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あれが最後だったと思い出す夜

ある人が書いていた
「始まりは意識して迎えるので鮮明に思い出すけど、最後は『今、思えば』とあとになって気が付く」
その通りだと思った
もう会うことはないだろうあの人とは
「今思えば」あれが最後だった
熱く燃えた一瞬があった
一緒に乗り越えた壁があった
救ってもらった瞬間も合った
共に過ごした時間は戻らずに過去へと消えていく
途切れ途切れでも
だんだん薄くなっても
どこかで繋がっていた
と思っていたけれど
やはり今思えばあれが最後だった
きっと最後になるのだろう
こんな時代だ
求めなくてもネットを通じて便りを聞くこともある
でも会うことはもうないだろう
会う理由もない
同じ一つのものに向かって走っていた時とは違う
今、会ったところで何になると言うのか
昔話をして終わるだけなら会わない方がいいし
お互いそのために求めることはないだろう
それが人生なんだと
なんとなく思う夜

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