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スタコネ Start-up's Voice|KOREC|大亀代表へインタビュー

『スタコネ』は、「スタートアップ」と「スタートアップを支援するサポーター」をつなぐプラットフォームです。
2023年8月にローンチし、たくさんの方にサービスに興味を寄せていただいております。日々『スタコネ』をご案内させていただく中で、「どんなスタートアップ企業が登録されているのか知りたい!」という声を頂戴することが多いので、『スタコネ』に掲載し、サポーターとマッチングされた企業様について、代表者様へのインタビュー形式でご紹介したいと思います。

Start-up's  Voice  vol.2  |  KOREC  
株式会社ビーウェルインターナショナル 代表取締役 大亀 雄平様
大阪市立大学在学時に学生就活支援事業を行う株式会社ビーウェルを創業。2019年、韓国人学生の日本就業支援を行う『KOREC』を立ち上げ、株式会社ビーウェルインターナショナルを設立。現在は日本・韓国で8社の経営に携わり、HR領域を主軸にPR/マーケティング領域でサービスを展開。

◆KORECサービス概要
『KOREC』は“韓国の学生”と“日本企業”をマッチングする、採用支援プラットフォーム。ソウル、釜山に就職スクールを展開し、韓国学生と日本企業の相互理解を促進、スムーズな採用活動をサポート。日本企業のグローバル人材需要に応えるとともに、海外人材採用後のミスマッチ解消に貢献。
https://bwell.jp/korec/


“日本企業と韓国学生の架け橋に” 韓国のIT人材、トリリンガル人材が日本企業の採用難を切り拓く

1.『KOREC』ってどんなサービス? 

『KOREC』は、韓国人材に特化した採用支援プラットフォームです。韓国では就職競争率が高く、母国語のほかに日本語、英語を話せたり、IT・エンジニアの知識をもつ優秀な学生が非常に多いんです。そして韓国内での就職が難しいことから、距離も文化も近い日本で就職を目指す学生が多いんですね。一方、日本では、IT人材、グローバル人材の獲得競争が激しく、優秀な学生の採用が企業にとって大きな課題となっています。『KOREC』は、日本企業と韓国人学生をマッチングする、ハイスペック韓国人材に特化した採用支援事業を展開しています。

2023年12月時点、登録いただいている日本企業は400社、登録学生数はのべ8,000名。75%はビジネスレベルの日本語力を保持、半数以上がTOEIC800点以上と高い語学力を備えています。掲載料無料、成果報酬型のプラットフォームで日本企業の海外人材採用を支えています。

2.『KOREC』をはじめたきっかけ

もともと日本の大学生の就活支援事業を行っていました。日本では少子高齢化により学生数も減少の一途で、若手人材の採用が難しくなっており、就職内定率は98%とかなりの売り手市場なんですよね。結果として、優秀な人材を採用したいけれどエントリーしてもらえない、内定を出しても承諾してもらえないことが中小企業、ベンチャー企業の採用担当にとっての悩みでした。この人材不足を考えると、就活支援事業のニーズが伸びていくことは明白でしたが、その頃、人材業界はデータベース勝負、つまりどうやって人材のデータベースを集められるかという争いになってきていて、単純にその過当競争に加わるのではなく、本質的な日本企業の採用ニーズに応えたいと思ったんです。そこで目を向けたのが、グローバル人材のマーケットです。とはいえ、企業が必要とするのは日本語も話せるグローバル人材。日本語がうまい、文化も近い、就職定着率も高い国はどこかと考えたら、やはり要件を満たすのは韓国ですよね。実際に韓国で開催されていた日本企業採用フェアに参加し、韓国人学生と面接したとき、学生が優秀なことに驚きました。みなさん日本語も英語も上手だし非常に優秀な大学を卒業されている方が多くて。韓国の就職事情といえば、就職率6割と非常に厳しい状況なので、日本に就職先を求める優秀な学生がたくさんいるんです。この学生たちをプロデュースして日本企業への就職を支援し、また日本企業にも韓国人材の採用という新しい一手でグローバル化への一歩を提案できればと考え、スタートしたのが『KOREC』です。

3. 韓国人採用を行う上での課題

韓国に限らずですが、グローバル人材領域は、過去に大手HR企業も進出してはいるものの、撤退したケースも多くうまく進んでいないんですよね。なぜか?の答えを考察すると、日本企業×日本人学生は、言語も文化も歴史も一緒で、日本での働き方も当たり前のように理解しているので、人と企業が出会ってマッチングすれば内定、採用に進むわけですが、同じように外国人学生のデータベースから日本企業とオンラインでマッチングをしたり紹介をしたら決まるかというとそれは全く違うということ。例えば韓国ってどんな文化で、どんな働き方がスタンダードで、どんな採用プロセスが当たり前なのか、そこを企業側が理解しないと認識齟齬や不安が生じ採用に踏み切れないし、また学生側も日本企業についてもっと理解を深め、日本での働き方を受け入れる準備がなければうまくいかない。お互いが理解し合ったときにはじめて内定承諾が生まれ、就職後の定着にもつながるのだと思います。前述の、うまくいかなかったHR企業は双方の教育ができていなかったのではないかと。日本人と同じようにひとりの求職者として扱っていることが多く、学生は日本企業との面接の仕方がわかっていなかったり、企業側も学生側の文化を理解せず臨んでいるケースが多かったのではないかと推測します。この仮説に基づいて、『KOREC』はソウルと釜山に日本就職スクールを構え、そこで韓国学生、日本企業の相互理解を促進するフォロー体制を整えています。企業人事担当の方には、『KOREC』のカスタマーサクセス担当コンシェルジュが、韓国採用の懸念に対するアドバイスや、人としての採用の本質を見抜く選考について提案しています。こういった取り組みの成果がこの1年で成功事例として蓄積されています。

