三越前

今日は乗り換え練習のために三越前までベビーカーで行った。
履き潰したローファーに1400円の靴下、
ユニクロの変な丈のスキニーにチャオパニックのオレンジのブラウス、
自分で使った大ぶりのイヤリングにいつもより高いカラーマスク。
私の今できる精一杯のおしゃれ。

結果死にたくなった。

駅に着いたのが12:50くらいで地上に出るとランチ帰りのサラリーマンやOLがわさわさいた。
みんな綺麗でかっこよくて自信に満ち溢れていた。
すれ違う全ての人が手入れの行き届いた身なりに見えた。
おしゃれな服を着て、素敵なお店でランチをして、しっかりとお給料がもらえる仕事に戻るのだろう。

私がなりたかった大人たちがそこにはいた。

小さな頃から自分は
東京に出てバリバリ働くおしゃれなお姉さん
になるものだと思っていた。
とても憧れだった。
何がきっかけだったわけでもなく、物心ついた時にはそう思っていた。
しかし歳が上がるにつれ自分が人よりもおしゃれなわけでもかわいいわけでもないと気づく。
その見た目への努力も中途半端にしかできないこともわかってきていた。
さらに学生時代のつまづきにより、新卒で働き始める道も絶たれた。
人に言ってわかるような会社でOLとして働くことはまず難しくなった。
頑張ればいくらでも道は拓けるのだろう。
でもその頑張りができるのも一握りの人間だと思う。

私は今劣等感の塊だ。

私はユニクロの4千円のパンツが3千円になった時しか買えない。
でも今日三越前で見た女性たちは3万円のパンツを履いていただろう。5万円のワンピースかもしれない。
10万円のコートに、20万のバッグ、30万の時計。
お金じゃないことくらいわかっている。
でも私はそういうお姉さんたちに憧れたのだ。
素敵なものを身につけた自信に満ち溢れた女性になりたかった。
そしてなれなかった。

せめて今日はストレッチだけでもして寝よう。
きっとあの女性たちの自信だって、公私共に弛まぬ努力のもとに成り立っているのだろう。
できることからコツコツと。
腐ることなく朗らかに生きていきたい。
そしていつか小さな頃の私が思い描いた素敵な女性に少しでも近づければと思う。

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