見出し画像

【MLBトレード】ランス・リンとジョー・ケリーのLAD入り

 LADがCWSからランス・リン(残り半年+1年チームオプション)、ジョー・ケリー(残り半年+1年チームオプション)を獲得しました。CWSはトレイス・トンプソン(残り2年半)、ニック・ナストリーニ(残り6年)、ジョーダン・レジャー(残り6年)を獲得。

〇ファーストインプレッション

 LADは若手が多いスターターに実績あるベテランを加え、防御率が振るわないリリーフ陣も補強できました。CWSはケリーを付けたとはいえ、6点台のランス・リンで大きな見返りを得られました。


〇LADサイド

 シンダーガードの不調、ダスティン・メイの離脱が重なり、先発ローテを埋めるのにボビー・ミラー、マイケル・グローブ、エメット・シーハンの若手3人に想定以上の負担をかけていましたが、ランス・リンの獲得で軽減されそうです。リンは防御率こそ6点台ですが、xERAは4点台半ばなので、バウンスバックを期待するのはおかしなことではないでしょう。何よりローテを一度も外れず、平均投球回も5.2イニングスと耐久性、イニング消化能力の高さは十分です。若手が多いLADローテには「巧い投手」よりも「強い投手」が必要であると考えれば、非常にフィットする補強だったと言えます。

 また、リリーフ陣に目を転じると、LADのリリーフ陣はfWARこそ高いものの、防御率は30球団19位、WARも一部の投手の高パフォーマンスが引き上げており、枚数不足でした。ケリーも防御率は悪いものの、相変わらず奪三振率が高く、内容は防御率ほど悪くはありません。出戻りを機にパフォーマンスが戻る可能性もあるでしょう。

 放出したプロスペクトのメインであるナストリーは他のチームであれば傘下TOP5以内に入るであろうトッププロスペクト。ファームが厚いLADだからこそ放出できたと言えそうです。他チームが出すには、厳しいレベルのプロスペクトを提示し、争奪戦を勝ち抜いたことが想像されるパッケージです。

〇CWSサイド

 引き続きブリッジイヤームーブ。とにかく高く売り抜けたというのが結論でしょう。ナストリーは93-96mphレンジのファストボールにスライダーとチェンジアップが武器の右腕。制球の改善が課題とされるものの、ローテ3~4番手レベルは見込めるポテンシャルとされます。レジャーは95-98mphのファストボールが武器のパワーリリーバー。こちらも来年にはMLBで見られそうです。

 トレイス・トンプソンはオマケ的な印象ですが、今季開幕で3本塁打した以外ではあまり活躍した感じがありません。絶不調な時期もmlb.tvで開幕3本塁打の動画が流れていたのが哀愁を誘っていました。ただ、2022年シーズンは好調でしたし、FAまで2年半あるのでどこかで跳ねれば大きいでしょう。

〇総評

 LADがファームの層の厚さを見せつけるパッケージで弱点をしっかり補強しました。ランス・リン、ジョー・ケリーいずれも2024年のチームオプションがあるので、移籍後のパフォーマンス次第では行使も検討に値するのではないでしょうか。特にケリーは行使の公算は小さくないでしょう。CWSは売り手市場の中で大きな見返りを手にしました。例年であれば2ヶ月だけで6M超のサラリーが残るランス・リンの対価はもっと小さかったでしょう。

※画像はMLB公式




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?