FGO第二部六章が滅茶苦茶良かった話(ネタバレ多分ない)

 妖精郷!!

 これをFateの世界観で読めるのがものすごく嬉しい。人間にとってはあやふやで不思議なルールで構成された世界と、無邪気でユーモラスで残酷で怖ろしい妖精たち。神話とは毛色の違った神秘そのもののイングランド(?)を主人公らが旅する、というお話がすごく魅力的だった。

妖精の描かれ方が良かった

 まず妖精について。この章で登場する妖精は、力ある神秘、という形ではなく、お伽噺の妖精そのものとして描かれる。人間が相対的に無力だから、結果として世界の主役に押し上げられた存在。人間の創作性を愛し、無邪気に力を振るい、人間からは理解しがたいルールに従う、妖精郷の普通の住人達。妖精郷では人間が脇役になる。色んな種族の妖精が出てくるんだけど、ちょっとお伽噺やファンタジーを嗜んでいればすごく楽しいと思う。『~の氏族』というように、大まかな性質ごとに種族が分けられていて、獣、エルフ、ドワーフなどなど、それらしい妖精たちが登場する。(指輪物語より、ホビットの冒険っぽい感じ) 彼らは喋り方から生き方まで、はっきりと寓話や童話のキャラクター性を引き継いで登場する。主人公は妖精の愛らしい面、愉快な面、気まぐれな面、怖ろしい面と数々の『妖精らしさ』と直面するのだけど、翻弄されながらもいつも通り慣れていく。流石。自分はずっとワクワク、ゾクゾクしてた。ファンタジ~~!!

 あと、合間合間にお伽噺風の語りが入るんだけど、これが良い。お伽噺の危なっかしい、ひやひやするような展開を、軽妙でいたずらっぽい語り口で聞かされるんだけど、古い邦訳好きな人としてはすごく馴染みがあった。楽しい。

 章の始まりではその不可思議さが描写され、中盤からはその世界に生きている人々として主人公に認識されていく。徐々に妖精としての生活、という面が良く見えるようになっていく。妖精の神秘が失われるというより、住人達をより深く見るようになっていった、主人公が慣れた、ということだと思う。やっぱこいつの適応力すげえな。

アルトリア・キャスターが良かった

 PVにおもきし出てるからネタバレじゃないと思う。今回のお供枠。青セイバーとは全然違った。Fate stay/nightからの人は強くそう感じると思う。

 心に芯はあれども王の自覚は無く、自分が何かを為せると本気で信じてはいない。でも負けず嫌いだったりと、やっぱアルトリアだな、と思わせられるところもあり。二重の意味で、アルトリアのIfだった。

 キャラが本当に良くて。褒められるとすぐ照れて、キャパを超えると硬直する。良く勘違いして、そのたびに恥ずかしさでいっぱいになる。でも有事の際は危機感と冷静さ、現実的な視点を持って行動する。これがいい。『自分は何者か、何を為したいか』がはっきりと定まっていないところが、青セイバーとの一番大きな対比かも知れない。それを得ていくための旅なのだと思う。後半が楽しみ。

ストーリーが良かった

 基本的に第二部六章は彼女の巡礼の旅を中心にストーリーが展開していく。この過程がひどくクラシックというか。予言という大きな流れの中で、小さな冒険、出会いや別れを繰り返していく構図が、伝承や伝説っぽくてワクワクする。最初からラスボスとラスボスの倒し方が示されているRPGのような?

 あと、ファンタジックな要素が敷き詰められていて、話を読み進めるのがすごく楽しかった。例えば迷いの森、仲間外れの妖精、川に引きずり込む水魔、などなど。

後半

 多分、物語の進み具合から言って、前半より分厚くなるんじゃないかな? 文量的にも、ストーリー的にも。一気にやるとすごいボリュームになるから、まだ前半やってない人はちまちま進めておくことをお勧めする。

 前半は導入、世界観・キャラクター紹介といった雰囲気が強かった。後半からはハードな内容になるんじゃないか。楽しみ。

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