那須川天心vs江幡塁がRIZINで行われることに何も感じないのか?

大晦日RIZIN20のセミファイナルで那須川天心対江幡塁というキックボクシングファンからすると極上のカードが組まれました。

ただ、私はこのカードがRIZINで平気に組まれることに違和感を抱かずにいられません。

この二人はどちらも素晴らしいファイター、RIZINは素晴らしい舞台、大晦日に地上波で生中継される素晴らしい条件です。

しかし、このカードをここでやってしまって本当にいいのかとキックボクシング業界に問いたい。

元々この二人はKNOCKOUTでニアミスしています。

江幡塁のKNOCKOUT初参戦の時に解説席に座っていたのが那須川天心でした。

そしてその時から江幡塁は天心と戦いたいと言っていました。

それなのになぜKNOCKOUTあるいはRISEで実現できなかったのか?

このキック界では黄金のカードをすんなりMMAイベントのRIZINでやらせていいのか?

自分たちで実現しようと思えないのか?

キックボクシング関係者はしっかり考えたほうが良いと思います。

大晦日にRIZINで行われる時点でRIZINのための試合にしかなっていません。

Twitterを見てるとわかりますが、RIZINあるいはMMAのファンでキックボクシングの王者をしっかり把握している人はいません。

せいぜい武尊や天心とその周辺のファイターくらいしか興味はないように見えます。逆もまた然りでK-1やRISEなど立ち技が好きなファンで国内MMA団体(修斗、DEEP、パンクラス)のチャンピオンをどれだけ知っているでしょうか?

わたしは一人も知りません。もっと言えば今回ベラトールに参戦するMVPことマイケル”ヴェノム”ペイジすら知りませんでした。

それだけMMAとキックボクシングファンの間には壁があると言っていいです。

今回の試合のあとに江幡塁の主戦場である新日本キックを見に行くMMAファンが果たしてどれだけ増えるでしょうか?

多分ほとんど増えないと思います。

格闘技界を盛り上げると言うとなんでもOKとなってしまがちですが、そろそろMMAとキックボクシングの人気を一緒にしないほうがいいです。

会場に行けばわかりますがファン層も違います。

そして今回使用するグローブはまだ明らかになっていませんが、恐らくいつも通りRIZINの公式グルーブでしょう。

ここも良くない。せめて天心が主戦場としているRISEのグローブを着用するくらいターゲット伊藤代表は交渉したのでしょうか?

かつてK-1から武尊とhiroyaが参戦した時にはK-1のグローブを着用していました。

最近格闘技界の嫌われ者K-1を支持することが多くなっていますが、K-1はなんだかんだしっかりしていると今回の件からも思います。

1年半前ほどは資本力で抜けているという理由でKNOCKOUTに期待することもありましたが、現時点では中々難しいなと感じました。

そもそもKNOKOUT(ブシロード)はいいファイターを集めて置きながら簡単にシュートボクシングなどに参戦して不要な黒星をつけて帰ってくる選手あるいはその所属ジムに何も文句を言ってないのかすごい気になります。

ブシロードは資本力や運営会社の信用はこの業界でもトップだと思うので2020年はこの業界で嫌われる覚悟で良いものを作ってほしいと願います。

そしてRIZINが年末、地上波をチラつかせてもそこにNOあるいは何らかの条件をつけるだけの交渉力、意地を持ってもらいたいものです。

そうでなければK-1以外のキックボクシング業界の未来は暗いと思います。

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