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バンコクの洪水ファイター

今回も、洪水関連の記事で恐縮です。

バンコク都の洪水。
もはや年中行事であり、雨季、特に8月から10月にかけては、洪水時の対応をどうするか考えながら生活しなければなりません。

私のような一介の駐在員でも、「今日は退勤時に大雨になりそうだから、この仕事は自宅に持ち帰ることにして、30分早めに退勤しよう」とか、「昨晩からの大雨で、まだ道路が冠水している。今日は出勤を1時間遅らせよう」と毎日考えながら、生活しています。逆に、豪雨と洪水で自宅に帰れず、止む無く事務所に泊まったことも一度ならずあります。
※社用車がありますが、洪水時の大渋滞を思えば、運転する気になりません。あ、ちなみに私には専従運転手はいません。

私の場合、担当業務の9割以上が在宅勤務で対応可能なので、こんなぜいたくができます。しかしタイ人の多くは、通勤にしろ通学にしろ、あるいは自営業にしても、豪雨により長時間の雨宿りを余儀なくされたり、あるいは収入が減ってしまうことがありましょう。ほんとうにお気の毒です。

バンコクには、洪水ファイターがいます。正確には、下水道清掃業者ですが、彼らの活躍が、バンコクの洪水被害を軽減しています。

ここ数日、道路の冠水が特にひどい、バンコクのスクンヴィット通りソイ39付近。

他の地域と比較して、水の引きがあきらかに悪いため、バンコク都が業者に依頼し、降雨の合間に清掃作業を行いました。すると…。排水溝から出てきたのは、大きな脂の塊。他にもビニールの固まりなどがあり、こんなものが排水溝にいくつもあったら、水の流れが悪くなって当たり前です。

いやぁ、こういう洪水ファイターのおかげさまで排水効率が改善し、バンコクの洪水被害が軽減されているんですね。住民の一人として、ほんとうに頭が下がります。

それにしても、この汚れ。生活排水…いやひょっとしたら、周囲のレストランが調理で使用済の油を違法に廃棄しているのかも知れません。

洪水対策は、政府、都庁ほか、さまざまなレベルで取り組みがなされています。洪水が起きると、私たちはどうしても行政に対して大きな不満を抱きますが、行政だって何もしていないわけではありません。もちろん、大切なのは「効率的に取り組んでいるか否か」ということでしょうから、そこは市民が行政をしっかり監視しなければなりません。でも、行政を一方的に非難したところで、問題解決にはほど遠いわけです。

「行政の効率性」をしっかりチェックすることは大切。

それと同時に、バンコクに住んでいる私たちも、タバコを下水に投げ捨てるのを止めたり、使用済みビニール袋が飛んで行ってしまうのを防ぐなど、身近なところでできることに取り組む姿勢が同様に大切だと思います。こういう社会教育が、学校や職場レベルで取り組まれ、排水処理能力向上につながっていけばいいのですが。

塵も積もれば山となる。

そうしてできた山(塊)が下水の排水効率を妨げるのであれば、バンコク都民一人ひとりが塵を減らして水を流す、という努力を心がけることが、強く求められているのではないでしょうか。

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