委ねて委ねられて
本日稽古場ブログ担当は、藤原が書かせていただきます。こんにちは。
さて、稽古も全体の3分の2を過ぎ、佳境に差し掛かっております。本作は会話劇なので、より相手とのコミュニケーションの繊細さとか、思いやりとかが大事になるので、最近は稽古の前にインプロをやっています。
これが結構私は好きでして。というのも、基本的に「相手にのっかる」「相手を否定しない」「相手を認める」の上で「相手にちゃんと伝える」というようなことを一番大事にするので、リラックスしながら心を通わせていくことができると思っています。
私は今回、こども食堂のお手伝いをはじめたばかり、という役をいただいています。だから今の自分の等身大の感覚に、比較的近い感覚が大事なのかなと思っています。
実際、こども食堂について、こういうことをされているんだろうなっていう大枠では知っていたつもりでした。ですが、こども食堂について学ぶためにYouTubeを見たり、記事を読んだり、あと、こども食堂を実際にやられている方に少しコンタクトを取らせていただいたりしていく中で、自分の中で持っていたイメージと少しギャップがあったことに気づきました。一言で言うと、自分が思っていたより何倍も、色々なことをケアされて運営されている、ということです。自分が恥ずかしい限りです。
この方のお話は一つの事例ではありますが、ハッと気付かされたことがありました。新しく改装するこども食堂のドアを「自動ドア」にしたいということ。動画の中で下記のような言葉が出てきます。
「(自動ドアにすることで)入ろうかなどうしようか悩んでる人が、前に立ったら勝手に開く」
こども食堂に入ろうか考えている方がおられたときに、入り口が自動で開くことで、いい意味で「勝手に」前に道が開く、というような感覚です。
私も、内容は違えど似たような経験があったりします。入ろうかな、とちょっと躊躇して、やめようかな、どうしようかな、と思っていたときに、自分以外の力で、ふっと入るきっかけができるって、凄く助けられるような気がしていて。
こちらのお話は一例ですが、そういう、こども食堂に来ていただく方のことをたくさんたくさん考えられながら、こども食堂は運営されているのだと、改めて気づく事ができました。
さて、舞台の上でも今回たくさんの気づきがあります。
中でも今回一番大事にしたいなと思っていることは、舞台の上で独りよがりにならないこと。一人芝居ではないので、相手から貰って、その瞬間に感じたものを、相手に、客席に伝えていくことが大事だと思います。
そうやって、いい塩梅で相手に委ねて、また委ねられて舞台の上を創っていく。私はその感覚が凄く好きだし、そうやって物語を紡いでいきたいなと思っています。
たった1回、3月21日(火・祝)14時からの公演まで、あと2週間ちょっと。ここから稽古も一気に大詰めです。
本作品に携われることに感謝して、最後まで座組みんなで駆け抜けていきたいと思います!温かいお話です。是非観に来て頂ければ嬉しいです。
■タイトル
ハンドポケット・カフェ
■日時
令和5年3月21日(火・祝)
午後2時 (開場は開演の30分前)
■会場
松原市文化会館
■料金
むりょう
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