hidekのエンジニアと長話 第4-2回【全文書き起こし】
stand.fmで配信中の「hidekのエンジニアと長話」4人目のゲストはスマートニュースEMの天野仁史さんです。
「hidekのエンジニアと長話」は、メルペイVPoEのhidek(木村秀夫)さんをメインパーソナリティにお招きし、ゲストエンジニアとともに作っていくスペシャルトーク番組です。
今回は、天野仁史さんをお招きして、ブログや起業、無観客配信ライブなどについて語りました。
※本記事は、2021年2月5日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
——-
Profile
<ゲスト>
天野仁史(amachang)氏
スマートニュース株式会社 Mobile App Team エンジニアリングマネジャー
<「hidekのエンジニアと長話」メインパーソナリティ>
hidek(木村秀夫)氏
株式会社メルペイ VPoE(Vice President of Engineering)
——-
ブログを書いていた理由
hidekさん(以下、敬称略):ちょっと話戻るんですけど、当時、「IT戦記」を書いていたころって、結構アウトプット、技術的な発信というのがすごく多かったと思うんですが、あのころって意識してたんですか?
天野さん(以下、敬称略):うーん、そうだなぁ。あまり覚えてないんですけど、割とその、「目立ちたい」っていう気持ちが強かったのかな。
hidek:あー、なるほどね。
天野:うん。必死だったんだと思う。「くすぶってる」って言うんですか? 自分がすごく若いからこその「全能感」みたいなのもあり、もっとやれるはず、でも、今の自分というのが「なりたい自分」にはなれていない、という気持ちですよね。それが、仕事終わったあとに5時間くらいブログ書く、みたいな、そういった行動を起こさせる。
hidek:なるほどね。
天野:そういった感情だったのかな、という気がします。
hidek:結構、技術発信の根底に「承認欲求」って、それは僕も正直あったし。結構、多くのエンジニアにあるんじゃないかな、と思ってて。
天野:うん。
hidek:そこで自分が「こういうものを調べた」「こういうものを作りました」「どう?」「見て」「どや!」みたいな、結構そういう根底のものってあると思ってて。
天野:そうだよね。すみません、タメ口になっちゃった(笑)。
hidek:全然いい(笑)。その辺は、なんか思ったりして。
天野:そうですね。
起業の話
hidek:そうなんですよ。そんなamachangが、あまりそういう界隈で出てこなくなった時期があって。創業したんですよね?
天野:あー、会社を作った。
hidek:はい、「カクテル」という会社を起業して。その起業の経緯とか聞いてもいいですか?
天野:はい。実はカクテルの前に「オーマ」という会社で取締役をやっていたんですけど、今、スマートニュースという会社にいるじゃないですか。で、スマートニュースの創業者が鈴木健というのがいるんですけど、その鈴木健がオーマという会社にちょっと関わっていて。「僕を起業っぽいところで活躍させよう」みたいな文脈で、「サイボウズ辞めるか」みたいな話をしてくれて、オーマの取締役になった、みたいな経緯があって。それで、オーマという小さなベンチャーなんだけれども、結構、ベンチャー企業ってセキュリティとかもそんなに厳しくないし、学生が遊びに来て本番のコード書いてくれたりとか(笑)、さまざまな「起業ならではのダイナミックな面白さ」みたいなのを結構感じて。で、まあ、自分でもイチからちゃんと、自分のお金で起業してみたいな、という気持ちになって、そのカクテルというのを創業した、というのがありますね。
hidek:当時はその会社で、事業方針だとかプロダクト方針というのは、一応そういうのは決まってたの?
