消滅した職業、残った職業
未来の事は、誰にも分かりません。一方で、歴史に学ぶことは、未来を推測するのに役立つと聞きます。
数年来、「AIの発達で今ある職業の多くが消滅する」と言われていました。そこに、この世の中の大きな変化です。時代の先端を見ている人によれば、15年位かけてゆっくり変化していきそうだったものが、一気に前倒しになっているそうです。
そんな中、職業の歴史を調べてみれば、この先、どんな仕事が消えていきそうで、どんな仕事が残っていきそうか考察できるのではと思い立ちました。
廃れた職業の特徴
・技術革新で不要になる
棒屋という職人がいて、鋤や鍬等の柄を、用途や使かう人に合わせて、材質やサイズを決めて作り直していたそうです。現代なら、何がこのような職業に当てはまるでしょうか?
・インフラが整備されて不要になる
高速道路の延伸で、日帰りで行ける所が増えて、消えた職業がありました。
・法律の変更
これは盲点だなと思いました。国家によって、一気に、強制的に消滅させられてしまいます。
面白いところでは、遊里が禁止されて、ちり紙の需要が激減して、紙漉が廃業に追い込まれたそうです。
・社会が豊かになって需要が減る
これから日本が沈んでいったら、また復活する仕事があるかもしれません。
・工業化によって専門職である必要がなくなる
サイコロ職人なんて人がいました。その他、鍛冶屋もこのグループでしょう
無くなりそうな職業
以上のことから、個人的に無くなりそうではと思い付いたものです。
・駐車違反キップ係
その昔、街路灯火付け係というのがありました。自動運転タクシーの普及で、自家用車に乗る人が減ったら不要になる気がしました。元々、歴史の浅い職業ですし。
・修理業
昔は色々な物の専門修理業がありました。
・調度品の専門職
工業製品の普及で、家具職人の出番はこの先も少なくなるのではないでしょうか。
残っているもの
・目利きを必要とする仕事
・芸術等の表現者
・シェアエコノミーに関する仕事
・文房具(もしかしたらIT化で減るかも)
・人形
人形は、いつの時代も子供の遊び道具でした。手作りの物は厳しいでしょうが、セレクトショップならありかもと思いました。
・ペットショップ
これも子供関連。特に鳥・虫は、江戸の子供にも人気でした。
・楽器(ニッチではありますが)
・床屋
江戸の長髪の髪結いから、明治になって散髪へと変化はありますが、髪が延びなくはならないので、続きそうです。
・化粧品販売(ただし、店舗とは限らないかもしれません)
・仲介業(金融、問屋、代理店、職業斡旋等)
職業斡旋は、戦後、職安登場で衰退したそうです。それにしては、なぜ今、沢山あるのでしょうか??
・弔いの仕事
その昔、ヨーロッパでは、死者が出たことを通報するだけの職業だったそうで、そこから葬儀社になるのに200年ほど掛かっています。
・娯楽
いつの時代もありますが、流行り廃りで、変遷が激しいものです。
・鍵作り
・革職人
・香水作り
・運輸
形は変われこそ、人や物の移動は無くならないようです。日本の公共交通は、コロナ禍で厳しい状況ですが、ヨーロッパのように税金で運行しているところは影響ないとのことで、制度の問題とのことです。
・左官
今のところ、綺麗に塗るのは職人技が必要そうです。ただ、ラジオで、適当に塗っても風合い良くできる材料が登場したと聞きました。突然需要が無くなったりして。
・庭師
・酒、食事の提供
今、飲食は厳しい時ですが、酒屋が、小売りからイートイン(そのまま居る酒屋→居酒屋)へと変化したように、形を変えて残っていくのではないでしょうか。
・製薬
・建築
意外に細く長く続いているもの
・占い
・マナー伝授
・アロマ
・刃物
参考
『イラストで見る昭和の仕事図鑑』
『パリ職業づくし―中世~近世の庶民生活誌』
『江戸の仕事図鑑』上下巻
(品川図書館の司書の方に、色々本を探していただきました。ありがとうございました)
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