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私とスピッツ

スピッツの音楽が好きだ。ちゃんと聴き始めたのは5年くらい前だが、飽きるという言葉とは無縁だ。何なら曲を聴くたびに色んな一面が出てきて驚くほど。

〈チェリー〉、〈ロビンソン〉、〈空も飛べるはず〉辺りは昔からテレビで何となく耳にすることがあった。音楽の授業で〈ロビンソン〉の楽譜が配られたとき、歌詞を見て「何を言ってるの?」と思ったのは今でも覚えている。それまで爽やかな声の人だな〜としか思っていなかった(歌詞を認識していなかった)のが、どうやらただの爽やかバンドではなさそうだと気づいたのである。

高校生の頃、勉強するときに母親のコンポでよくラジオをかけていた。たしかFM802で、sumikaのボーカル片岡健太のミュージックフリークスという番組だったと思う。その番組でスピッツの〈猫になりたい〉が流れたのだ。記憶が正しければ、「ライブで愛媛に行ったとき、電車から海が見えて、その海がキラキラしていてなぜか泣きそうになった」みたいなことを片岡さんが言っていた気がする。全然違うかもしれないが。

それまでは、あくまでも勉強のお供として小さな音で流していたが、思わず手を止めて聴き入ってしまった。曲名を聞いてすぐにスマホで調べ、《花鳥風月》というアルバムに入っていることを知った。次の日学校の近くのTSUTAYAでベストアルバムと一緒に借り、ウォークマンで聴くようになった。(私はTSUTAYAで借りてウォークマンに取り込むという古のスタイルだった)

そこから少しずつ曲を聴くようになり、大学生になって初めて「見っけ」のライブに行き、これまたイメージを覆される。それは、「スピッツ全然大人しくない問題」だ(別に問題ではない)。生の草野マサムネの声とバンドの演奏はとんでもないインパクトで、爽やか・ほんわかという勝手な印象は消えた。正直いちばん驚いたのはドラムで、大阪城ホールのアリーナ席ほぼ最後列でも心臓に響くくらいの音だった。曲間のドラムソロや曲に入る前の演奏も力強くて、「スピッツってロックバンドなんだな」と思い知った。そして、この日から私の中で﨑山さんは「ニコニコしながらキレキレの音を出す人」となった。

かと思えばMCはゆるゆるで、オチなんてものは存在しないし、草野さんの気まぐれで話題が突然終わったり、さっきまでの勢いはどこへ?と幻でも見ていた気分になった。そんなこんなで、初のライブはいい意味で裏切りの連続だった。

今後は好きな曲についてnoteに書こうかなと思うけれど、曲の分析(特に歌詞)みたいなことは得意ではないし、あんまり興味もないので、ただ単にこの曲いいよね〜ということを書くことになるだろう(毒っ気があることとか、その辺は考えてみたい気もする)。

来週のロックロック楽しみ。