天野:最初は「実現したいもの」というのがベースにあったんですね。で、一番最初に僕らが思っていたのは、「『ぼっち飯』を食べる人を救いたい」っていうビジョンだったんですよ(笑)。
hidek:(笑)
天野:一番最初は。やっぱ、インターネットって孤独な人を救ってきたと思うんです、結構ね。で、スマホになって高校とか大学とかでひとりで飯食ってるヤツとかもいるんだろうから、そこで携帯を持って広げたら、「広げた瞬間に誰かがいる」っていうアプリを作りたかったんですよ、最初。
hidek:あー、はいはい。
天野:「チャットルーレットか」って言われたらそうなんですけど。携帯を取り上げた瞬間に、さまざまな位置情報とか、これまでの履歴とかで、「一番最適な人がその前にいる」っていうアプリを作りたかったんですね、最初。
hidek:ふーん。
天野:で、起業したんですけれども、出会い系とか犯罪に使われる可能性がある、とかさまざまな理由でリリースできなかったんですよ。ストアの条件が厳しくて。それで、ちょっと形を変えつつも「孤独っていうものを解決していく」みたいなところを、いろいろなアプリを作って試してた、っていう形ですね。
hidek:なるほどね。起業って大変、っていうかカロリーめっちゃ使いますよね。
天野:いやー、使いますね。
hidek:これね、実は僕も起業経験あるんですよ。で、僕の時代って2000年前半とかなので、いわゆるエンジェル投資だとかベンチャー投資という概念ではなく、「起業するなら借金か自己資金か」という感じで。
天野:あー。
hidek:そう。で、借金を避けたかったから、自己資金。でも自己資金ないから何するかって言うと、最初、自宅やってたんですよね。そうすると、なかなかこれも悶々とするわけですよ。
天野:たしかにね。
スピードの重要性
hidek:で、時代によってもいろいろな課題があるんだけど、amachangの時の起業の一番大変だったことって何?
天野:あー。そういう意味では、資金調達とかは、自己資本というのは本当に少しで、投資家のエンジェルの方からお金を出資していただいて、というところなので、そこの苦労というのは圧倒的に僕らの時代はあって。そうですね。ただ、お金に関しては大切さというのはすごく身に染みたし、やっぱりお金がなくなっていく、っていうことが一番怖かったですね。イコール時間がなくなっていく、っていうことなんですよね。
hidek:そうだよね。
天野:はい。やっぱりアプリがリリースできない、数ヶ月かかって作って、で、リリースする、っていう時にストアからリジェクトされる、みたいなところっていうのは、一日一日、このリジェクトを解決するのを諦めて次の事業に行くのか、みたいなところを毎日毎日考えて。で、毎月毎月何百万円っていうお金がなくなっていく、っていう状況が結構辛くて。本当に判断のスピードとか完璧なものを作りすぎないでいかに早く出すか、ってことが本当にいかに大事か、っていう。1ヶ月早く出せば200万円分のチャレンジを他のところでできるわけですから。「本当に試さなきゃいけない仮説以外は何も実装しないものを出す」ってことがいかに大事かってことが、すごく身に染みた。
hidek:うーん。
天野:そこが本当に頑張ったところというか、「何を切り捨てるか」というところが結構頑張ったところかな。
hidek:エンジニアの立場でもあり、プロダクトオーナー、マネジャーの立場でもあり、一方で経営者の立場でもあるので、「いいものを作りたい」「新しい技術を使いたい」、だけど経営者としてどんどんお金がなくなっていく中で「早く出したい」みたいな、このジレンマってものすごく苦しかったのかな、っていう風に。
天野:そうですね。僕、最後にやっていた事業が、あまり上手くはいかなかったのですが、今もサービスが続いている「ピクトリー」っていう画像SNSを作って。最後、事業を、「ひま部」っていうのを作っているナナメウエというところに売ったんですけれども、それで継続していけることになったんですけど。それを作った時に、画像SNSだからもう友達機能とかもあるわけですよ、今は。一番最初に作った時は、ただ単に画像に文字を合成して投稿できるだけのアプリ。
hidek:なるほどね。
天野:友達機能も何もない。かろうじて「ハートをつけられる」くらいの機能しかなくて。
hidek:うんうん。
天野:でも、データベース上はひとつひとつのIDを持っていて、端末ごとに。
hidek:うんうん。
天野:で、それで「使う人がどれくらいいるんだろう」って試してみたら、数人いて、みたいな。「あ、これならイケる」みたいなところで、そこから数万人くらいまではユーザーを増やしたんですけど、DAUでね。
hidek:うん。
天野:で、その最初の数十人が使ってくれるかどうか、っていうところが本当に大事だな、っていうのはすごく感じて。あれ、俺、質問に答えられてる?
