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【MLBトレード】ルーカス・ジオリト、レイナルド・ロペスのLAA入り

 LAAがCWSからルーカス・ジオリト(残り半年)、レイナルド・ロペス(残り半年)を獲得しました。CWSはエドガー・クエロ(残り6年)、カイ・ブッシュ(残り6年)を獲得。


〇ファーストインプレッション

 LAAは大谷放出せずの報道がなされた数時間後にオールインのトレード。補強ポジションは理に適っています。CWSはレンタル選手2人で来季にも戦力になりそうな選手を獲得できたので上々でしょう。

〇LAAサイド

 大谷放出の噂が燻っていたところ、直近7試合6勝1敗とワイルドカードを獲得できそうな位置まで上がってきました。ちょうど大谷の放出は無いという報道から数時間後にこのトレードは発表されたことから、大谷がFAとなる前に勝負を賭ける方針に舵を切ったということでしょう。現状、LAAはローテーションが5人まで固まっていますが、二刀流の大谷を含んだ6人ローテを敷いているので一角にジオリトを加えるのはデッドライン補強としては理に適った動きです。また、弱いリリーフ陣にも手を入れることができました。

 また、放出したプロスペクトをみれば、クエロは捕手であるため、オーハッピーにブロックされており、スタータープロスペクトのブッシュもローテが若手投手で埋まっている状況下では必要性はそれほど高くないので戦力面での痛手は少ないように見えます。特にブッシュは今季のパフォーマンスでバリューを大きく落としていたと思われるので現状のランキングほどの価値は感じません。

〇CWSサイド

 ディラン・シーズ、ルイス・ロバート、アンドリュー・ボーン、エロイ・ヒメネス以外の4人はアンタッチャブルではないというスタンスを貫き、レンタル選手をしっかり売り切りました。

 クエロは来年には戦力になりそうですし、グランダルの契約も終わるのでピッタリのトレードになったのではないでしょうか。三振と同程度に四球を稼げるうえに三振率は低く広角に打てるので高BABIPが見込める打力を有しています。カイ・ブッシュは92-95mphのファストボールに80mph後半のスライダーとスペックは悪くないので、上手く育成できれば来年MLBで試す価値は十分にあると思います。

〇総評

 LAAはオールインとなりました。クエロの価値を考慮すると、リリーバーをもう一人くらい獲得できてもよかった気はしますが、レンタルとはいえジオリトクラスであればTOP100レベルのプロスペクトは相場なので、それほど損なトレードでもないと思います。

 ただ、8月の対戦相手はほとんどがコンテンダーで彼らがTDLの補強でさらに戦力を増す公算が大きい点を考慮すると、今季売りに回らなかった方針が吉と出るようには見えません。クエロをトレードするにしても、昨年保有期間の長いマーシュを放出し、オーハッピーを獲得したように他ポジションで保有権の長い若い選手にスイッチする方が賢明だったように感じます。

 CWSはコアの戦力を維持しながらレンタル選手を売り、しかもグランダルとの契約が終わる状況下で見返りがMLBに近い捕手プロスペクトということでこれ以上にないトレードになったのではないでしょうか。来年以降も再建というよりは今季がブリッジイヤーで来年再びプレーオフ争いでもおかしくないと言っていいほどの立ち回りだったと思います。

※画像はMLB公式


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