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はじめに 『ヤンキーは絶滅してしまったのかーさとり世代に現れたヤンキーたちー』

はじめに

私は、生まれも育ちも東京の足立区という、23区のうち最も治安が悪い地区で生活し、生きてきましたが、ドラマや漫画の中で描かれているヤンキーという人たちに出会ったことが一度もありません。自己紹介で、「足立区出身です」と言えば必ずと言っていいほど、治安が悪いんでしょ? じゃあ昔はヤンキーだったの? 街を歩いていると、カツアゲされたり、喧嘩売られたりしないの? と、聞かれますがそんな経験一度もしたことはありません。

しかし“ヤンキー”に会ったことはないと言いましたが、私の学生生活にも、たいていの人と同じように“ヤンキー風”のクラスメートがいたことは事実です。彼らは大人たちや、彼らを見た目だけで判断していた人たちから“ヤンキー”と呼ばれていましたが、私がドラマや漫画、映画の中で見聞きしているものとは程遠い存在ばかりでした。

たしかに、見た目は“ヤンキー”的な、多少の威圧感があり、校則違反をしていたりしましが、彼らにガンを飛ばされることはありませんでしたし、喧嘩を売られることもありませんでした。ましてや、彼らはそろいも揃って人間として良い奴ばかりで、優しい人が多かったように記憶しています。

身なりや好む文化は、私たちが想像するヤンキーの範囲のものですが、彼らが常に歩きタバコをしながらガンを飛ばして、街ゆく人に喧嘩を売ったり、夜の校舎を徘徊して窓ガラスを割ってまわったり、ましてや盗んだバイクで走り出したなんて話を聞いたことは、一度だってありません。

私たちがドラマや漫画で見るような”ヤンキー”と、クラスメートにいた”ヤンキー風”の彼らが全く別物のように思われて仕方がないのです。だとしたら一見”ヤンキー風”な彼らはなんだったのか? そんな疑問が私に芽生えました。そもそも現代におけるヤンキーとは何を指してるのか、そして、その存在は今も生き続けているのかを知るために、現代におけるヤンキー文化を紐解いてみようと思います。


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