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【MLBトレード】フアン・ソトをトレードで獲得すべきか?

 今夏のデッドラインはフアン・ソトがどこにトレードされるかが一番の注目になっています。スーパースターなのは当然のことながら、19歳からレギュラーを務めていることもあり、FAまで残り2年半に迫っている状況下でまだ23歳と若い年齢が魅力です。

 そんなソトの価値がどれだけ高いか、baseballtradevalues.comのシミュレーターの事例を見ると、ソト単体では多大な見返りが必要なことが分かります。

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※引用:https://www.baseballtradevalues.com/

〇ソト獲得の妥当性

 baseballtradevalues.comが示す価値が妥当であるかは議論の余地がありますが、一定の基準にはなると思います。そのうえで2年半のソトにこれだけの見返りを出すのは理に適っているのでしょうか?

 結論から言えば、baseballtradevalues.comのシミュレーターで均衡するレベルであれば買い手が圧倒的に有利だと思われます。大きくは2つの理由があります。

 一つ目の理由としては、ロスター1つでソトほどのバリューを出せる若手やプロスペクトはパッケージに含まれない可能性が高いということです。プロスペクトは毎年TOP100の選手が1時点で常に100人いて、入れ替わりも含めれば3年で200人以上はいると考えられます。さらにこれをTOP10くらいに絞っても3年で20人程度はいるはずです。一方、ソトは10年単位で見て数人のレベルなので買い手が圧倒的に有利です。ソトの見返りで複数のメジャーリーガーが生まれたとしても、ロスター3枠でソト1人分のWARしか稼げなければ編成上はソト+平均レベルの選手2人に劣ります。

 二つ目の理由としては、大物のトレードは大抵買い手が勝っているということです。例えば野手で言えば、ベッツ、ゴールドシュミット、ミゲル・カブレラらは買い手の圧倒的勝利です。また、投手についても「Teams Rarely Receive Equal Value When Trading An Ace」という記事にある表を参照すると、基本的にはエース投手を獲得した側が勝っています。さらに同記事にはありませんが、クリス・セールのトレードも当時プロスペクトランキングで全体2位だったモンカダ込みのパッケージで獲得したBOSが勝っています。

 また、これらの事例で重要な点として、チームとしても売った側が再建に成功しているわけではなく、買った側が出した出血の多さから、その後低迷したわけでもないということが挙げられます。

 以上を踏まえると、仮にトレードが成立して贔屓のファームシステムが痛んでも悲観することは一切ないと思います。むしろ、数年後には過去の自分が、贔屓の若手やプロスペクトを過大評価していたことに思いを致すことになるかもしれません。

〇個人的にはSEAに獲得してほしい

 SEAは30球団で最もプレーオフから離れている一方、2014年に1ゲーム差、2016年に3ゲーム差、昨年2021年にも2ゲーム差でプレーオフを逃しています。特に2014年はデッドラインでプライス獲得に乗り出していたものの撤退。ウォーカー、パクストン、ズニーノらを守った結果、わずか1ゲーム差でプレーオフを逃しました。

 個人的にTBファンだったので当時はSEAから誰が得られるか楽しみにしつつも、SEAファンが彼らを出すことに反対する気持ちも理解できました。しかし、結果的に守られた選手たちのその後を見ると、結果論ではありますが、プライスを獲得した方がよかったと今では思います。今季はワイルドカード争いに加わっており、デッドラインでソトを獲得できればプレーオフ進出は間違いないでしょう。

 今回のソト獲得の見返りとして挙がっている若手やプロスペクトには、正直2014年当時のズニーノほどのプレミアムな選手はいないと思います。SSはクロフォードとエクステンションしたので、ノエルビ・マルテやエドウィン・アローヨに拘る必要は無いと思います。

 若手野手を見てもフリオ・ロドリゲスをプロテクトするのは当然として、停滞気味のケルニックは出してもいいと思います。若手投手もギルバートは無理でもハンコックやカービーはパッケージに加えられるのではないでしょうか。2人とも素晴らしい才能を持っていると思いますが、8年前のウォーカーほどのインパクトは感じません。

 なお、上記のような話は他のチームに置き換えても同じで個人的にTBなんかは以下のパッケージであればソトを獲得すべきだと思っています。LADのメイやラックス、ペイジ、SDのエイブラムスやハッセルなどもソトの前には惜しくない見返りではないでしょうか。

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 かなり一方的な見方にはなりましたが、大抵買い手側が大損するトレードはエースや一線級の野手を獲得した場合ではなく、主戦レベルの選手に大きな見返りを払った場合です。WARで言うと3.0~4.0レベルの選手です。イートンやアーチャー、キンタナ、古くはSEAで毎度ネタになるエリク・ベダードといった選手たちです。

 ソトはそれらの選手よりもツーランクくらい上です。したがって、見返りはトレード時点で出しすぎと言われたとしても大怪我をしない限り、買い手側が有利となる公算が大きいと思います。また、中期的にも若手やプロスペクトの枯渇でチームが低迷する可能性もそこまで高くないと思われます。

※画像はMLB公式


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