共創活動を促す仕掛けづくりとこれから-チーム編成-
コミュニティというのはとても複雑でおもしろい。特に今回手がけたPOOLO3期に関しては私にとっても大きな挑戦だった。前回のPOOLO2期からプログラムを大きく変更した3期では「共創活動」を多く取り入れた。この共創活動をより良くするのが今回の私の大きな課題だった。
今回のnoteは振り返りとともに、私が意図して作った共創活動の3つの仕掛けを書いていきたい。
仕掛け①小さく濃い関係値をつくる
POOLO2期で関係地構築に苦労した一つの要因にチーム人数が多いことが挙げられる。多いと言っても6人ほどなのだが、とても大変だった。私が至った結論はコミュニティにおけるチーム人数は3〜4人が理想ということ。
5人以上のチームで共創するのが難しい理由はいくつかある。
特に解がない課題解決はチーム内のコミュニケーション量がモノを言う。
より小さく濃い関係値をつくり一人ひとりの発言量が増えるようにあえて3〜4人の少人数編成にし、チーム数を17チームに増やした。
これがなぜできるのかというと5人のコミュニティマネージャーの存在が大きい。コミュニティマネージャーは4チーム合計約15人を見てもらう。各チームの様子を把握し、小さな関係値がしっかり築かれるようサポートしてもらう。虫の眼のように細かいところを見てもらい、私は鳥の眼で全体を視る。そんな役割をこのコミュニティでは実現していった。
仕掛け②関係値の関わり方を変化させる
チーム編成にはかなり時間をかけ、丁寧につくった。ランダムなチーム編成ではもちろんなく、意図したチーム編成を行い、チーム編成方法を各タームごとに変化させた。この編成方法の変化はマズローの欲求5段階説から影響を受ける。
経営学にも応用されている理論で、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説をもとに作られた理論で、コミュニティにおいてとても参考にしている。
コミュニティの中では特に社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求を満たすことができる。というより、もはやこれらを満たすためにコミュニティがあると思っている。
タームごと変化させたチーム編成
第1タームは親近感を第一優先に「近い年齢」同士で組むように設計した。始まったばかりのコミュニティに所属している感覚を高めてもらうためには何かしらの共通点があった方が良い。その方が他者に受け入れられる実感がしやすいし、なんだかんだ境遇が似ている人が多いので話しやすい。(社会的欲求)
第2タームは違いを認識し、個性が活かされる設計に。あえて似たような人ではなく、強みが補完される関係値になるよう意識した。(承認欲求)
下記のような表に分け、各象限からピックアップしていった。もちろん相性なども考慮しながら。
第3・4タームは自己ビジョンが似た人で組むように設計した。(自己実現欲求)
豊かさの共通点が似通ったメンバーに設計し、自分と世界の豊かさをつくれるような編成を意識した。第4タームは大きなテーマとしては「場づくり」「旅」「自分らしい生き方」「その他」で分けられた。
今後のチーム編成
運営チームと話して今後のチーム編成には大きく2つのことを取り入れようとしている。
まず1つ目はストレングスファインダーを活用した編成。それぞれの個の強みがより活かしあえるチームづくりにするためだ。
もうひとつはチーム活動の評価ルールを作ること。実際、どのチーム編成がうまくいったのか評価する方法が感覚的でしかない。これを数値や何かしらの指標を使って判断していく。
難しいのはチーム編成の評価はシンプルなものではない。
なぜなら、人と人との活動であり、どれだけ相性が良くても、そのメンバーそれぞれに「意志」があり、論理ではなく「感情」があるからだ。人はロボットではない。メンバー1人ひとりが「自らチームを作っていく意思」があってこそ良いチームは実現できるもの。それを頭に入れながらも、チーム編成にはこだわっていきたい。
過程こそ特別な時間
チーム編成についてもう少し感情的な話をしようと思う。
チーム分けは以下の基準で決めていった。
正直な話、チーム分け①〜⑥の工程を70人分把握し編成するのは骨が折れた。1人を入れ替えるだけで全体の適合性が変わる事実にも戸惑った。
それでもチーム編成は私にとって好きな時間だった。70人一人ひとりと向き合えるかけがえのない時間だったから。自己ビジョンを知り、その人の想いに触れ、人と繋がることでより良くなる未来を想像することは楽しかった。なにより、実際のチーム活動を通じて関係値が高まっていくのを見ると嬉しくなったし、少しずつ参加者に変化が見えていく過程にワクワクした。最終発表では泣きそうになるほどに感動した。
「豊かな関係値」とは改めて結果より、過程にこそ価値があると思う。
さて、長くなってきたので今日はここまで。
3つ目の仕掛け「講義・内省・繋がりを同時に促す場づくり」についてと、これからのコミュニティ運営については別の記事で書いていこうと思う。
コミュニティに関わる人が豊かな人生を送れますように。
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