」って感じだけど、これ実際に精度高くやるっていう練習はそんな回数こなせるわけじゃないし難しいよね、とは思うし、個人的にはまだまだ「すごく自信がある」とは言えないね、というのは正直あるよね。
hidek:結局、技術選択を間違えると、技術的な負債を生むわけで、そこの大きさと、もしくはそこの依存してしまってなかなか変えられない、その辺が解消できる程度の選択基準でいいのかな、と個人的には思うんですけどね。
藤本:まあね。15年くらいやって、いろいろ失敗して「ごめんね」っていうのが積み重なっているので。この反省をもとに、次はよりよくできるように頑張って生きていきたい。いきたい(笑)。
hidek:(笑)。でも、それはそうじゃないですか。
藤本:ただ、話は戻るけど、きっと、僕ないし僕らの肌感として、前よりは成熟化してるよね、自分の判断の精度の高さという意味でも。というのはあるはあるんだけど。それを外形的に証明するというと大仰だけど、「いやお前はそういうつもりだけど、それは何によってそのたしからしさは測られているのか」というと、特になかったりするから、なんかね。
hidek:おっしゃる通り、完全に経験則でしかない。
藤本:そうそう。そこをもうちょっと。それはインダストリーとしての、よりよい成熟もそうだし、自分の価値をある程度形式化するという意味でも、そういうのはちょっと考えてみたいねぇ、というのは。話戻って、そういうチームマネジメントとかは、ある程度、サイエンティフィックにアプローチするようにみんなもちょっとずつなっていると思うし、セオリーもいっぱいあるしね。いろいろ測れたりするじゃないですか、そういうのはね。もうちょっと広い意味でのテクノロジーマネジメントでもできると、みんな幸せ度が上がったりするのかなって思ったりするよね。難しいけどね。
hidek:でもさっき言った通り、その事業フェーズだったり、そもそもその会社が何を目指すか、よりイノベーティブなことを生まなければならなければ、「他のものを使う」っていう選択はなくなっちゃう、とか。結構、そこの土台のところが広いので、なかなか修練させるのは難しいかなぁ、と思いつつ。他のインダストリーはどうしてるんだろうね。そういうセオリーあるのかね。
藤本:どうなんだろうね。
hidek:藤本さんも結構、部品をピアワン? ピアツー? そういう風に下請けしてるじゃないですか。そういうところが逆に技術、強いところを持って。例えばヨーロッパだとBOSCH(ボッシュ)みたいなところが、それなりに強い技術力を持って、逆に自動車メーカーがデザインとブランディングだけをやっている。そういうすみ分けもたぶんできてくるし、日本みたいにどっちかというとひとつの自動車メーカーが抱え込んで。
藤本:ね。そうだね。前者の方が流れだよね、っていう気はするというか。単純に自動車のハードウェアとソフトウェアの…、あ、でもここはそんな詳しくないから、ベラベラ喋るのはやめよう(笑)。
hidek:ソフトウェアの方がね、自動車の技術、ハードウェアとはちょっと違って。
藤本:ね。その安全性みたいなところのウェイトがものすごく大きいから、そこはすごく大変だよね、とは思うわ。
hidek:思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?