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【MLBトレード】ポール・シーウォルドのARI入り

 ARIがSEAからポール・シーウォルド(残り1年半)を獲得しました。SEAはジョシュ・ロハス(残り3年半)、ドミニク・キャンゾーン(残り5年半)、ライアン・ブリス(6年)を獲得。


〇ファーストインプレッション

 リリーフ陣に苦しむARIがコントローラブルでソリッドなリリーフを獲得。一方、SEAは余り気味のリリーフを放出してコントローラブルなMLB選手をメインに獲得。中期的視点でのトレードとなりましたが、見返りはやや小さい印象。

〇ARIサイド

 チェイフィン(8月1日にトレード放出)、マクガフ、カストロと9回を任せたリリーフがことごとく炎上。クローザーを任せる投手の補強が喫緊の課題だったところ、余剰戦力を活用して巧く課題を解決したように見えます。シーウォルドはカッター気味のフォーシームと大きなスライダーを武器に三振を量産するクローザーです。真っ赤なPercentile Rankingsは見ていて惚れ惚れします。SEA移籍以降の3年で三振率が高く、ハードヒットレートが低い状態が続いており、安定してクローザーロールを務められそうです。

〇SEAサイド

 今季プレーオフ進出が難しい中、リリーフの発掘が巧いことを活かして保有期間の長いMLB選手にスイッチできました。ロハスは今季こそ不調ですが、昨年まではソリッドな打撃成績を残していました。とはいえ、xwOBAは数年前から継続的に振るわないので現状の打撃成績が内容に見合った水準なのかもしれません。

 一方、キャンゾーンはマイナーで好成績を残しており、上手くいけばミッチ・ハニガーのように開花すると思います。三振率が低く、ハードヒットレート、バレル率も高いという点は非常に期待できそうです。MLB昇格後もxwOBAは.353と中軸クラスのスタッツです。彼を伸ばすことがこのトレードの成否のカギを握ると言っていいと思います。

 ブリスは今季AAで跳ねたプロスペクトでAAA以降は苦しんでいます。まだ好調なシーズンが今年だけなのでまだ信頼できないと思います。見返りの3番手なので当たれば大きそうというタイプを選んだという意味では、ロハス、キャンゾーンといい組み合わせだと思います。

〇総評

 ARIは課題のクローザー問題を解決できそうです。シーウォルドのスタッツはクローザーの中でもかなり上位なので、ある意味でヘイダー級のクローザーを得たと言っていいと思います。そういう意味では、SEAが受け取った見返りに物足りなさを感じますが、キャンゾーンを開花させられれば十分にお釣りがくると思いますし、その可能性は低くないと思います。

※画像はMLB公式


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