hidek:いやー、答えられてる。僕も今、メルペイでいろいろなフィーチャーを立ち上げたりとか。それこそメルペイの一番最初の立ち上げとか、プロダクトに夢を持っている人たちって、いろいろな機能をつけたがって。
天野:うんうん。そうそう。
hidek:結果、全然リリースができない。もしくは、いろいろな機能が依存関係ができちゃって、お見合いが発生しちゃったりとか、結構、大規模プロダクトでもあるんですよね。だから、そこをいかにMVP、ミニスタート、切らせるかというのは結構大事だったので、今の感じはすごくわかりますね。スタートアップだとなおさら厳しいと思うんだけど、まあ、大きいところでもやっぱりそれは同じだし。
天野:結構大きなビジョンはあるんですよ。やっぱり、ポエムみたいなのを書いて自殺したい、とか思っている人とかがそれで励ましてもらえて、それで自殺する人が減ったらいいな、とかそういう想いはあるんですよ。でも、「それでお前作ったの、ただ画像にテキストを合成して投稿するだけのアプリかよ」ってなるんですけど。でも、そこには、「心のポエムみたいなものを慰め合ったりするSNSを作っていきたい」というビジョンがあるわけですね。
hidek:はい。
天野:でも、出しているものというのは、本当にただ単に画像にテキストを合成して投稿するだけなのね。
hidek:うん。
天野:なんか、このギャップがあって。結構、起業する人って、すごく自分をよく見せたいという気持ちもあるし、僕もブログとかやっていたので、「ダサいもの出したらみんなに笑われそう」とかそんな思いもあって、「いいものをリリースしよう」って思いがちなんですよね。
hidek:うん。
天野:でも本当に最初は、MVPでいい。
hidek:うん、そう。結局、使われないと意味がないし、使われるためには世の中に出さないと意味ないし。
天野:そうなんですよね。
hidek:だから、そこはすごく大きいよね。
天野:はてなブックマークとかって、あれ3日で作ったって話をよく聞くじゃないですか。で、そのあと2年間そのせいで苦労した、って話をよく聞くんですけど(笑)。2年間か5年間か忘れたけど。でも、その5年間よりも3日の方が絶対に大事。
hidek:そう。
天野:だから、その3日で技術的負債を作って、そのあと苦労した、っていうのであっても、はてなブックマークとか、みんな、数万人とか数十万人が使うサービスにするための最初の一歩を踏み出せた、っていうのは本当に大事だし。あれが、すごくいろいろ完璧にしようと思ってたらきっとできなかったんだろうな、って思うよね。
hidek:よく、技術的負債、オーバーエンジニアリングの話を僕も会社でするんですけど。「負債」っていつも「悪いもの」っていう風に捉えられがちなんだけど、負債って別に悪くはないんですよね。本当によく「ご利用は計画的に」っていう……。
天野:そうそう。
hidek:計画的な、もちろん5年っていうスパンはちょっと長いかもしれないけど、「ちゃんと返す」「返せる」っていうことが大事で、別に借りることが悪ではないんですよね。だから、ちゃんとそれを返し続けられる、借り続けられる、ということがすごく大事だな、と思うし。ましてや一番最初のところって、借金してでも出さないと、ゼロのままになってしまうので、それはちょっと思いますよね。だからさっきの話だと、3日のあれがなければ、5年の苦しみって言うけど、5年のアウトプットもなかったわけだから、それはすごく正しい選択ですね。
天野:うん。そうですよね。いやー、なんか、新しいサービス作りたくなりますね、こういう話をしていると。
hidek:(笑)
天野:もうしばらく、3年くらい会社員やってるから、なんか新しいサービスを久しぶりに作ってみたくなるな。
人とつながるアプリ
hidek:え、カクテルではどのくらいのアプリを作ったの?
天野:6個かな。いや、7個かな? 結構いろいろ作りましたよ。
hidek:うんうん。
天野:言って面白いかわかんないですけど、結構、出会い系っぽい形のものが多かったかも。出会い系というか、人と人が、寂しい人同士が出会える、みたいな。
hidek:うんうん。
天野:同じ駅にいる人同士でチャットができる、とか。あとは、カードゲームみたいなもので、テキストを打たなくてもカードゲームでコミュニケーションが取れる、みたいなものとか。結構いろいろ作りましたね。
hidek:amachangの「人とつながる」「人をつなげる」っていうその発想は、もともと何か思うところがあってそういう考え方になったの?
天野:あー、僕自身が結構、友達の中で浮いていた、っていう経験があるのかもしれないですね。
hidek:そうなんだ(笑)。
天野:結構、田舎なので、近所の友達に趣味とかも左右されると思うんですけど。
hidek:うんうん。
天野:僕は、それでも機械いじりとか結構好きだったんですよ。結構、ヤンキー系の友達が多いんですけど。機械いじりとか好きだったし、インターネットも好きだったし、インターネット上のアニメとかそういうコンテンツも好きだったから、そういう話ができる人が近くにいなかったんだよな、高校時代の時とか。
hidek:うん。
天野:今、インターネットがこれだけ広がってるから、Twitterでいくらでも友達できるかもしれないけど。その当時って、そんなに、ブログもなかったし、「日記エンジン」っていうサイトがあったかな、日記書いている人同士がつながる。本当に数人しかいない、っていう感じだったから、うん。
hidek:よく出会い系とか言うけど、僕、出会い系って使い方を間違えているだけで、最近マッチングサービスという言い方をするんだろうけど、あれ自体、僕すごく、インターネット技術をうまく使った、本当に新しい人と人のつながり方だと思う。なんか、使う方が変なね?
