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隠者の文学 石田吉貞 メモ


・隠遁は社会離脱である。同時に人間離脱である。
六欲煩悩を棄てるということは、六欲煩悩から構成されている人間を棄てることだ。ー人間を棄てることは石のようなものとなること

・人間離脱をきわめた隠者の眼はさびしい。ーそのさびしさを通して万有を見る→万有のなかに寂寥を感じた

・言葉の外延=使用範囲が広がる→その内包=内容は小さくなる・不明確になる→言葉の使用時に不便→内容を限定する・定義の必要あり
例 先生ー学者?医師?俳優?

・隠の生命の中ー真剣なものー世間と自己を棄てて真実に生きようとすること

・西行の美ー美の中に存在の悲しみやさびしさ→自己の生死の姿を凝視する

・隠遁者の生活ー常人の理解や可能世界を超えた、惨苦の生活。&霊性の願いのみに支えられて生きーその霊性の願いとして創造されたのがさび系の美

・強いて隠遁関係のことを禅によって解しようとする→どこかで事実を曲げるor事実の認識の粗雑さが押し付けられる

・X説が常識的かつ曖昧である

・隠遁と禅の別を明らかにするなは、まず両者が近似した性質をもっていると理解することから始める

・美を所有していた美的隠遁ー詩歌・芸道を深める→その美の中に万有の理法と存在の真の姿を感得しようとする方向に、宗教的努力を向けていった

・美の概念は、美的感動を抽象化した一種の観念→実際の美意識との間に距離があり、不明や誤認の入り込む間隙がある。→美を概念だけで説くには、この環境を生じさせないだけの用意が必要

・無常観の2つの面ー転変性と虚仮性
中世初期ー平安貴族の滅び→無常観は転変性=死と滅びの無常観
戦国ー明日の戦いを前にするーこの世や我が身を夢幻とみたー夢幻泡影(ほうよう)の悟り

夢幻泡影=虚仮観ーこの世は夢幻で実はない
→死も生も大した違いでない
→死の恐怖から人を救うための思想

夢幻泡影の思想→一切が限りのない虚無の悲しみにー草木に深い存在の悲しみ

・隠遁の極限的な姿ー離脱の極で大自然の所与を素直にうけとり、そこから何者かを得ようとする

・隠遁の基本形式ー孤独と自然

・さびし←さぶー生命感の希薄or減少
・わびしー物質面から来る苦痛=極限的な窮乏




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