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子ども嫌いが保育士資格を取ったわけ

「先生は、幼稚園の先生とか、保育園の先生の資格を持っているんですか?」
子育てサロンで働き始めた私が何度も聞かれた質問です。

保育士の資格は、専門学校や大学・短大で所定の単位を取れば卒業時に自動的にもらえるというものがオーソドックスですが、実は試験一発でも取れます(大卒の場合)。私はこれで数年前に取得しました。

試験一発の場合の受験資格については、つるの剛士さんの話題が記憶に新しいですね。公式サイトでも自分の学歴を選択すると受験資格があるかどうか、判別してくれます。

私は大学に進学をする際、あまり目的意識がなかったためか、勉強が思うように進んでいませんでした。
そんなときに母が「幼稚園の先生とか、保育士とか、向いていると思うけど」と言ってくれたことがあるのです。
でも当時の私は「えー子ども嫌いだし」と言ってよく考えず全面拒否したことだけは覚えています。結局、大学では全然違う分野を学んでいます。

というのも、ティーンエイジャーの私は電車や公共施設で騒ぐ子どものことが大嫌いだったのです。
私「うるさいなー」
母「そんなこと言わないの」
というやり取りをすること数十回(数百回?)…。とても子どもを相手にする仕事なんて考えられませんでした。

しかし、たまたま同級生よりも早く結婚して、早く出産をすることになりました。一連の流れを相談できるような友人はいません。みんなからは仕事にやりがいを感じているという話ばかりが聞こえてきます。
その頃は夫の転勤先で 知り合いもいない生活だったので、子育てについては自分でネットや本、雑誌で勉強し、地域の集まりに出かけ、なかなか孤独な戦いでした。つらくて、うつ病の薬を飲んだり、ひとりで泣いたりしていました。

そのうちに友人もでき、相談する相手を持つこともでき、充実した子育てライフを送る運びになったわけですが、その後、私のような悩める母を助けてあげたいと思うようになりました。
その頃にはたまたま地元に転居していたこともあり、下の子が幼稚園に入ったときに ひとまず持っていた教員免許で児童館の職員となりました。配属先では自ら希望して館内で行われている子育てサロンで働きながら、保育士の資格を取得しました。

なので「保育士を持っているってことは、子どもが好きなんですか?」という質問には 無条件で「はい!」と答えられる訳ではありません。
もちろん、私自身に子どももいますし、心身ともに成長していますから、ティーンの時のように「子どもきらーい」という訳ではないのですが、どちらかといえば一人で頑張っているお母さんの助けになりたいと思って保育士の資格を取ったというのが大きなところです。

「転勤してきて何もわからず、とりあえず役所で勧められるままに来てみました。」
「夜、子どもが寝なくって…毎日来てもいいですか?」
「友人はもう子育ての大変な時期は過ぎていて…今さら相談するのも…」
子育てサロンの毎日は、そんなお母さんたちとお話をして過ごした穏やかな日々でした。
後ろ髪をひかれる思いでしたが、私自身が夫の転勤で次の土地へ移ることとなり、1年ほど前に退職しました。

みんな、元気かな。
育休が明けた方、幼稚園に入園したおともだち、子育てサロンから巣立った母子のみなさんが、笑顔でいてくれたらいいなと思っています。
私もまた、子育て支援のお仕事があったらやってみたいと思っています。

記事を読んでいただき、ありがとうございます。