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友だち作りは科学


 『友だち作りの科学』(The Science of Making Friends:Elizabeth A. Laugeson著)は、UCLAのセッションに様々理由で足を運べない(教室までの距離や、保護者のお仕事などで)場合に、家庭でそのスキルを学ぶことができるようにと、PEERSの概要がわかりやすく書かれている保護者向け書籍です。中学生くらい以上であれば、本人も読むことができる内容にもなっているので、親子で、あるいは子どもがセルフサポートのテキストにすることも可能でしょう。

 友だちの作りの方法は、数学や科学のようにステップを踏んで学ぶことができるという考え方は、多くの人を魅了するようです。実は、友だちを作るのは苦手だと感じている人は少なくありません。保護者からも、子どもは友達がいなくて寂しそうなのだけど、親としてどう教えていいのかわからないという声もよく聞きます。友達作りのスキルは、天性のように生まれ持ったものではなく、ルールやステップを学べば身につくというのが、この本の根底にある考え方です。それなら、自分にもできそうだと思いませんか?

 ここで扱われているスキルは、思春期を対象として構成されていますが、実際には長い人生の中でずっと使っていけるものがほとんどです。学校の先生や専門家の方を対象にプログラムを紹介するセミナーをすると「このスキルを、もっと前から知っていたら」と言われることがよくあります。そう話されるときは、支援しているお子さんのことでなく、ご自身のこととして考えられていることが多いです。幾つになっても、誰にとっても、友だちを作り、良い関係を維持していくことについて、時に悩むことがありますね。

 私たちのグループでは、この本をプログラムが終わってから保護者が購入されることがよくあります。プログラムで学んだことを復習したいので、と。中には本を枕元に置いて、何か気になることがあったらルールやステップを思い出せるようにしている、と話してくれたお子さんもいました。お母さんが「お守りみたいなものですね!」と話されたことが印象に残っています。
 


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