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様々なタイプの「うつ病」に混乱しないようにする

広がるうつ病

うつ病は拡大路線をひたすら進んでいる。

またうつという言葉は「ちょっと沈んで元気がない」というような意味で使われるようになってしまっている。

非定型うつ病、新型うつ病、擬態うつ病、ディスチミア親和型うつ病、軽症うつ病など、ネットや本などでは〇〇うつ病という、新しいタイプのうつ病が次々と十分な検証もなく作成され、ますます多くの人を混乱させてしまっている。

新しいタイプのうつ病を理解するときのポイントがある

うつ病ではない疾患を含むことが良くある

「〇〇うつ病」とうつ病という言葉がついているものの、DSM5やICD10などの診断基準や従来診断と照らし合わせてうつ病ではない疾患や状態を含むことが良くある。

これは極めて混乱しやすいが事実である。

例えば擬態うつ病はうつ病の真似をした状態であって基本的にうつ病ではない。

また新型うつ病の多くは、DSM5をゆるく適応するとうつ病と診断されるものの、きっちりと適応すると持続性抑うつ障害(気分変調症)、双極Ⅱ型障害、気分循環性障害、急性ストレス障害、適応障害、パーソナリティ障害などの診断になることが多い。

特徴がぴったりと当てはまるか?

新しいタイプのうつ病は典型的なうつ病ではない様々な人がごちゃ混ぜになっている集まりであり、その中から類型化を試みているものである。

その概念の「診断基準」や定義や特徴をしっかり確認し本人にぴったりと当てはまるかをまず確認することが重要である。

典型的なうつ病でないからといって非定型うつ病や擬態うつ病であるとは限らない。

ぴったりと当てはまる場合はそこに書かれてある治療方法や対応方法を参考にして良いことが多い。

逆に当てはまらないときやしっくりこないときには参考にしないほうが良い。

本当にうつ病と主治医は考えているのか確認した方が良い

初診時にうつ病と聞いた。

本人からうつ病と聞いた。

会社に出す診断書にうつ病と書いてある。

抗うつ薬を飲んでいる。

これらのことは、現在の病気がうつ病で「うつ病の基本対応」が良いということを意味しない。

初診時のうつ病という説明は、情報が不十分な状態での暫定的な診断で、本人のうつ病という説明は本当に正しいか分からず、会社に出す診断書は本人が受け入れることができる病名であり、抗うつ薬が出される疾患はうつ病以外も多数ある。

治療が上手くいっていないとき

治療が上手くいっていないようには思えないときには、主治医に対し、病名は何か、今後はどのように治療していくのか、家族はどのように対応したら良いのか、を確認するのが一番である。

もちろん「うつ病ではないと思う」「治療があっていないと思う」というような主治医を否定する言い方はしないほうが良い。

「自分なりに勉強してみたのですが、どうもしっくりこないんです」

「しっかり休んでいたらいいと思って、休んでもらっているのですが、〇〇はできるようになってきたのですが、〇〇はできないみたいです」

「典型的なうつ病とはちょっと違うところがあるような気がするのですが・・・」

「〇〇という本をちらっと見て、当てはまることばかりでびっくりした」

などと、伝え方を少し工夫する方が良い。


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