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426岸田新内閣の瀬踏み

岸田文雄さんが第100代の内閣総理大臣になることが、事実上確定した。国民のリーダーとして適格なのかどうか。その瀬踏みがさっそくされている。
日本海の好漁場である大和堆(やまとたい)はわが国のEEZ(排他的経済水域)にある。そこでミサイルの発射を含む軍事演習を実施するとロシアが通告してきた。国連海洋法条約では、他国のEEZ内での軍事演習には妥当な考慮を払うことを求めている。ロシアはこれに反していることは明白だ。日本海でミサイル発射をする意味は、原子力潜水艦などから日本に向けてミサイル攻撃をする意思があることの表明にほかならないだろう。
これに対して日本政府は「関心を持って注視するのだという」。いい加減にしてほしい。ミサイル攻撃を受けて逃げまどい、命を奪われるのはボクたち無名の国民だ。ロシアの演習の実態を積極的に国民に知らせ、どう対処すべきかと国民に問いかけるのが当たり前だろう。報道は「日本政府関係者への取材で分かった」というのだから、積極広報はなかったことをうかがわせる。知らされないうちにミサイルが飛んできていたでは済まされない。国民はおちおち寝ることもできないではないか。
岸田氏の得意は「人の意見をよく聞くことだそうだ」が、「周辺国の核ミサイルが東京に照準を合わせ、いつでも発射できる状態になっていることをどう思うか」と問いかけたことがあるのだろうか。
 同じく本日(2021.10.02)の新聞では、沖縄県石川市が尖閣諸島の老朽化した標柱を作り替えることを日本政府が禁止したと報じている。政府から石垣市への通告は9月28日だったという。与党自民党総裁選の前日で、その意図は見え見え。
 現在も標柱は建っているが、昭和44年の設置で古くなっているし、地名変更があったことから、作り変えは当然のことだ。また標柱は全国津々浦々の国民からの寄付金で作られている(第392回)。
島への上陸禁止の理由を政府は「総合的に勘案した結果」としている。勘案事項が何であるのか。マダム・セクレタリーというアメリカのテレビドラマで、アジアの某国の政治家が中国の工作員から秘密資金との交換で島の領有権を渡そうとし、自国民の眼を欺くものがあった。その政治家は、買収が暴かれる寸前まで中国との経済交流で絶大な人気があった。
石垣市では「新政権になっても方針を改めないなら、市は独自に上陸することを検討すべき」との声が上がっているという。密約で領土を明け渡すなどもってのほか。地元民だけでなく、全国民が憤激している。岸田さんは「声をしっかりと聞くのが政治家としての自身の長所」と言っている。石垣市に足を運んで尖閣を視察し、そのうえで地元民の声を聞いて内閣としての方針を出し直すべきだ。

日本政府はNATO(No Action Talk Only)というのが周辺諸国の評価。日本は何もしないのだからと侮られている。
地元市が標柱を付け替えようといい、全国から寄付金が集まる。そうした民意を尊重するのが民主主義。石垣市職員の上陸を巡視船で護衛するのが新政権発足早々の仕事になることを祈る。
また大和堆での軍事演習をロシアが強行するならば、対抗上オホーツク海での自衛隊演習をするのが手始めのロシアへの回答であろう。

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