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【雑学】聖書では水を飲まない


#紅茶のある風景 、で一つ書こう。
腐っても栄養士なので、多少は食品について詳しい。
けれど紅茶については疎い。ほとんど勉強してこなかった。

なぜならば栄養がないからだ。

と言うと紅茶を薬として崇め奉ってる人たちに怒られるかもしれないが、そもそも食べ物は薬じゃない。信用するのは炭水化物脂質タンパク質無機質ビタミンの五大栄養素+食物繊維、そこから外れたものはおまじない、ぐらいにしか思っていない。

にも関わらずなぜこのテーマチョイスなのかというと、数ヶ月前に面白い雑学を仕入れたからだ。決して賞金10万円に惹かれたわけではない。

なお、これらの出典は数ヶ月前に読んだ本であり、かなり曖昧な記憶に自論を加えて執筆している。こんなにも適当な記事がnoteにあるとは思わなかった。これがインターネッツの恐ろしさである。

出典のほとんどはこの本だ。多分。多分だよ。
「図解 食の歴史 F-Files」新紀元社
https://www.amazon.co.jp/dp/B077ZMTXJ3/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

多分ね。

さて、タイトルにワインを持ってきたのには理由がある。紅茶の本場、イギリス様と深く関係するのだ。
イギリスの宗教は、(色々あったが)基本的にキリスト教。ほんと、色々あったけど。
キリスト教の飲み物は大抵ワインだ。イエス様が「このワインはわたしの血である」と言って弟子に与えたり、とにかくワインを特別視してことあるごとにそればかり飲んでる。
別にイエス様が飲んだくれだったわけではない。その土地の水が関係している。

ヨーロッパのお水は、普通に飲むと下痢しちゃうんだよね。

と、いうか、これに関しては日本の水質が恵まれているだけなのかもしれない。
聞いたことは無いだろうか、日本の水は柔らかいと。水が柔らかいなんて詩的な表現されてもピンとこないが、ようは含まれているミネラルの量だ。
ヨーロッパはこれが多すぎて、お腹を下してしまう。

加えて、下水が発達したのなんざ世界的に見ても19世紀以降である、糞尿は川や海に垂れ流しの時代だ。その辺の水を飲み物として認識するなど狂気の沙汰だ、ペスト様の恐怖を忘れたか。
だから、ワインが飲まれたのだ。衛生的で栄養価が高く、発酵させているので腐らず長持ち。非常に合理的な飲み物である。
ただ一つ、酔ってしまうことを除けば。

わたしはこれを知ってかなり感動した。パイレーツオブカリビアンなどの中世ヨーロッパ映画で、いつも真っ先にワインが奪われていたのは、飲料水代わりだったからなのだ。
嗜好品ごときで泣き叫ぶなよ水飲めオッサンとか思ってごめん。死活問題だったんだね。

さて、紅茶の本場イギリスの話に戻ろう。
そんなこんなでイギリスでもメインドリンクはワインだったが、16世紀に紅茶が登場する。

紅茶──それは非常に画期的な飲み物だった。
何しろ、(アルコールじゃ無いから)酔わない!
(沸かしてるから) お腹を下さない!
魔法のような飲み物だ。というわけで、貴族階級をはじめとして爆発的に広がった。

そんな奇跡のドリンクを手に入れたイギリスである、そりゃあ紅茶のために麻薬もばらまくし戦争も起こすってなもんだ。
「紅茶が無ければ水を飲めばいいじゃない。なにを争うというの?
やっぱり戦争って些細なすれ違いから起こるのね……話せばわかったはずなのに」
アヘン戦争について習った中学時代、マリーアントワネットのごとくそう思った。
今ならわかる。ごく当たり前に紅茶のある風景の、なんと恵まれたことか。泣き叫ぶオッサンを否定した時もそうだったが、ぬるま湯のような現代に生きているからなんとでも言えたのだ。
けれど、教科書に書かれないだけで、当時には当時の苦しみがあり、戦争が起こるだけの理由がある。なにかを否定する前に、よくよく調べるべきだろう。

あ、聖書では水を飲まないって言い切っちゃったけど、すみからすみまで確かめたわけじゃないので、もし飲んでたらごめんなさいね。でもわたしの適当さを否定する前に、聖書を全ページよくよく調べるべきだと思います。

#紅茶のある風景 #雑学 #エッセイ #食文史

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