浅ましい？風景

　私は現在鉄道を使って仕事に通っている。よって駅を必然的に使用しなければならないが、そこでは上下の移動は車椅子ではエレベーターを使わなければならない。
　この日も電車を駅員の介助で降り、エレベーターに向かった。そこでは十人くらいの人々と私以外の車椅子を押していた駅員とがエレベーターを待っていた。
　エレベーターの扉が開くと同時に待っていた健常者らしき十人が我先に乗り込んでいった。その姿は車椅子より先に乗り込むぞといったある種浅ましさ、醜さを見た気がした。
　エレベーターの横にはこのエレベーターは身体の不自由な方優先です、御協力お願いしますといった張り紙があった。
　車椅子を押していた駅員もその方々に声をかけるでも無くボーッとしていた。
　そのエレベーターを送った後流石にないだろうと思いその駅員についつい言ってしまった。あの張り紙は嘘か?じゃなければその車椅子の方先に乗せてあげるのが筋なんじゃないの？職員も守んない張り紙なら剥がせば?と。
　その職員、はっきりしない態度をし続けていたのでダメだこりゃと思ってしまった。再びエレベーターが来たのでその職員と車椅子の方が乗り込んだので2台乗るのは無理と踏んでそのエレベーターを見送り、次に来たエレベーターで改札に向かった。
　しかし、エレベーターを待ってる車椅子ユーザーを尻目に乗り込むのは良い度胸をしてるよな、考えてんだろ?と思わずにはいられなかった。
　そういえばまだ元気に仕事していた頃同じ時間の電車に乗ってくる電動車椅子の方がおられたのだが、その方は凄かった。エレベーターの前で乗り込もうとしていた人々に車椅子で、文字通り蹴散らしながらエレベーターに乗り込んでいた。今の私には到底真似できないことだった。
　この日は朝飯食いそびれるしで、朝から微妙な気分になった。

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