デスゲーム いん いんぐりっしゅ

薄暗い部屋で、俺たちはモニターを見ていた。白い仮面の人物が何か喋っている。

俺を含めた部屋にいる人達は、険しい顔、緊張した顔でモニターを食い入るように見ている。肌の色とか、服とか、年とかはバラバラ。銀色の首輪だけ、共通していた。

周りが、チラチラ人のことを気にし始める。よくある奴。人を蹴落とさなければ生き残れない、しかし全く協力しなくても死んでしまう。疑心暗鬼。カメラか何かを通して見ている奴の思い通りだろう。

仮面の人物が説明を締めくくり、映像が途切れた。モニターの砂嵐が不安を煽る。部屋に三つあるドアが一斉に開いた。部屋から出る人はいない。誰も、他の人の出方を見ている。

俺は、同じ境遇の人達とは別の種類の緊張を強いられていた。多分俺だけ、このデスゲームのルールを把握していない。何故なら。

俺は、英語が、分からない!


つづく!

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