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『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』 記事の思い出 (スズキナオ) その4

朝日新聞「天声人語」でも紹介されるなど話題となり、現在までに5刷と大好評の『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)。

著者・スズキナオさんが、収録の全6章29編についての思い出を語ります。

各章ごとに6日連続公開、第四章です!
(第三章はこちら)

第4章 偶然の出会いを活かし、半額肉だけで焼肉パーティーをやってみたら楽しいのではないかと、ふと思ったーー調査

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⑮ スーパーの半額値引き肉だけで半額焼肉パーティー

ここに登場するヤマコさん、はやとさん、たけしげみゆきさんの3人には本当に色々なチャレンジ系取材に力を貸してもらって感謝している。それぞれキャラが立っていて、最高のバランスだと思う。

「カップラーメンでも買って帰るか」と立ち寄ったスーパーで半額肉を見付け、それを買って家で焼いて食べるという行為を、私は〝いきなりステーキ〞と呼んでいる。カップ麺を食べてあっという間に終わりだったはずの晩ごはんが、突如として高級ステーキになるのだ。もちろん、いつも半額肉が棚に並んでいるとは限らなくて、セール商品がひとつも見付からない時もある。何が安くなっているかはその時どきによって違う。その偶然の出会いも楽しいではないか。
その〝偶然の出会い〞を活かし、半額肉だけで焼肉パーティーをやってみたら楽しいのではないかと、ふと思った。(193p)

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ずいぶん食べ応えのありそうなステーキ肉も

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スペースの都合上、立食スタイルの焼肉パーティーになった


⑯ 「お鍋キュー」のひそかな楽しみ

アイデア元のイチノミヤくんからは本当に色々な飲み方を教わった。コンビニで買った豆腐にサラダ用の別売りドレッシングをかけてスプーンで食べるという「道豆腐」も最高。偉大な先達。

前述のイチノミヤくんが、冬の楽しみとして提唱しているのが「お鍋キュー」である。野外にカセットコンロを持ち出して鍋をして食べる、というものだ。彼によれば「ひとつルールがあるんだ。食材は近くのコンビニでしか調達してはいけないんだ」とのこと。(198p)

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なるほど味噌汁の乾燥具材も野菜ではある

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コンビニで調達した鍋の具になりそうなものいろいろ


⑰ カップヌードルに入れるとおいしい“漬け物”を検証

これも前述の3人+シカクのスタッフである赤井あぞさんに協力してもらった。本当に美味しいと思うし自分は頻繁にやっているのだが、一向に流行の気配はない。

もしかしたら、前述の高菜やキムチのような特定のもの以外、漬け物とラーメンの組み合わせはそれほど試されてないのではないか? そう思い、今回、気合を入れて検証してみることにした。題して「カップヌードルに入れるとおいしい〝漬け物〞食べ比べ大会」。(204p)

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私がいち押しする「野沢菜漬ヌードル」

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オードソックスな漬け物を買い集めてきた


⑱ 「唐揚げ何個食べた?」レベルまで飲み代を厳密に割り勘する飲み会はどうか

文中にある通り、もともとはパリッコさんとふたりで考えた企画だったが、スケジュールの都合で私が記事を書くことになった。この時は本当にお腹がいっぱいだったのでかなり損した。

しかし、その後、考えてみればみるほど私は「割り勘って面白いな」という思いを深めた。割り勘と言いながら、大抵はみんな「ちょっと遅く来たから1000円でいいよ」、「さっきの店で多めにもらったからここは少なくていい」とか、状況に応じて適当に勘定している。
そのアバウトさの幅の中にいろいろな感情とかその人たちの考え方とか関係性とか、そういうものが入り込んで、それでなんとなく飲み代が支払われていく。そのいい加減さが好きで、好きだからこそ、逆に今回だけはシビアにやってみたくなったのである。(229p・230p)

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ただの飲み会になってきた

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これが49円分のチャーハンの量だ!


(第5章へつづく)

『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』店舗限定購入特典ペーパーのための書き下ろしに、大幅に加筆・修正を加えた。



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