見出し画像

【MLBトレード】デビッド・ペラルタのTB入り

 TBがARIからデビッド・ペラルタ(残り半年)を獲得しました。ARIはクリスチャン・セルダ(残り6年)を獲得。

〇ファーストインプレッション

 怪我人の増加により得点力が低迷し、4年連続プレーオフ進出に黄色信号が灯っているTBが右投手に強い左打者の獲得である程度のテコ入れに成功したと思います。ARIはレンタルとはいえ、ルーキーリーグの捕手1人というのは見返りが小さすぎる印象です。

〇TBサイド

 ワンダー・フランコはじめ、野手のけが人が多く、特に右投手相手に得点力の低迷が著しく、左のパワーバットの補強が急務でした。デビッド・ペラルタはソリッドではあるものの、それほど爆発力が無いというタイプなのでどこまでアップグレードになるかは分かりませんが、見返りがルーキーリーグの捕手1人なので編成上のリスクが非常に小さい点はよかったと思います。

 成績面では、右投手相手に好調の開始期である5月2日以降の成績を見ると、スラッシュラインが、.287/.340/.536/.876でxwOBA.346、平均打球速度90.9 mphと右投手に弱いTB打線の助けになりそうです。加えて、95mph以上の投球に対してwOBA.460と非常に強い点も心強いところです。1500万ドル近いコストを掛けて極東の国から獲得した某左打者とは大違いです。

画像1

〇ARIサイド

 ペラルタを残す理由は無いので、放出は当然のことなのですが、見返りは小さかった印象です。レンタルとはいえ今季のペラルタのfWARはデッドライン前の段階で1.4と、先日KCからNYYにトレードされたベニンテンディ2.1の三分の二はありました。一方、見返りはベニンテンディが傘下TOP30内2人を含む3人だったのに対し、ペラルタは傘下TOP30外のルーキーリーガー1人となりました。

 クリスチャン・セルダという選手は知らなかったのですが、アメリカ生まれドミニカ育ちの19歳で2019年にインターナショナルFAでTBに加入したようです。DSLながら今季は高スタッツです。ただ、FGのプロスペクトランキングでTBは59人リストされていますが、そこから枠外で、かつランク外の次点選手リストにもいなかったのでARIのスカウトが相当ほれ込んだということでしょうか?

〇総評

 TBファンとしては打てる左打者を安く獲得できたのでいい動きだったと思います。見返りを見る限り、トレード単体で見ても負けはないでしょう。

 ARIはレンタルで獲得できるマイナー選手の中から最もシーリングが高いと思われる選手を獲得したということかもしれません。リーグ平均レベルのベテランレンタル選手で獲得できる見返りに限りがある中、ある意味で合理的な選択と言えそうです。

 また、今夏のトレード市場の特徴として、プレーオフ進出球団が6球団になったことで大物選手の対価が大きくなっています。ただ、買い手が出せる見返りの総量は変わらないので、大物に大きな見返りを投入するということは、たとえ買い手の数が少なくなろうと、サテライト的な選手の見返りはむしろ減少してしまうということを今回のトレードが示したように見えます。カスティーヨ、ベニンテンディ、ペラルタの見返り格差が例年以上に大きい印象ですが、そうした状況こそ今デッドラインの特徴だと思います。

※画像はMLB公式


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?