人材領域スペシャリストの迅速な支援により大手顧客の開拓に成功。『スタコネ』利用で事業成長を加速

4.『スタコネ』を利用したきっかけ、期待したことは?

『スタコネ』に登録する目的として、事業パートナーとなり得るような、人材業界に知見がある方とつながり仲間をつくるということに主眼をおいていました。サポーター会員の方は、ご自身で事業を成され、人材領域に理解のある方もたくさん居られると聞いていたからです。結果的に、自身の人脈にいなかった方、かつ人材業界に知見のある方とつながることができましたし、出資意向もいただいております。

※スタコネはスタートアップの企業情報を提供するのみであり、投資の勧誘・媒介を行うものではありません。

5.『スタコネ』を利用した印象は?

スピードや対応が早かったのが印象的です。特に、登録してからマッチングのスピード感が早く感心しました。『スタコネ』のサポーターの方はスタートアップ支援に関心が高い方が多く、ご自身が経営者として事業運営しつつ、スタートアップ経営者の人間性や事業の共感、将来性を感じて各分野のサポートいただいているんだろうな、という方が多かった。当社のようにビジョン型の会社からすると、その感覚がありがたかったです。

ピッチを行ったすべてのみなさんに、当社の考える事業の意義や将来性に共感いただけました。例えば、これから日本は少子化が更に進むよね、残念ながらIT人材が2030年には70万人不足するよね、インバウンドも年間2,000万人が8,000万人くらいまで増えると言われているし、グローバル化が進むほど英語含め海外言語の需要が大きくなるよね、など、差し迫った採用課題を危惧する方は多くいらっしゃって。その中で日本の人材は、まだまだ多言語を話せる方は多くないので、日本語、英語、ハングルを話せるトリリンガルでIT知識を備えた韓国学生の需要は高まっていくんじゃないかというところに共感してくれる方が多かったです。海外採用支援事業が、この時代のニーズを捉えていることは間違いなく、ピッチを行ったすべての方にビジョンに共感いただけました。


6.『スタコネ』を利用して得られた成果

今回『スタコネ』でつながった方から、既に大手顧客につながるご紹介を受けており、当社にとってインパクトの大きい商談機会が増えています。『スタコネ』サポーターの強力なバックアップにより、エンタープライズ企業へ販路を拡大するというかねてからの事業戦略が一気に進んでいます。

事業支援いただいたのは、一緒に人材業界でシナジーを創出していきたい、日本企業のグローバル化を支えていきたいという想いに共感いただいた方々です。『KOREC』の事業拡大に大きな手応えを感じています。

台湾拠点オープン予定。アジア諸国へマーケットを拡大し、日本のグローバル採用を後押し

7.『KOREC』今後の展望

日韓の架け橋になる事業をつくるという想いで『KOREC』をスタートしました。韓国では、ソウルに次ぎ、釜山に拠点を構えエリア展開しています。今年の内定承諾数は約150人。何人日本就職を成功させるかが、当社のKGIであり、倍々で増えていく事業計画を描いています。3年後、年間1,000名の内定承諾がとれれば、韓国のマーケットだけで約10億円の売上が見込めます。そして営業利益率が高い事業であることが事業性の強みでもあります。

日本企業にとって、日本語、英語+αが話せる優秀なトリリンガル人材のニーズは増す一方です。韓国での実績を基に、来年は台湾の拠点をオープンすることを計画しています。また進行中のプロジェクトとしては、日本国内の留学生にフォーカスしたサービスを作ること。日本に来ている留学生は日本が好きで、日本の文化を知りたくて日本に留学しているし、3年~4年日本の大学に通っていれば日本語もかなり上達しているんですよね。現状では留学生も日本の就活戦線に混ざってしまっているので、留学生向けにカスタマイズしたサービスを作りたいと思っています。

国内にいる留学生や日本・韓国のトリリンガルな人材の採用支援で成功事例を積みながら、更にその先の構想としては、ベトナム、インドネシアといったアジア諸国に横展開しマーケットを拡大していきたいと思っています。課題は、働き方も文化もかなり異なる国々であるということ、家族愛が強い国であれば、物理的な距離が採用後の定着率に影響するということ。オンラインで働ける環境は増えてきているものの、まだ日本企業は同じオフィスでコミュニケーションをとりながら就業してほしいという要望が強いので、そのバランスを見ながらどこまで展開できるか精査中です。

(2023.12.20 インタビュー)

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