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めのすのレポート

映画 CONFETTI
2018.11.16
イオンシネマみなとみらい
A FILM BY ぶれぇめん

しろーさんの処女作。
そもそも、しろーさんの作風すら知らなかった。
役者のしろーさんしか知らなかった。
映画監督としての、エンターテイナーとしての側面を見ることができた。

横浜、桜木町から徒歩のワールドポーターズ。ショッピングからフード、雑貨、横浜土産などなど集まった、横浜でも著名な施設。その映画館での上映。

いや。普通にすごくね?

大手映画が普通に上映されまくってる映画館ですよ?そこでの上映、一体どうやったのか気になるところではある。映画館側が自主映画とか応援してるのかな?

それは置いておき。

あらすじとしては、本社への栄転を同僚に先を越される主人公、中村。やけ酒をあおる中村に、謎の男が話しかける。謎の男は、中村に「食べながら言ったことが叶う金平糖」を差し出す。そこから、中村の日常が大きく変わっていく。

イベント会社の営業をやっている主役の中村。トークの上手さで契約獲得は出来るが、一方で解約される件数も多いという、ツメの甘さと、ノルマ達成すればいいという仕事への甘い考えを持つ、お調子者。後輩には好かれてはいたり、同僚たちとも仲は良好。面倒見の良い彼女と同姓。
人並みに仕事し、恋愛し、悔しくてやけ酒をして、記憶が朧気になるほど悪酔いして、周りの人が変わっていくのに何も変わらない自身に苛立つ。

関わっている人の良さが眩しいほど、自らの非力さ、汎用さに嘆く。中村の影と、自分自身を重ねてみているような気になった。

でも、追い詰められても、這い上がっていく強さは、中村にしかない「良さ」だと思う。

謎の男、キタカタ。
笑うせぇるすまんスタイル。
しかして、その正体は天使。
困った人を助けるのが仕事、と言っていたが、金平糖を差し出したことではなく、中村に自身を省みさせるきっかけを作ったことが一番の仕事であったと思う。所々、中村を見守り、物語の転換点に現れるキーマン。顔の大きさはもはや自虐ネタではあるが、言っておこう。貴方はイケメンです。もっと自信もってください。先輩。

中村を気遣う、優しく、可愛く、茶目っ気のある彼女。やりたいことが明確で、真っ直ぐな中村に惹かれている。彼女自身も、仕事でやりたいことのために努力できるしっかり者。親友とのカラオケで、中村のことを語る彼女の横顔の可愛さは中々幸せそう。浅水さん、綺麗だし可愛いし、なんなの?好き。

他、作品を彩ったキャストたちも、評価できる。

中村の後輩役の窪田さん。普通にイケメン。ただ、終演後の第一声で、ど天然なのが丸分かりである。なんだこのギャップの激しさ。それでいて、一番映りが良いのである。なんなんだ一体←

南雲さん。なぐもん。中村の上司役。ぱっと見、おじいちゃん感。でも演技の軸が一番しっかりしている安定さ。電話越しの声の演技がかなりよく聴こえていた。あとお茶飲みながら窓から電車眺めてる姿は完全におじいちゃん。

なんか居そうな感じのする政治家役の秋山さん。
かっわいいなぁ、このOLのいる職場に行きたい。そう思った水野さんと和智さんと宮本さん。

(キャストが誰だったか明確でなかったが)中村のライバル田中役の人、メガネがお似合いだったし、インテリ風なのも良かったし、何より中村の認められる所はちゃんと認めていたところの役の良さがあって、素直に良い人なんだな、とほっこりさせてもらった。

ここからは、毒強め。

謎の男がフェードアウトするシーン・ラストシーンの夜空などの映像編集の技術の拙さ。夜空の星空の金平糖はちょっといただけない。普通に綺麗な星空の映像でも良かった気がする。

BGMと演者の肉声音声のバランスの悪さ。

撮影環境の環境音(風の音など)の調整不足が否めない点。

画映り的に首を傾げる箇所があった照明。

映像全体的にバランスの悪さ。切り取りたい画はあるのに、人物と空間の比率があまりよくないシーンが散見された。

1つの場面(例えば職場)で、会話する中村と田中を交互に映していたが、シーンとしての繋がりが綺麗に流れているように見えなかった。あそこは中村と田中の会話、口喧嘩からの上司登場まではノーカットで映していても面白かったかもしれない。

早回しのシーン、金平糖を試す中村が暴走してるところ。少々何が起きているのか分かりづらかった。とあるカップルの告白と振られてビンタはアップで映して、ガッツポーズする中村を遠くから映すというのでも良かったのかもしれない。

イベント会社とはいえ、社員上司含めて、服装がラフすぎではないか?カジュアルといえば聞こえは良いが、あくまで会社であるなら、男性陣はスーツ着ておくべきではなかろうか。女性陣の服は、それなりに各シーンに合っていた分、余計に浮いてみえてしまう。

…と、思うところは様々あれど。

映画を1本撮り切ったこと。
上映にまで繋げたこと。
そこまでの見えない努力は、素直に認められる。
この御時世、制約や制限がたくさんあったことだろうと思う。
その中で、作り上げる。お披露目するまで漕ぎ着けた。
ゴールではなく、新たなスタートではあるが。
確実に、その脚で階段を一段登った。

今後の発展、飛躍、更なるエンターテインメントに期待を込めて。

2018.11.17
めのす