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週刊少年ジャンプを買わずに、最新話の話題で盛り上がって恥ずかしくはないか?

 週刊少年ジャンプと共に歩んできた人生だったと言っても過言ではないだろう。小学生だった頃、“トリコ”の連載が始まったタイミングでジャンプを買い始めた記憶がある。その頃から考えると、およそ13年間くらいはジャンピストとしてキャリアを積んでいることになる。いたいけな小学生だった俺は、毎週月曜日に250円を握りしめて書店へ自転車を走らせ、ジャンプを買った。晴れの日も雨の日も、祝日月曜以外は欠かさずジャンプを買っていたわけである。

 大切な事は全てジャンプから学んだ。友情・努力・勝利だけではない。“NARUTO”から韻の結び方を学び、“家庭教師ヒットマンREBORN!”からはマフィアの心構えを学び、“To LOVEる -とらぶる-”から性の喜びを学んだ。週刊少年ジャンプがあったからこそ今の、正義感に溢れ、イタズラっ気があるがどこか憎めず、やる時はやる、ちょっぴりエッチな俺がいる。

 あれから月日は流れ、俺ももう社会人になった。何歳になったって、俺は週刊少年ジャンプの購読を欠かさない。いつまでも少年のパワフルで、希望に満ちた気持ちを忘れたくない。俺がジャンプの購読を辞めるのは、死にくたばった時である。

 近年では更に盛り上がりを加速させているジャンプ漫画。“鬼滅の刃”が社会現象レベルのブームを巻き起こして以降、“呪術廻戦”のアニメ化が追いかけるように大成功し、現在は“チェンソーマン”のアニメ化が控えている。令和ジャンプの勢いは留まる事を知らない。まさに黄金時代だと俺は思っている。

 しかしインターネットの普及したこの時代、週刊少年ジャンプ界には、忌々しい恥知らず野郎が蔓延っている。

ジャンプの最新号を違法サイトで読む人間である。

 大学に入学して以降、俺はジャンプの最新号、話題作の最新話を違法サイトで読む人間をしこたま見てきた。小学生の頃から欠かさずジャンプを購入してきた俺からすると、それは信じられない事だった。良い作品に、これから良くなるかもしれない作品に金銭という対価を支払わないという所業。そんな人間がどれだけ漫画を語ろうが、ジャンプに対する愛を1ミリも感じ取ることが出来なかった。

 ジャンピストには2種類の人間がいると思っていた。週間少年ジャンプを購読し、リアルタイムで物語を楽しむ人間。3ヶ月に一度出る待望の単行本を買って、物語に追いつく人間。

 まさか何の金も払わずに、最新のストーリーを語る腐れ外道がいるなんて考えた事もなかった。

 思い返してもみれば、小学生の頃。俺に限らず周りの少年達は、なけなしのお小遣いを握りしめて、ジャンプを手に入れていた。なけなしの少ないお小遣いで、である。

 経済的に余裕がある年齢で、ジャンプを購入しなくなる訳が全く理解できない。恥ずかしくはないのか?子どもにだって出来る事が出来ない犯罪者だ。インペルダウンにぶち込め。

 そして俺は常に、ジャンプ違法サイト読者に対して言う。最新話を読みたいならばジャンプを購入しろ、と。

 これに対して、奴らの返答は一辺倒である。

「ワンピース以外に読む漫画がない。」
「鬼滅の刃以外に読む漫画がない。」
「ヒロアカ以外に読む漫画がない。」

 想像力が相当欠けてしまっているらしい。お前が大好きなその漫画も、「かつて誰も知らなかった1つの新連載」なのである。ワンピースが1話からここまでの人気作品だったと思っているのか?鬼滅の刃が1話から社会現象を巻き起こしたわけではない。

「読む漫画がない」

 いや、何かを勘違いしているんじゃないだろうか。『「読む漫画」に進化する漫画』が、今も連載を開始し続けているのだ。誰だって初めはルーキーである。それを名作に育てるのは、週刊少年ジャンプを購入している人間なのである。

 そしてもう1つ。あなたは週刊誌のネタバレを許せるだろうか?教室で今週のジャンプの話をする事、SNSで最新話の感想を投稿すること。

 不快に思う人間もいるのではないだろうか。配慮が足りないと、ネタバレをするなと思っている人間も多いのではないだろうか。

 俺はそうは思わない。大好きな漫画の担当編集者がこう発言しているのを見たことがある。

 「最新話について語るのは、ジャンプ購読者の特権だ。」と。

 その通りだと思う。俺はジャンプを読むのが大好きだが、それ以上に、今週のジャンプの感動を友達と共有するのが好きなのである。憂鬱な月曜日、ジャンプという希望の光を共有することに意味があるのである。

 もちろん、ネタバレが嫌だと人間がいることだって承知はしているから、過度に感動を薄めるような発言はしないようにしている。それでも毎週、誰かとジャンプを語りたいのである。

だがしかし、ジャンプ違法サイト読者。お前らにその権利は一切ない。

 ジャンプに金を出さない人間が、無垢な単行本派にネタバレしていい理由がどこにあるだろうか?なぜ違法読者が、購読者と同じ立場でジャンプを語れると勘違いしているのだろうか?恥を知るべきである。自分がしている行為の愚かさを、客観的に考えてみるべきである。

 話題作の最新話が気になる気持ちはよくわかる。違法サイトでジャンプを読む前に少し立ち止まって欲しい。ジャンプは今日も、少年の心を奮い立たせている。汚い大人になりたくなかったら、少しでも漫画に対する愛があるならば、週刊少年ジャンプを買ってみてはどうだろう。今までの愚行をジャンプは責めない。待ち受けているのは、君の300円で成長し続ける連載漫画たちだ。

サポートして頂いた暁には、あなたの事を思いながら眠りにつきます。