見出し画像

【MLB】ソト獲得のNYYはオーバーペイだったのか?

 ソトトレード動画アップ後に改めて考えたことを書きます。

 まず本動画はこちら↓

〇過去のトレードと比較したら普通では?

 現地と比較して日本でやたらにNYYのオーバーペイが叫ばれているように見えますが、かなりバイアスがかかっているように見えます。

 今回のトレードは2対5ですが、概ね以下のように分けて納得がいく程度のバリューだと思います。
※厳密には違うと思いますが目安です。

ソト(1年)

マイケル・キング(2年)
ドリュー・ソープ(6年)
ジョニー・ブリート(6年)

グリシャム(2年)

ランディ・バスケス(6年)
カイル・ヒガシオカ(1年)

 以下、過去の同種のトレード(FAまで残り1年の選手1人によるトレード)と比較しますが、バリューは全てトレード当時の評価等に準じており、結果的な成否は無視しています。たとえば、ゴールドシュミットのトレードは以下の通りですが、結果はどうあれ2019年当時の6年間コントロールできるケリーはさすがにキングより上だと思いますし、ウィーバーもソープより価値は上だったと思います。当時はhttps://www.baseballtradevalues.com/が無かったので、参考になる指標はないのですが、コンペティティブバランスラウンドBまで入っているのでトータルでキングの2年をはじめとしたパッケージよりも上なのではないかと思います。

ゴールドシュミット(1年)

カーソン・ケリー(6年)
ルーク・ウィーバー(5年)
アンドリュー・ヤング(6年)
コンペティティブバランスラウンドB(6年)

 ※リアルミュートは残り2年でのトレードでした。
 また、リアルミュートのトレードもシックスト・サンチェスが一番手で当時の彼は今回のキング以上の価値があったと思います。また、アルファロとソープももちろん前者の方が上だったでしょう。なお、実際のトレードに金銭は伴わず、むしろMIAが国際ボーナススロットを得ています。当時はオーバーペイに感じましたが、これと比較すると、キングの2年は大分物足りず、やはり妥当な見返りではないかと感じてしまいます。

〇ソトのトレードのバリューを確認

 一方、今回のソトのトレードはトレードバリューだと以下の通り、NYYが約23Mのオーバーペイとされるのですが、、、

 

(23.8+10.1)-(33.4+11.0+4.9+5.9+1.8)=▲23.1

 FAまで1年のベッツ+プライスのトレードを見ると、直接的にモデルで判定したツイートはないのですが、ベッツがLADにトレードされた2020年2月10日の2週間前の2020年1月25日の数値を参考として見ると、ベッツとプライスのバリューはマイナス5程度です。実際にはBOSからLADに金銭48Mが払われたのでバリューは43Mとみなせます。

 一方でベルデューゴとダウンズの当時の価値は以下の通りでウォンと合わせると約73のプラス。差し引き30程度のプラスです。

https://www.baseballtradevalues.com/trades?page=1&type=2&q=mookie+betts&posted=2020

 

(50.7-55.3+48)-(21.7+47.7+4.3)=▲30.3

 しかし、当時はLADのオーバーペイとは言われていなかったと思います。にもかかわらず、今回、NYYがオーバーペイと言われるのは、マイケル・ヤングが2年のコントロール期間しかないことと、ソープが同種のトレードの2番手(ウィーバー、アルファロ、ダウンズ)に劣るという点が見逃されているように見えます。また、トレードバリューの価値自体がプロスペクトを過大評価しているか、失敗するリスクを軽視しているようにも見えます。推測ですが、成功する一部のプロスペクトが大きなパフォーマンスを産み出すと思われるところ、バリュー換算では全体で単純平均しているために結果的に失敗したプロスペクトのMLB昇格前のバリューが過大評価されている可能性が高いのではないかと考えます。

 もちろん、トレードの見方はそれぞれなのですが、過去の同種のトレードとの比較、tradebalue.comの数値、いずれの面で見てもNYYがオーバーペイというのは違和感を覚えるところです。

 このように考えると現地メディアのNYYが巧くやったという論調の方が説得力があると思います。3年以上コントロールできる主力若手も傘下上位のプロスペクトもプロテクトできましたし、STLによるゴールドシュミット獲得やPHIによるリアルミュート獲得と同程度かそれ以下の痛みと言えるのではないでしょうか。

※画像はMLB公式


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?