天野:「yenta」とか、ビジネス系でつながるサービスとか、結構、意識高いと思われがちだけど、ああいうのも、普通にいいと思いますよね。エンジニア同士で出会って一緒にランチ食ったりしてもいいかな、みたいな。あとは、「ソーシャルランチ」とか好きでしたね、僕、サービスとして。
hidek:あー。
天野:ちょっと、あまり上手くいったかどうかはわからないですけど。
hidek:うん。と言いつつも僕は結構コミュ障なので、「初対面だと喋れない問題」があって、「何を言ってるんですか?」って思われるかもしれないんですけど(笑)。そういう偶然の出会いだとか、新しい出会い、っていうのは、インターネットの技術をうまく使えばもっと楽しいものが……。今は特にコロナなので、人と人のつながりを切られがちじゃないですか。新しい出会いっていうのも生まれないので、そういうのが促進できるサービスができるといいのかな、とか思いますよ。
天野:いいですねー。なんか作りたいなー。こういうコロナだからこそね、何か一緒に、うん。
hidek:絶対にあると思う。コロナ禍だと、お店の人が大変だったりするから、そこの支援系みたいなところのサービスが生まれたりしがちなんだけど、もうちょっと個人に寄り添った、人と人のつながりだとか、偶然の出会い、みたいなやつが……。僕、結構飲みに行くのが好きで、バーとか、ご存知だと思いますけど(笑)。
天野:(笑)
hidek:バーとか飲みに行くんですけど。で、結構そこで知り合う人って多いんですよね。
天野:うんうん。
hidek:だから、そういう何か偶然の出会いみたいなのができるといいんだけど。なかなかね。やっぱり性善説では作れなくて、どうしても悪用する人が出ちゃって、その辺をプラットフォーマーとしては排除する仕組みも必要で。そうなると急に難しくなっちゃうんだよね。
趣味でつながるSNS
天野:たしかに。うん。僕、趣味をもうちょっと軸につながれるようなサービスはあるのかな、と思ってて。たぶん、リアルに料理が好きだから料理教室に行ってる人とかよりも、料理を作る中でコミュニケーションを求めている人とかが多かったりもすると思うし。なんか、マラソン大会とかも、あれもひとりで走ってもいいわけじゃないですか。でも、同じ場所を共有したいとかそういうことだと思うので、ひとりで趣味をやるんだけど、その趣味のログみたいなものが一緒に共有されたりする、っていうだけでも、それもひとつの出会いの形なのかな、っていうのはコロナ禍で思うかな。
hidek:うん。趣味でつながるSNSってちょいちょいあった気がするんだけど、あまり上手くいかないのは、あれ、なんでしょうね?
天野:趣味ごとにギミックがいるんだと思うんですよね。趣味全般っていうのを、スマートニュースとかでもそうなんですけど、「スポーツチャンネル」って作るよりも、「野球チャンネル」とか「ドラゴンズチャンネル」とかの方が刺さるじゃないですか。
hidek:なるほどね。
天野:だから、「ドラゴンズアプリ」だったら入れるけど、「スポーツアプリ」と言うと「ん?」ってなっちゃう。
hidek:なるほどね。
天野:そう。だから、料理のアプリとか、そういった切り口で、細かいニーズに特化したものになっていないといけないんじゃないかな、と思いますけどね。
hidek:なるほどね。あまり広くを取りに行くんじゃなくて、よりスペシフィックなターゲットを狙っていく。ちょっと前なんだけど、最近どうかわかんないんだけど、mixi。
天野:うんうん。
hidek:mixiが……。mixiって最近使ってます?
