電球の値段も知らない

先日、浴室の電気が突然消えた。
どうやら電球が寿命のようだ。

すぐに買いに行こうとしたのだが、
売っている場所が分からない。
電器屋へ、と思ったがわたしの住む街は電器屋不毛の地なのである。
ホームセンターもないのだ。
正確には電球のためだけに歩いて行くにはためらう程度の微妙に遠いところにしかない。
いつもだったら通勤の途中で買うのだがその予定はないし、わざわざ電車に乗るのも気が引ける。通販を待っている間も惜しい。

ダメ元で隣町の大型スーパーへ行く。
しばらく売り場をうろうろしてみたがやはり見当たらない。
現在地から電器屋で検索してみると、どうやら歩いて200mほどの場所に店があるらしい。

店の前ののぼりが色あせている。住居のような倉庫のようなスペースでなんとなくほこりっぽい。最新家電があるとも思えないし、電子マネーも対応していなければ特別価格が安いわけでもなさそうだ。
住宅街を歩いているとたまに見かけるタイプの失礼ながら誰が買いにくるんだろう?と思ってしまうような昔ながらの小さな電器屋に初めて足を踏み入れた。

壊れた電球を取り出してこれと同じものを、と頼むと170円ねと言いマダムが棚から取り出してくれた。これしかないのだろうから比較する余地もない。礼を言って店を出て、そういえばここに来るまで電球の値段を知らなかったことに気がついた。はい600円と言われてもそのまま払っていたと思う。

そのまま百均に寄ると同じ型の電球が売っていた。最初からここへ来たらよかった、と値段を見たら300円だった。

百均で電球を買えることも知らなかった。
結局電球の正確な値段もわからないままだ。

#日記 #エッセイ

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