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SixTONES「声」を聴いて② | あなたにこの愛を注いでいこう

 前回に引き続き、SixTONES 3rd AL「声」の感想を書いていきたい。今回は共通収録曲のうちの後半にあたる7~13曲目の話をしていこうと思う。もしお時間があればお付き合いくださると嬉しい。

 ちなみに、共通収録1~6曲目には以下の記事で触れている。


7. 人人人

 またSixTONESが新たな道を拓いたな、と思った。
 こういう系統の音楽はファンクといったか。SixTONESはいつも私が普段聴かないジャンルの曲に出会わせてくれる。これまでも様々なジャンルの音楽に挑んできたSixTONESだが、ファンクは今までになかったと記憶している。
 だがこの曲で驚いたのはそれだけではない。
 「全員がラップをしてる」のだ。
 SixTONESでラップといえば、やはり樹くんのイメージが強い。私はラップやヒップホップに明るくないので詳しいことは分からないのだが、ハイスキルなラッパーと評されているのも見かけたことがある。「S.I.X」など曲中のラップ調のパートを6人で歌い継ぐことはあっても、ここまで全体を通して全員でラップをしてるのは見たことがなかった。
 しかもまた歌詞がいい。明確にSixTONESのことを歌っていると提示されているわけではないのに、ここまでSixTONESを感じることもなかなかないだろう。
 ただし、この曲を書いたのは佐伯さん。それじゃあこの歌詞にも納得である。いつもありがとうございます.....(最高すぎて泣いている私の絵文字)
 ST、Your Best Dayに続いて今年もお世話になっているエイブルさんのCMソングでもある。
 とりあえずよすぎる。本当によすぎる。全人類に聴いてほしい。YouTubeのPLAYLISTなんて最強の音源が物足りなくなるほど異次元にかっこいい。


8.Risky

 この曲を一言で形容するなら「快楽に堕ちていく男」になるだろうか。サウンドとメロディ構成にはなんとなくハロウィン感とボカロ曲っぽさを感じた。
 女に堕ちていく男の様が歌われていて、ちょっと際どい感じの歌詞もある。サビの“Risky”では(厳密には2音節だが日本語読みをして)リィ・イs・キィと遊園地のジェットコースターかフリーフォールのように急上昇、急降下を繰り返す。そしてリィ・イs・キィの“キィ”で吐息になるのが半端なく色っぽい(しかもとんでもなく様になっている)。さらにこのパートが1番、2番、大サビで6人全員分あるのはもう確信犯か。

9.Chillin' with you

 SixTONESのアルバムではもはや恒例とも言えるチル曲枠だ。「Coffee&Cream」や「8am」、「Takes Two」あたりが好きな人は絶対好きな曲調だと思う。発売前にラジオか何かで慎太郎くんが“好き”と言っていたが、音源解禁後に聴いて納得である。
 上で過去曲を3曲挙げたが、私がいちばん近いと思うのはCoffee&Creamだ。このChillin' with youは、Coffee&Creamの“チルしよう all day long”の雰囲気に思える。
 こちらも“人人人”同様YouTubeにPLAYLIST ver.が投稿されているが、これがまた本当にいい。PLAYLISTの魅力の最大の魅力ともいえよう“生歌”が、今回の目玉でもある“生バンド”が、ここまで活きようとは。ちなみに私が特に好きなのは、CD音源よりも鮮明に聴こえるドラムの音である。


