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ひどい雨だった。フロントガラスに降りそそぐ雨粒たちは、空から一斉射撃をしてくるような激し…
「悪い知らせ」は日常の何気ない瞬間に降ってくる。実家がなくなる、という知らせがあったのが…
13年前に亡くなった父と再会した。夢の中で。 小腸の末期癌にはじまり、肺や胃に転移した。せ…
あの時、父の話を真剣に聞いていたら、彼のツラい闘病生活がなにか違った結末になったのではな…
友人とランチをする予定があった、ある日の午前。 口紅をつけすぎたのを電車内で気がつき、テ…
9歳のわたしは、エサを探すノラ猫のようだった。 どうやったら食べ物にありつけるだろう。ち…
下北にある矯正歯科医のもと、2度めの矯正を昨年末におえた。 3ヶ月に1度の検診後は、いつものように次回の予約をとる。12月をすすめられたが、年内にいく気力や体力は残っていなかった。1月上旬は正月気分に浸りたいので、1月15日に予約をした。 「1月15日」という数字をみて、脳内の目立たないところに押し込めていた記憶の蓋があいた。その日は多分、弟の誕生日だ。「多分」なのは、15日か16日かあやふやだから。そのあたりは確か誕生日だったはずだ、とは言える。 母親違いの弟とは、1
コンビニのレジに並んでいると、店員と立ち話をしているおじいちゃんや、おばあちゃんをみかけ…