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富に至る平凡な道はどこにあるのか


富に至る平凡な道はどこにあるのか

節約派 vs 収入アップ派の戦い

節約派は「出来る限り支出を切り詰めるべきだ」といい、収入アップ派は「出来る限り収入を増やすべきだ」といいます。節約派によれば毎日のコーヒー代は避けるべきもので、反対に、収入アップ派は細かい支出は気にせず、追加の収入を得ることの方がはるかに大切だという具合です。
たしかに貯金は収入から支出を差し引いたものですから、収入を増やしても、支出を減らしても、貯金は増えます。しかし、どちらがより効果的なのでしょうか

節約が貯金を増やすのには現実的な選択肢でない場合がある

2019年において、米国では、所得レベルの下位20%の世帯(税引後平均所得$12,236)は、食費、医療費、住宅費及び交通費に、手取り収入の100%超を費やしています。また、下位40%の世帯(税引後平均所得$32,945)でもこれらの支出に約100%を費やしています。これらの支出には教育費や被服費、娯楽費は含まれていません。
あなたの所得レベルがこのレンジに収まる場合、無駄遣いをしているとは決して思えないし、いま以上に支出を削るのは現実的ではないように思います。

収入が増えるのと同じ比率で支出は増えない

上述の例では、2つの世帯グループを比較すると収入は2倍以上ですが、支出は2倍に増えておらず、40%多いだけです。より高所得の世帯グループではこの傾向はより顕著になり、上位20%の世帯(税引後平均所得$174,777)では、最下位のグループと比較して所得は14倍にもなりますが、支出は約3.3倍にすぎません
収入が少ないうちは生活の不便が多く、すこし収入が増えると、その不便を解消するための支出が増えます。例えば、洗濯機がなくて手洗いしていたなら、収入に余裕が出たら洗濯機を買うでしょう。しかし、その後所得がさらに2倍になったとして、2倍の価格の洗濯機は必要ありません。こういう訳で、一般に、収入が増えるのと同じ比率では、支出は増えないのです。

収入を増やすことに集中すべき

つまり、収入が増えると、必然、収入から支出を差し引いた手取りがより多く残ることになり、それが貯金となり、投資原資をより「楽に」つくることが出来るというわけです。これが、お金を増やしたいなら、収入を増やすことに集中すべき理由です
わたしは「お金を増やしたいなら、とにかくもっと節約して貯金を増やすべき」というメッセージは適切とはいえないと考えます。あなたがいま、まだ、低い所得レベルにあるなら、命を削ってまで節約すべきでないと思うからです。

収入を増やすためには

では、どうやったら収入を増やすことができるでしょうか。それは、正しくレバレッジを使い、時間単位の労働から解放されることです。
あなたが社会人になって初めのうちは、あなたはあたなの時間と引き換えに、収入を得るしかないかもしれません。それは普通のことです。次のステップは、専門性を高めたり、技術を得て、転職をすることで、時間当たりの報酬をあげることでしょう。しかし、最終的には、どんなにあなた自身の時間単価を上げても、収入は頭打ちになります。1日は24時間しかないからです。それに、おそらく、働き詰めでヘトヘトになるでしょう(そうしてこの時期、”何のために働いているのか”という疑問が頭をグルグル回ることになります)。

正しくレバレッジを使うとはどういう意味か

レバレッジを使うとは、梃の原理を使って、1の力(あなたの1時間)を10や100にするということです。言い換えると、あなたの分身を作るということです。具体的には、以下のいずれか、または、掛け合わせを目指すということです。

  1. ソフトウェアによるレバレッジ

  2. 設備によるレバレッジ

  3. 人材によるレバレッジ

  4. 金融資本によるレバレッジ

あなたがソフトウェアを作れば、あなたがいなくとも、世界中の人にサービスを提供できます。あなたが慎重に商品の需要を見極めて設備(工場や機械)投資できるなら、あなた1人が作るよりもっとたくさんの商品をつくることができます。あなたが従業員を雇うことができたら、あなたはあなたの仕事を教えて、あなたの(部分的な)分身をつくることができます。そしてこれらのことを、お金を使って(銀行から融資をうけて)、手間はそのままに、より大きな規模で行うことができるかもしれません。
そうです。1 x 2 x 3 x 4の掛け合わせこそ、会社が行っていることなのです。だから、あんなにたくさんの収入が得られるのですね。

あなたに進んでほしい道

ただし、あなたに大きなリスクを負ってほしいとは思いません。わたしが思う、平凡だが確実な豊かさへ至る道は―スリルには欠けるかもしれませんが―次のようなものです。

  1. あなた自身の時間単価を高める努力を行い、できるだけ多くのお金をあたな自身の人的資本を使って得る努力をしましょう。

  2. その傍ら、ソフトウェアを使ったレバレッジを使い、小さな小さなビジネスを始めてください。”ソフトウェア”といっても、プログラマーになるばかりではありません。インターネットを通じてこうして記事を書いて、できるだけたくさんの方に価値を感じてもらう努力をする。オンライン講座をつくる。1の努力が10にも100にも成る可能性をもつ力に目を向け、活用してほしいのです。

とりわけ、急いでお金持ちになろうとしてはいけません。じっくりと時間をかけて下さい。他人資本によるレバレッジに手を出す必要はありません。いえ、手を出さずに進めて頂きたいと思います。

最終的には「投資」から富を得る

そうして得た収入を貯金したら、それを、「投資」しましょう。投資とは何でしょうか。株式投資、不動産投資、事業投資、いろいろありますが、わたしが好きな定義は、投資とは結局のところ「あなたのお財布にお金を運んでくれるもの=資産を膨らませること」です(ロバート・キヨサキ『金持ち父さん、貧乏父さん』より)。
具体的には、a)得た貯金をあなたの小さなビジネスに再投資するか、b)株式等の金融資産に投資してください。どの株式がよいかについては、また次の機会としましょう。


出典:『JUST KEEP BUYING』(Nick Maggiulli)

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