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2023年TDL、STL数年ぶりの売り手へ

 ゴールドシュミット、アレナドを擁し、若手外野手も粒揃い、先発ローテも支配力はないものの、ソリッドな投手を揃え、ロスター全体がまさに堅実で大勝ちはしないがプレーオフは堅いというカージナルスらしい布陣で臨みましたが、投手陣がイマイチで前半戦を大きく負け越してしまいました。得失点差やWARを見ると負け過ぎな感は否めませんが、逆に言えば今夏売り手に回れば来季以降、改めて勝負できるロスターだと思います。

〇先発投手

 ジョーダン・モンゴメリー(残り半年) 放出可能性:A
 NYY時代から安定してローテを守る計算しやすい先発投手。FAまで2ヶ月という短い期間を考慮すると、モンゴメリーのように支配力はないが、最低限の水準が高い投手はリスクが小さく、スタッツ以上に評価されそうです。想定見返りは、TOP100クラスのプロスペクト1人+1~2人。2017年デッドラインTEXによるダルビッシュ有放出、2018年デッドラインTORによるJ.A.ハップ放出と同程度を想定。

 ジャック・フラハティ(残り半年) 放出可能性:A
 過去数年評価は高いものの、耐久性に疑問の残る投手。想定見返りは、傘下TOP30クラスのプロスペクト2~3人。2017年デッドラインMINによるハイメ・ガルシア放出と同程度を想定。

〇リリーフ投手

 クリス・ストラットン(残り半年) 放出可能性:A
 リリーフ転向して今季はキャリアハイペース。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。2021年デッドラインCHCによるアンドリュー・チェイフィン放出と同程度を想定。

 ジョーダン・ヒックス(残り半年) 放出可能性:A
 平均球速100mphを超えるザ・ハードスロワー。スペックの割に成績は平凡です。想定見返りは、傘下TOP30内1人を含む1~2人です。2021年デッドラインCHCによるアンドリュー・チェイフィン放出と同程度を想定。

〇野手

 ポール・デヨング(残り半年+1年チームオプション) 放出可能性:A
 守備が自慢のショートストップ。今季は打撃も好調なので需要はありそうです。想定見返りは、傘下TOP20クラス1~2人+さらに1~2人の2~3人です。2021年デッドラインMINによるネルソン・クルーズ放出と同程度を想定。

 トミー・エドマン(残り2年半) 放出可能性:B
 どこでも守れて打撃もフロアーが確保されたユーティリティ。メイソン・ウィンのプロモートのために放出するとの報道もあるので可能性はそれなりに高いと思います。想定見返りは、傘下TOP10内1人を含む2~3人程度です。2018年デッドラインBALによるジョナサン・スコープ放出と同程度を想定。

 ディラン・カールソン(残り4年半) 放出可能性:B
 ラーズ・ヌートバー (残り5年半) 放出可能性:B
 MLBデビュー後、ソリッドで今後の成長も期待される若手外野手2人。コントローラブルな若手投手とのトレードが成立すればいずれか1人がパッケージになる可能性がありそうです。トレード相手の保有年数によってパブロ・ロペス+2人とルイス・アラエスのトレードのような調整が入る形をイメージしています。

 ポール・ゴールドシュミット(残り1年半) 放出可能性:E
 言わずと知れたシルバースラッガー賞を何度も受賞しているスラッガー。2024年の勝負に向けて残す公算の方が大きいと考えましたが、既にトレードはしないとの報道が出ています。想定見返りは、全体TOP100内2人を含む4~5人程度です。2016年デッドラインMILによるジョナサン・ルクロイ放出時のルクロイがCLEへのトレードを断らなかった場合にもらえたであろうパッケージと同程度を想定。

 ノーラン・アレナド(残り4年半) 放出可能性:E
 サード守備に華があるスラッガー。今年は守備指標が悪くバリューを一気に落としています。2024年からCOLの年俸負担が減り、4年94Mと一気に跳ね上がるので放出する場合は、STLの年俸負担は避けられないでしょう。バウンスバックを期待する方が賢明で折り合わないと思います。なお、既にトレードはしないとの報道が出ています。想定見返りは、全体TOP100内1人を含む3~4人程度です。2017年オフMIAによるジャンカルロ・スタントン放出と同程度を想定。

〇総評

 2023年はブリッジイヤーと割り切ってレンタル選手を売り切れば来季以降、十分に勝負できると思います。翌シーズンへポイントはモンゴメリー、フラハティ2人の流出、ウェインライトの引退の可能性、マイコラスの衰え、マッツのリリーフ転向等、開幕ローテが軒並みいなくなるか、衰えを見せている点です。リベラトーレはMLBで苦しんでおり、グレースフォやマクリーディはAAAでリベラトーレほど支配力のある投球を見せていません。

 仮にカールソン、ヌートバー、エドマンらをトレードに出すのであれば、MINがパブロ・ロペスを獲得したようなトレードを行うべきでしょう。もっとも、コントローラブルな先発投手を獲得するトレードは2023年オフに行えばいいとも考えられるので今夏に行う必要は必ずしもないでしょう。

 一方、野手はゴールドシュミット、アレナド、コントレラスが及第点のスタッツを残し、ウォーカー、ゴーマンも将来性は間違いなさそうです。ドノバンは安定していますし、メイソン・ウィンもマイナーでスタッツを上げてきており、穴が少ない布陣だと思います。

 2023年シーズンをブリッジイヤーと割り切って淡々とレンタル選手を売れば自然と2024年にプレーオフを争えるチームになると思います。ペイロールが今年と同程度であれば、SFが行ったコブ、デスクラファニ、ウッドのような中堅どころをAAV15M以下で2~3年の契約で囲うだけの財力は保たれると思います。さらに上記のように若手外野手を売って先発投手を手に入れれば、先発ローテの課題も解決すると思います。

※画像はMLB公式

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