僕が書きたいのは

僕が書きたいのはこんなことじゃない
繰り返し書き直す文字たち
パソコンだから消すのは簡単だ
打っては消し
消しては打ち
書いて誰に伝えようというのか
小学校の頃は「夏の思い出を書きましょう」とか言われて
素直に夏休みにおじいちゃんとおばあちゃんの家に遊びに行ったことを
さして面白くもなく書いていた
あれを読んで誰にメリットがあるのか
何かを感じさせて心に響いたりしたのか
大学で小説の授業を取った
何度書いても最初の3行くらいしか書けなかった
結局僕は何も書きたくないのではないかと思うようになった
今日の僕は美味しい昼ごはんが食べたいと思って外へ出た
でも入ったのは何度も入ったラーメン屋で
それは僕にとって全く最上級じゃない店だった
僕は食べたいものなんてなかったのだ
美味しいものを食べたいとは思ってみても
それを探して食べに行くほどの情熱はないのだ
宝くじを買いに出た
有名な縁起のいい宝くじ売り場に行った
結構並んでいる
最初はそこで買おうと思っていたのに
並ぶのが嫌で他へ行く
結局僕は宝くじなど本気で欲しくはなかったのだと気づく
いつだってこんな感じだ
歳をとれば取るほどに無気力な自分に気づく。
結論としては僕は何にも書きたくないし
誰かに何かを伝えたいとも思ってない
残念だがこれが僕だ
それ以上でも以下でもない僕だ

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