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「令和の名プロデューサー」の予感ーAyase

音楽シーンはいつの時代も、アイドルと名プロデューサーを求めている。

そして、アイドルも名プロデューサーも、共に”ライバル”がいると、結構盛り上がるというものだ。

アイドルから振り返ると、昭和(後期)であれば中森明菜と山口百恵に松田聖子、平成であれば(グループになるが)モー娘。とAKB48にももクロ。

名プロデューサーを挙げると、昭和であれば、…って自分で切り出しておいて後悔しているのだが、あまりにも多過ぎるので引く。。。そもそも作詞家や作曲家とプロデューサーの境目はどこにあるのか問題、というのもあるのだが(あるのか?)、ここは開き直って個人的な趣味で言わせてもらおう。昭和は酒井政利と筒美京平(ときたら阿久悠と言いたくなる)。平成は坂本龍一、小室哲哉、小林武史、織田哲郎、伊秩弘将、つんく。そして昭和から平成をまたぐ形で秋元康、みたいな(はい、「他にも◯◯がいるよ!」「◯◯を抜かすのはけしからん!」のご指摘、ご叱責は謹んで承りますm(_ _)m)

とまぁ”ライバル”と言ってみたのだが、私みたいな性格の悪い人間が個人的にワクワクするのは、「割って入る感じ」である。例えば、坂本龍一は1952年生まれ、秋元康と小室哲哉は1958年生まれで、坂本龍一がちょっと年上。坂本龍一の所属するYMOが「RYDEEN」を発表したのが1980年、秋元康が作詞に関わった「おニャン子クラブ」の始動は1985年、小室哲哉の所属するTM NETWORKが「Get Wild」を発表したのが1987年(はい、この3名について「その前からキテたよ!」というご指摘、ご叱責は、謹んで…)。何が言いたいかというと、坂本龍一が勢いづいているところに、秋元康、小室哲哉が割って入るこの感じが、タマらんということである。

で、秋元康が今で言うとセミリタイアみたいなことをし、一方の小室哲哉は一大ファミリーを作り上げているところで、アイドル路線ではつんくが台頭。小室哲哉には小林武史、織田哲郎、伊秩弘将あたりが食ってかかっていく(あくまでも表現である)という、なんとも言えない流れが生じる訳である。そして、つんくが勢いづいたタイミングで、秋元康がAKBで逆襲していくあたりも、なかなかタマらん。なんなら、1990年代の音楽シーンはビジュアル系バンドも一気に流れ込んできたもんから、もう鼻息荒くなっていた(あくまでも表現、といいたいところだが、当時の私は実際に鼻息が荒かったように思う)。

で、音楽が素晴らしいのは、もちろん当時は「CD売上枚数」という割と絶対的な基準があった訳だが、聴く側は別に勝敗とかは気にしていなくて(アイドルには「どっち派」というのは少しあったんだろうが)、「今回のこの曲、いいわぁ!」ってなる訳で。極論、プロデューサーが誰であろうが、歌手が誰であろうが、やっぱり最後はいい歌が売れるーというか、時代に残る、というのが音楽シーンなのである。

で、Ayaseである。もう、ここ最近で急激に”プロデューサー”として音楽シーンに「割って入ってきている」感じが、タマらんのである。ほんの少し前まで「2020年代を代表するプロデューサーといえば米津玄師だよね〜」という感じ、「からのAyase〜!!!」みたいな(大丈夫なのか?伝わっているのか?)

最近話題の「アイドル」だが、Ayaseとの関係では、YOASOBI アリーナツアー”電光石火”のアンコールで披露された「アイドル」を紹介したい。この動画(是非とも部屋を暗くしてご覧ください)は、Ayaseの存在によって、映像作品としてのクオリティーが異様に高いものとなっている。Ayaseを中心にこの動画をみると、まずもって彼の煽りが最高である(え、Ayaseくん、こんなことするんだ…みたいな)。そして、スティック持ったらYOSHIKIに見えるし、シンセで一人だけ映るときはTM NETWORKの小室哲哉に、ikuraとの2ショットカットだとglobeの小室哲哉に見えるし、いや、そんな誰かに似ているとかもはや不要なくらいかっこいいというか、胸を熱くするものがあるのである(念のために記載しておくが、アンコールで、この歌を、このクオリティーで歌い切るikuraは、末恐ろしい)

冒頭に述べたとおり、音楽シーンはいつの時代も、アイドルと名プロデューサーを求めている。Ayaseが名プロデューサーとしての頭角を現し、ロサンゼルスでのコンサートも成功させるきっかけとなった曲が、奇しくも「アイドル」というタイトルだったということは、なかなかに燃える(この場合は”萌える”か?)現象ではないかーなんてことを思ったりするのだが、そんなことはどうでもいいのである。数年後には、「小室ファミリー」よろしく「Ayaseファミリー」を作っていたりして。Ayaseさん、破産だけは気を付けてください(余計なお世話だな)

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