10.SUBWAY DREAMS

 弾むように明るくて楽しげな曲調は、SixTONESには少しめずらしいかもしれない。そんなこの曲はジェシーくん、北斗くんが出演するECCジュニアのCMソングでもある。
 タイトル通り、“SUBWAY”=地下鉄 を思わせる歌詞が散りばめられているが、私はこの曲を“明るくて元気なOrdinary Hero”だと思った。
 Ordinary Heroは前作「CITY」に収録されている曲だが、実ははじめ、私にはこの曲がしっくりきていなかった。しかし、聴きこんでいくうちに涙が出てくるほど私に刺さる曲へと変わっていった。“Work so hard day and night 十分カッコいいじゃない”となんてことない普通の、ありきたりな日常を“カッコいい”と肯定してくれるOrdinary Heroに対し、SUBWAY DREAMSはいくらか能動的で前向きだ。
 サビには“遅延もしちゃうけれど”、“各駅停車でいい”というフレーズもある。“遅延”や“各駅停車”は、時間がかかるし、場合によっては別の路線を使うことになって距離的にも最短コースからは外れてしまうかもしれない。しかし、それだって必ず目的地にはたどり着くことができる。
 また、“一歩ずつ downstairs 少しずつ dowmstairs 地下鉄の向かい風にもdon't lose”という歌詞には、地下鉄のホームへ続く階段を少しずつ下っていくいくにつれて強く吹く風は、“主人公が立ち向かっていく困難”のようにも思える。 きっと聴きこんでいくにつれて大切さが増していく曲だと思う。


11. PARTY PEOPLE

 昨夏突然新曲としてYouTubeに投下された「PARTY PEOPLE」。liSTening PARTYもありどうしてもこの曲は昨夏のイメージが染みついていて離れないが、季節なんて関係ない。私はこの曲を先日の雪の中でも聴いた。
 この曲がストチューブ(SixTONESのYouTube)MV歴代最速で1000万回再生を達成したように、この曲には“私たちが観たかった・聴きたかったSixTONES”が詰まっている。とにかく楽しい。聴いていて楽しい曲は好きだ。もちろんしっとり聴かせるバラードも、仕組みを読み解いて構造を理解したくなるような曲も好きに決まっているが、楽しい曲には敵わない気がする。YouTubeにあがっているMVはフル音源なのでもし聴いたことがない方がいたら再生してみてほしい。MVになると楽しさ増し増しである。これを聴いたなら、あなたも私もPARTY PEOPLEだ。


12. わたし

 SixTONESの7枚目シングルとして昨年6月に発売された「わたし」。北斗くん出演ドラマ「恋なんて本気でやってどうするの?」の挿入歌でもあった。曲中に何度も登場する“ありえない”のフレーズが印象的なバラードだ。“恋”を“不確かなもの”として遠ざけようとするものの抗えない様が歌われている。
 (歌詞とはいえ)彼らが“わたし”、“あなた”を使っているのも、このような曲調の歌が表題になるのも新鮮だった。
 この曲をアルバムで聴いて思ったのは、この位置に“わたし”があるのは大正解だということ。別にここまででだれていた訳ではないが、この曲で流れが一気にぐっと引き締まる感覚がある。
 ちなみに、大サビ前の“ありえない”を聴くと私は未だにANNでの樹くんの“あぁりえなぁ〜い”がよぎる。


13. Always

 Lifetime、Everlastingに続く出光興産さんのCMソングだが、その2曲よりもいくらかライトで微笑みかけるような雰囲気の曲だと感じた。例えるなら、Lifetimeが満月の夜、Everlastingは朝日がきらめく頃、そしてAlwaysが雨上がりの晴れやかな空のような(出光さんのCMに引っ張られすぎである)。ミュージックソンのSixTONESANN枠内では発売前にも関わらず生歌で披露されたのも感動的だった。
 2番が始まってすぐ、樹くんのパートで“マジックアワーのように美しく”というフレーズがある。私は“マジックアワー”を知らなかったため先日Googleで画像検索してみたところ、それはそれは綺麗な空の写真がたくさん出てきた。以来、私は定期的に検索して癒されているのでもし知らない方がいれば調べてみてほしい。
 この曲は共通収録曲の最後に位置しているため、次に流れてくる曲は各盤で異なる。そして次曲は三盤三様だが、そのどれにも気持ちよく繋がることができると思う。“特に”を選ぶなら初回Aだろうか。イントロからアウトロの最後の1秒まで美しさと優しさに包まれながら心が浄化されていくような曲である。


 以上13曲が全盤に共通収録されている。ここまで読んでくださった方には感謝したい。
 次回は各盤限定曲について書こうと思う。
 お時間があればお付き合いくださると嬉しい。

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