天野:なんか、たまーに気になってログインするくらいですね。
hidek:あ、するんだ?(笑)
天野:なんか、たまーに(笑)。うん。
hidek:mixiがね、意外な使われ方をされてて。僕、アイドル好きじゃないですか。好きなんですけど。アイドルのファンがつながるプラットフォームとして、結構そこでチケットのやりとりだとかされてて。で、例えばTwitterとかだと、転売とか、ちょっと利益が絡んできちゃうんだけど、純粋にそのアーティストが好きな人たちがコミュニティに集まってやりとりするから、すごく健全なやりとりが行われているんですよ。性善説でやりとりが行われていて。あれを見た時に、「あ、これがインターネットのあるべき姿だ」って思ったりして。
天野:なるほどなるほど。あと、mixiでアイドル応援活動している人っていうのが、結構、もう成熟された方が多い、っていうのもあるのかな?
hidek:あ、それはそうですね(笑)。
天野:すごく成熟したコミュニケーションがありそうな気がしますよね。
hidek:そうね。
天野:荒らしがいないってだけで、すべてのクオリティが上がるんですよね、コミュニケーションって。
hidek:そうなんだよ。で、やっぱり実際に濃いつながり、実際に現場、ライブだとか握手会だとか、そういう場で顔を合わせてる、リアルで知ってるんですよね。
天野:うんうん。
hidek:だからあまり変な悪いこともしないし、それこそ荒らしとかにもあわないし、チケットのやりとりも全然利益乗せないで「定価でOK」みたいな。すごくね、インターネットの未来を逆にmixiに感じました。
天野:いいですね。最近、「アイドルを推す」っていう作業も、結構アプリ化されてるんじゃないですか? さまざまなプラットフォームで。
コロナ禍で始まった無観客配信ライブ
hidek:そうですね。最近はいろいろな。典型的な、というかわかりやすいところで言うとYouTube。YouTube Liveで握手会……、握手会じゃないんですよね、握手はしないので。サイン会みたいなのをやったりだとか。いろいろと趣向を凝らしていますね。
天野:僕、思ったんですけど、僕、アイドルとかライブとかそういうの全然行かない人なんですけど、コロナ禍になっていろいろな人がインターネット上にそういうコンテンツを流してくれる、っていう機会が増えたじゃないですか?
hidek:はい。
天野:それによって、逆にすごく僕なんかは「触れる機会が増えたな」っていう風に思うんですよ。
hidek:あー。
天野:ミュージックビデオとか見ても、あれ、なんなんでしょうね、そんなに脳内物質が出る感じはしないんですけど。ペンライトの光とかがあって、みんなの「オイオイ!」っていう叫び声とかが入っていて、そういうのを見ると血が沸いてくるような、ああいう感じがすごく感じて。
hidek:(笑)
天野:ライブがインターネット上にいっぱい配信されているっていうのは、すげー、知らない曲とかでも、「一体感あるな」というのを感じました。
hidek:あー。今はコロナ禍でライブがあまりできないんですよね。とはいえ彼ら彼女たちも稼がなきゃいけないので、何をするかというと、いわゆる「無観客配信ライブ」っていうのをやるんですよ。
天野:うんうん。
hidek:そうするとやっぱりね、ちょっとね、盛り上がんないんですよね。
天野:そうですね。たしかにね。そっか、今の話は、昔のライブの映像とかを僕が見ているからそう思うだけであって……。
hidek:そうですね。そうですね。
天野:たしかに。たしかに。やっぱ、観客がひとつのコンテンツなんですよね、絶対。
hidek:そうだと思います。アイドルの現場はまさにそうですね。
天野:うんうん。
hidek:ちょっとまた今、緊急事態宣言が出て、だいぶ制限されちゃってるんですけど、ちょっとずつ、でも、ライブ増えてきてるんですよ。
天野:うんうん。
hidek:で、ちゃんと一席ずつ空けて。で、着席で、声を出しちゃいけないんですね、かけ声みたいなやつは言っちゃいけなくて。だからね、ちょっと物足りないんですよね。
天野:あー、たしかにな。人がいて、人が飛び跳ねる振動とかを体に感じて、見渡す限りに光があって、みたいなそういう感覚って、インターネットではまだまだ実現できていない感覚なのかもな。
hidek:うんうん。コロナ禍で結構、僕的にやられちゃってるものっていうのは、エンターテインメントとコミュニケーション。
天野:うん。
hidek:出会いも含めた。その辺はすごく難しいな、と思いますね。
天野:たしかにそうかも。
hidek:ちょっと、すみません。脱線しちゃったんですけど。
天野:「何の話だったっけ?」っていう(笑)。
hidek:起業からの……。
天野:あ、起業の話だね。でも、いい話だった。うん。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?