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【MLBトレード】エドゥアルド・エスコバーのLAA入り

 LAAがNYMからエドゥアルド・エスコバー(残り半年+1年チームオプション)とエスコバーの残り年俸の大半に相当する金銭を獲得しました。NYMはコールマン・クロウ(残り6年)、ランドン・マルソー(残り6年)を獲得。

〇ファーストインプレッション

 久々のプレーオフ進出が見えつつある半面、ジオ・アーシェラが今季絶望となり、アンソニー・レンドンやザック・ネトも離脱して内野が薄いLAAが即応しました。NYMはプレーオフが無理そうなシーズンは即時撤退という賢明な判断。NYMファンには朗報と言えそうなトランザクションです。

〇LAAサイド

 内野がどうしても薄いのですぐにレギュラーとして起用できる内野手を獲得するという意図は頷けます。また、獲得したエスコバー自身、最初の約二週間こそOPS.300台に落ち込んでいたものの、4月14日以降はOPS.885と好調を維持しており、打線の底上げという点でもプラスが大きいと言えるでしょう。

 一方、放出した投手2人はいずれもAAで先発ローテとしてソリッドなスタッツを残しています。ファームシステムに余裕のあるチームであればまだしもLAAがレンタル選手に差し出すレベルのプロスペクトには見えません。ワイルドカードを確実に勝ち取れるほどの補強とも言えませんし、何となく低い可能性のために少なくないアセットを費やしたという印象が拭えません。

〇NYMサイド

 シャーザー、バーランダー、リンドーア等をはじめとしたペイロール最高球団ですが、売り手に回りました。一見チーム作りの失敗に見えますが、個人的には贅沢なブリッジイヤーと位置付けたシーズンが巧くいかなかっただけという認識です。別記事でも取り上げたいと思いますが、端的に言えばロックされているペイロールは3年後には激減しますし、そこを発射台に30球団最高ペイロールまでの財政余力があると考えれば、今季は売り手に回るのが賢明です。むしろ、賢明なフロントと邪魔しないオーナーを象徴するトレードと言えます。

 獲得した2投手はいずれもAAで先発投手を務めており、残り半年のエスコバーの見返りとしては大きいものだと思います。コマンドのいいマルソーがファストボールを向上させられれば化けそうなところ、ハードスロワーの育成が得意なNYM移籍はいい契機になると思います。

〇総評

 LAAは軒並内野手が離脱している中でベストエフォートな選択をしたと思います。とはいえレギュラーの穴を埋めただけで上積みにはなっていないのでプレーオフ進出に向けデッドラインでさらなる補強が必要でしょう。NYMはFAまでの年数が少ない選手を売るという方針を明確にしたのであれば懸命な動きだと思います。売り手に徹するか注目したいと思います。

※画像はMLB公式


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