新たな誕生日に思うこと。
明日は誕生日だ。またひとつ歳を取る。
これまでの文章をお読みの方はうすうす気づいていることだろう。実は結構な歳である。少し前ならもう退職しているくらいの。
定年前に会社を辞めて、それからはいろんなところでいろんな働き方をしてきた。
幸いなことに、いまいるところはいつまででも勤めていいと言ってくれるし、札幌に移っても仕事の中身は変わらない。ありがたいことだ。
思えば、音楽の近くで働きたいという望みは形を変えながらもなんとか続けられている。
今後はもっと書くことだったり、もしかしたら教えることだったりに活路を見い出せるかもしれない。
新たな出会いに胸が膨らむ。そしてこれは、樺太の小学校の校長先生をしていた祖父への回帰なんだということに気づく。
新しく住む琴似という場所が、屯田兵が最初に入植した町というのも僕にとってはなんだか象徴的だ。
最初から焦らないこと。それを自分に言い聞かせる。
風を見ながら、自分が歩いていくべき道を見極める。そんな始まりにしたいと思っている。
誕生日に聴くべき音楽はなんだろう。
クラシックに目覚めるきっかけとなった「月光ソナタ」のメヌエットを、マライ・ペライアのピアノで聴いてみるのもいい。
あるいは、金曜日に聴きに行くことにした「マタイ受難曲」を、コンサートと同じバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏で聴くのもいい。
それとも、ジャズの街・琴似に敬意を込めて、ビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビイ」で決めてみようか。
明日の朝の日差しの感触で、選ぶことにしよう。
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