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私に「彼くん」がいないので書生を雇うことにした

※「彼くん」というのは、精神疾患等を抱える女性を金銭面、精神面、生活面でサポートしてくれる存在を表す悪いインターネットミーム(悪いぞ!)で、生活の困難を書き連ねたあとで突然「そんな私にも理解してくれる彼くんが」と登場してくるため、一説によると「デウスエクスマキナ」ではないかと言われている。
※もちろん「彼くん」がいない人も多数いる。(生存バイアスの類)
※「彼くん」がいても安心はできない。

私の生活がにっちもさっちもいかなくなり、相当ボロボロで、基本的な労働ができなくなり(特に出勤)、小説を書く時間も余裕もない、という状態になってしまった結果、これを打開する作戦として、
「人を住ませて生活支援をしてもらえばいいのでは?」
がにわかに浮かび上がってきたので、これを実行することとしました。
いわば、グループホームや居宅介護の変則的バージョンです。

私の属性
・30代
・猫と二人暮らし(人間と猫の組み合わせは「人」か?)
・職場(やや田舎)の近くに住んだため部屋が余っている
・年収は東京都同年代の平均よりは上(一人は養えるくらい)
・本業は財務経理
・副業は小説家(数年出していないので死んだ作家でもある)
・双極性障害で精神障害者福祉手帳3級

私ができないor困難なこと
・家の掃除、料理、私生活の書類手続き、出勤(午前中は死んでいる)
(猫の世話と金銭の取り扱いはできる)

書生の属性
・20代
・一人暮らし(契約切れにより賃貸から追い出されることが確定済)
・放送大学生
・発達障害

書生ができないor困難なこと
・継続的な賃労働
(家の掃除と簡単な料理ができる)(すごい!)

以上の条件により互いの利害が一致したため、書生氏と共同生活契約を結びました。(割れ鍋に綴じ蓋作戦)
書生氏はTwitterの相互フォロワーで、近々今の住処を追い出されるとツイートしていたため、声をかけ、一週間ほどのプレ同居を行ったあと、本契約を締結するにいたりました。
私が「書生氏」と呼ぶのは、氏が学生であるため(あるいは、私のことを冗談で「先生」と呼ぶため)で、共同生活上の上下関係はありません。(当然、私が雇用主側なので、その点において上下関係が発生しないでもないのですが、そこについては互恵関係であることを強く認識しておくようにしています)


以下は、私が書生氏に任せることを文章化したものです。(ver. 1.0)
(細かいように思えるかもしれませんが、書生氏も明文化した方がやりやすいということなので作りました)


やってもらうこと

・朝6:30に起床(休日はこの限りではない)
 ・コーヒーの作成(セッティングは前日の夜でもよい)
 ・朝食の作成(現状:1/2ベーグル、サラダ、1/2ヨーグルト)
 ・8:30に追い出し
・ゴミ捨て(朝8:30までにゴミ捨て場に持っていくこと!)
 ※細かい仕分けについては役所のプリントを参照する
・牛乳とヨーグルトの受け取り(玄関前ボックス、午後)
 ※フルーツ牛乳やコーヒー牛乳も別途頼めるのでほしいときは要連絡
・18:30前後に夕食
 ※どちらかが不要なときや食事の準備が体調等で困難なときは事前に連絡しておくこと
・お風呂の清掃
 ・夜に入る前に湯船の水抜きをしてから洗う
 ・基本は泡を湯船に吹いてから流すタイプの清掃でよい
 ・スポンジを使って洗うのは週一でよい
・掃除、洗濯
 ・週二程度で掃除機orクイックルワイパーをかけるのが望ましい
 ・洗濯はタオル群と服群にわけて行う
 ・トイレ掃除は月二回(あればいい?)
・食材や消耗品の買い出しなど
 ・月5万円を現金で支給、不足あれば随時追加される
 ・レシートを保管し、15日と月末に残金とレシートを提出する


吉野家の基本ルール!

・エアコンはケチらない
 ・猫のため夏冬は誰もいなくてもリビングと書斎のエアコンはつけっぱなしにする
 ・春秋は気温を考慮する
・空気清浄機は常に稼働する
 ・書斎とリビングの二台分の空気清浄機
・水とお茶は常にワンケース備蓄しておく(災害時に猫と籠城するため)
 ・在庫が途切れそうだったらAmazon、楽天等で発注するので声がけする
・猫の世話は基本的に吉野がやる
 ・毎朝のご飯準備、水の入れ替え、トイレ清掃
 ・吉野が外出時など臨時で依頼することもある
・その他重要なこと
 ・猫を敬う
 ・適切な通院を行う
 ・夜は寝る


本契約における金銭面での重要事項


・家賃、水道光熱費、ネット接続代、食費、寝具、衛生消耗品代を吉野が負担する
 ・衛生消耗品とは清掃、水回り等生活必需品の用に供するものとし、化粧品は含まない
  ・シャンプー、化粧水、乳液程度のものは衛生消耗品とする
・毎月一日に金40,000円を吉野が支給する
 ・原則的に使用用途は問わないが、以下の場合は可能であれば事前に相談する
  ・電力を使うもの
  ・搬入に時間がかかるもの
  ・共有できると思われるもの(たとえば漫画本など)
  ・原則的には前借りは認めないが、緊急の場合は相談する
・その他費用面、生活面で疑問点があれば双方が真摯に協議をする

以上です。
本契約により私が支出する金額は年100万程度であると推定されます(人が増えても家賃が増えるわけではないのでこの程度で済む)が、これによって安定した労働が可能になり、創作活動も継続的にこなせるとなると、軽く100万円以上の価値がありますので、その点では問題はありません。(上記のような「やってもらうこと」がとても簡単そうに見えて、「そんなことのためにお金をかけて人を雇うのか!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「人それぞれに苦手なことがあってできないものはできない」としか言えません)
一方で書生氏は基本的な生存が可能になり、日中は自分のやりたいことができるようになります。(どれくらいメリットがあるのか私には計りかねますが)
本契約は永久契約ではありませんので、いずれ書生氏が一廉の人物となり巣立っていく可能性もあります。


書生氏は「敏感肌ADHDが生活を試みる」というブログをやっています。
ライティングなどの仕事を募集しているようなので、今回の件も含めて、仕事を依頼されたい方は書生氏にご連絡ください。
(金銭の発生する仕事を依頼していただけると、書生氏のキャリアにもなりますし、生活もまた潤うのでぜひともお願いします)

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