【マイナーおもちゃレビュー】PANLOS BRICK SUPER DEFORMATION TIGER AUSFÜHRUNG E
最近(個人的に)中国系玩具が熱い。中国系玩具は「安い・並品質・風変わり」と玩具としてはありがたいことに要点を押さえまくっているのだ。そんな不思議な中国系玩具から本日はこちら
"SUPER DEFORMATION(スーパーディフォメーション)"の"ティーガーE型"
をご紹介。
いわゆるレゴ互換のブロックトイモデルで2in1、つまりブロックトイでありながら1セットで戦車(ティーガーE型)かロボットのいずれかを作ることのできるというセットである。
レゴでもおなじみのコンパチ系キットではあるが、モチーフがティーガーE型というのが渋い。謎のSFビークルとか普通の車両だとかのほんわか優しいモチーフではなく、ガチ感がある。本家のレゴなら絶対やらないだろうなあ・・・
全然聞いたこと無いメーカー名
リリース元は"PANLOS BRICK(パンロス ブリック)"。ミリタリー系のブロックモデルキットを中心にブロックトイを多数リリースしている会社である。さっぱり馴染みのない社名だ。
しかし会社のロゴにブロックを使っているほどということは決してパチもんメーカーのようなちゃちな会社ではなく、ブロックトイにこだわりのあるしっかりした会社なのだろう。
多分・・・
■説明書の時点で凄い
こちらは説明書。さっぱり知らないメーカー製とはいえ、説明書は大手ブロックトイメーカーに負けず劣らずしっかりとした出来。各工程で使うパーツのガイドまできっちり載っている。紙質もしっかりしてるし、安物感は無い。
説明書の域を超える雑誌並みの分厚さ
ブロックトイの説明書にしては異常なほど説明書が分厚い。値段安めの雑誌か学校教材の教科書くらいの厚みはあるんじゃないだろうか。それもそうか、だって83ページもあるもんなあ・・・
戦車orロボットのレシピから今回はロボットを選択して組み立てることにした。
■完成
そんでもって完成。組み立ての様子は省略。
ちなみに所要時間は小休憩含め約5時間。でもそのうち6割くらいは説明書指定のブロックパーツを大量のブロックの山から探すという行為で消費していた気もする。これはパンロスブリックに限らず全ブロックトイ共通の問題なんじゃないだろうか。
あまりの長期戦にウンザリしつつも、実際完成してみるとパーツ密度が細かくて圧倒される。
基本的に戦車に使われるブロックパーツを使っているため、体から垂れ下がる履帯や手足に取り付けた転輪、細かい装飾などのパーツがいかにも「戦車から変形しました」って感じの姿に見えるのがとてもオシャレ。実写トランスフォーマーのような情報量に思わず「おぉぉ・・・」と感動してしまう。
ブロックトイとはいえ、レシピどおりに組むだけでここまで本格的なロボットを作れるというのはなかなか楽しい。
体の各所の模様部分は一部を除き全てシール処理。自分で貼らなければならないが、シール自体が表面コーティングされた透過シールなので仕上がりは悪くはない。
ただしこのシールは平面以外の場所の追従に弱いため、曲面などは貼り付けてもどうしても剥がれてしまう。顔のシールも角面に貼らなければならないためそのままだと全く張り付かない。加工してシール自体を曲げるか接着剤で貼り付けてしまう一工夫が必要になる。
今回は剥がれてしまう箇所のシールは強力なスティックのりで剥がれないように補修したが、顔だけはちょっとシールの見た目が汚くなってしまった。残念。
■可動
体の各所は関節が仕込まれているので、決して可動域は広くないがそれなりに動かして遊べる。5時間もかけて組み立てているので、完成して動かして遊んでみると達成感のようなものがあって結構感動する。
ボールジョイントの箇所もあれば軸ジョイントだけでつないでいる箇所、クリック関節が使われている箇所など関節の種類も多様で、あまり一貫性がない。
関節保持力はそこまで高くない(というか本体がわりと重いので重量負荷がかかっている)が多少調整してやれば遊びやすくなる。気に入らない箇所があれば少し組み替えて可動域を広げるといったこともできるのがブロックトイ可動モデルの面白いところだ。
ブロックトイの宿命、動かすと外れるパーツ
あくまでブロックトイなので、あまりガシガシ動かしているとあちこちパーツが外れてしまうことが多い。可動を優先させたい場合は組み換えを諦めて、パーツを接着してしまったほうが遊びやすくなるかもしれない。
テクニックがある人は組み立てレシピを見直して自分の遊びやすいように一部を組み替えてしまうというのもアリかも。
■意外とこだわってるおまけのミニフィグ
おまけとして歩兵のミニフィグが付属する。こちらもいわゆるレゴ互換のデザイン。こちらはシール処理ではなく、パーツにしっかりとデザインが印刷されている。こっちに印刷を使うならせめてロボットの顔くらいは印刷で仕上げてほしかったところだ。
ちなみにミニフィグはほとんど飾りのようなもので、そもそも搭乗スペースが無いのでロボットに乗ることもできなければ戦車に乗せることもできない。付属させる意味はあるんだろうか・・・?
レゴなら絶対やらないであろう物騒な小物付き
リアル武器も付属。ブロックトイながらもミリタリー感はガチだ。
■総評
パンロスなんて全然知らないメーカー製のブロックトイだったので若干警戒しつつの購入&組み立てだったが、特に足りないパーツがあったりするわけでもなく、ブロックの整合性が悪いわけでもなく、至って普通にブロックトイとして遊ぶことができた。なんだか思ってたよりも品質が良いし、メーカーのこだわり具合が垣間見えて面白い。
完成したモデルの出来も非常によく、満足度は高め。このセットで6千円くらい払ってこの出来なら「まあこんなものか」くらいの感想なのだろうけど、今回は2千円以下という破格の値段で買っているのでめちゃくちゃお得な気がする。
2in1キットなのでロボットに飽きたらバラして戦車に組み換え、またはその逆にと何度でも遊べるので1度組み立ててしまえば終わりにならないのも良いところだ。
でも5時間かけて作ったものを再度バラして再び5時間かけて組み立てしたくないので、組み換えはやめておくことにする。
■ちなみに
同じく戦車仲間も色々
同じくパンロスブリックの同シリーズには、別種の戦車から組み換えできるロボも多数いる。今回想定以上の良い出来だったので、他の種類もぜひ買ってみたい。
どこかで見たことのあるロボットもいる
なんとかティマスプライムとかなんとかブルビーみたいなのもいる。しかもコイツらよく見ると8in1で8種に組み換えできるらしい。
プレイバリューどうなってんだ・・・
そんなわけで、妙に安いが悪くない品質だし超カッコいい、パンロスブリックの不思議なブロックモデル。気になる方はぜひとも買って組み立てにチャレンジしてほしい
おわり
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