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【MLBトレード】キケ・ヘルナンデスのLAD入り

 LADがBOSからキケ・ヘルナンデス(残り半年)、250万ドルを獲得しました。BOSはニック・ロバートソン(残り6年)、ジャスティン・ハーゲンマン(残り6年)を獲得。


〇ファーストインプレッション

 LADは対左に課題を抱える野手が多い中、キャリアで左投手に強いキケを出戻りさせましたが効果は疑問。BOSはWAR-1.4のレンタル選手の見返りに即戦力リリーバー2人を獲得と上々の出来だと思います。

〇LADサイド

 野手WARはリーグ2位ながら対左投手相手だとレギュラーの半数近くが打撃成績を落としており、対左投手で計算できる選手が必要だったと思われます。キケ・ヘルナンデスは今季こそ対左投手でwRC+76と落ち込んでいますが、通算だと118と高くそこに期待したのでしょう。また、守備のマイナスもキャリアであまり守っていない遊撃をほぼフルタイムでこなした影響と考え、他ポジションで起用すれば問題ないと判断したものと思われます。守備の低調が打撃に悪影響を及ぼしていたのであれば、打撃復調も期待できるかもしれません。

〇BOSサイド

 今季を諦めはしないが中長期的な戦力整備も見据えたトレードだと思います。BOSから見るとプレーオフ争いの戦力とはなりえず、今オフにFAのレンタル選手はトレードできなければDFA候補だったでしょう。レンタルどころか、このまま8月を迎えればDFA間違いなしの選手で即戦力リリーバーを2人獲得できたのは巧い立ち回りと言えるでしょう。2人ともすぐにアクティブ・ロスター入りしてブルペンで試されるのではないかと推測します。

 ロバートソンは94-95mphレンジの最速98mphとリリーフとして平均以上の球速を有し、チェンジアップも武器としています。ハーゲンソンは92-94mphと右投手にしては遅く、目立つ変化球もないながら、多彩な球種をストライクゾーンに集め打ち取る技巧派リリーフです。いずれもプロスペクトとしての評価はそれほどではないものの、フロアーが確立されて即戦力という点で引き続きコンテンダーとして戦うBOSにフィットすると思います。

〇総評

 BOSがかなり一方的に得している印象です。獲得したリリーバーはスペック面ではそれほどではないものの、すぐにMLBで使えるレベルまで来ており、フロアーも確立されている印象です。プロスペクトとしての評価以上に実践的には使い勝手がよさそうですし、ダメだったとしも元々DFA候補だったキケの見返りと考えれば、それほど惜しくはないでしょう。半面、LADは出した選手が惜しくないにしても対左相手でもスタッツを残せないキケの獲得はそれ自体がロスターの無駄遣いのように感じてしまいます。

※画像はMLB公式


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