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親を許せないという人

「どうしても親を許せない」という人は結構いる。

今回は、言動に多少の問題はあったものの著しい問題はない、虐待などの犯罪行為はないという親についての話である。

「どうしても親を許せない」とずっと感じている人には大きく分けて2タイプがある。

現在の不甲斐ない自分に対する理由付け

「今の自分がこうなのは、あの時こうしてくれなかった(こんなことされた)からである」と、現在の不甲斐ない自分に対する理由付け(いいわけ)を抱いている。

そうすることにより、現在の状況を作った原因は親であり、現在の状況から逃げることができないのは親のせいであり、かわいそうな自分は悪くない、と思うことができる。

つらい状況にある人は、他人のせいにし恨むことで、自分を慰め自分がつぶれないようにすることは、緊急避難的に必要なことである。

しかしそれは一時的なものであるべきである。

その状況でずっと留まり続けるとマイナス面が大きくなる。

前を向かずにひたすら後ろばかりみて、いらいら、もやもや、自己不全感、「おまえらのせいだ」と親を責め、親を自分の言いなりにさせることで一瞬の癒しを得ることができるもすぐに自己嫌悪に陥る(陥らない人もいる)という泥沼に陥ってしまう。

兄弟と比較してしまう人、自分は愛されていなかったと感じる人

「自分は大事にされていなかった」「自分より兄弟の方が可愛がられた」と感じてしまう。

兄が自分より優秀だった
兄が病弱だった
弟はできが悪かった(ので甘やかされた)
弟は要領が良かった
などと、様々な理由が挙げられ、事実というより確証バイアスが影響することが多い。

しかし親の方にも「問題」が無いとは言えないこともある。

親は当然ながら完全な人間ではなく、子どもが期待する反応をいつもできるわけではない。

時には職場や近所や夫婦関係のイライラをぶつけてしまうこともある。

また親子といっても相性があり、話しやすい子ども と 話しづらい子ども、接しやすい子ども と 接しづらい子ども、というのは 当然出てくる。

また家庭内で兄・姉に期待することと、弟・妹に期待することというのは、当然異なってくる。

小学1年生と6年生では、期待されることや接し方が異なるのと同じである。

ただし家庭が特殊なのは、学校などでは成長とともに立場が変わるものの、家庭では基本的に変わらない。

もちろん意識しできるだけ同じように接するように努力する親もいれば、ほとんど意識せず行動してしまう親もいる。

全ての親が自分のことより子どものことの方が大事、と思っているわけではないし、逆に子どもがある程度の大人になっても、この気持ちが強く押し付けてくるのも問題だと思う。

一方 子どもの立場として、親なんだから分かって欲しい、理解して欲しいという思いがあり、自分の希望・期待と異なる反応が返ってくると深く失望し、時に 怒りへと変わっていく。

適切な親離れ

親を許せないという人は

・この人は自分のことをある程度 大事には思ってくれているみたいだけど、人としてダメな部分も多少(一杯)ある。

・愛情表現方法が自分とは違うし、自分のことを完全に理解はできないだろう

と思えるようになることが、適切な親離れであり、許せる(仕方ないかもしれないと思える)ようになる第一歩である。

親と思うから腹が立つのである。

親と思わず、おじさん・おばさんと思うのがちょうどよい距離の取り方である。

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